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中絶の権利がない社会をどう思う?

アメリカで50年に渡り守られてきた「中絶の権利」が、認められない流れが起こっています。

中絶が認められなくなる

下記のウォールストリートジャーナルの記事には、こんな衝撃的な記述があります。

全米のおよそ半数の州が、ロー対ウェイド判決が覆されたのを受け、即時あるいは近いうちに中絶を禁止するか、大幅に制限すると予想されている。つまり、これらの州に住む約3600万人の出産適齢期の女性にとって、地元では中絶が受けられなくなる可能性が高い。

1973年「ロー対ウェイド判決」で中絶の憲法上の権利が認められた流れが、先月の判決で覆されました。約半数の州が中絶を禁止するか大幅に制限すると言われています。

多様性が認められる流れの中で、このような選択。現代のアメリカでこんなことが起こるなんて、驚きです。なんだかパラレルワールドでの出来事みたいに感じました。

「微妙な問題」だからこそ尊重されるべきこと

もちろん、中絶というのは微妙なデリケートな問題です。一刀両断出来るようなことでないのは、多くの人が認めることでしょう。中絶が当たり前の選択肢だという人もいれば、、中絶は絶対にすべきじゃないという人もいる。また、どちらの考え方を広めたり啓蒙したりするのも「あり」だと思います。

でも、だからこそ、悩んだり葛藤したりしても、最後に自分たちとして(あるいは個人として)選択するしかない。それなのに、選択肢自体が奪われるということは、あってはならないことだと思えます。

半分の州は合法だから移動すればいいのではとも考えられますが、国土の広いアメリカでは話が違います。千葉から埼玉に越境するみたいにはいきません。また、中絶という心身共に大きな負担になり得るシチュエーションでは、尚更です。

簡単に答えが出せないことって多いけど、だからこそ個人が選択できる余地が残されている意味がありますよね。

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長田英史(おさだてるちか) / NOT SHIP
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