学校でも家庭でもない子どもの居場所
Yahoo!ニュースが、興味深い企画をしていました。「子どもの頃、学校や家庭以外に居場所がありましたか?」と問いかけるもので、色々な人からコメントを集めています(後で記事としてまとめられるそうです)。
近所の歯医者さんに言いつけに行っていた
僕は、まだ幼い子どもの頃(就学前)、嫌なことがあると近所の歯医者さんに言いつけに行っていました(笑)。歯医者さんってちょっと怖い思いをするところのはずなのに、やさしく凛々しい先生がいらして、僕はなんとなく頼りにしていたのだと思います。
もっとも、先生は診療中なので、医院の中には入れません。そこで、道路から窓越しにつぶやくように話していました。たまに、本当にたまにそれが聞こえると先生が顔を出してくれました。
いまにして思えば、親や友達には言いにくいことを言える、もうひとつの場だったのだなと思います。
子どもの居場所づくりに関わる
僕が代表をしているれんげ舎では、長年「子どもの居場所づくり」を行ってきました。
自分たちの場所を持ち、そこを子どもたちに開放するようにし始めたのは1997年ですが、その頃、このような活動はまったく理解されませんでした。
「問題のある子を集めているの?」
「登校拒否の子の集まりなんですか?」
いまでは子どもたちの居場所づくりは一般化して、それを奇妙に思う人はほとんどいないと思いますが、当時はこのような感じでした。「問題のある子を助ける」というお仕着せの文脈があり、「家庭でも学校でもない子どもの居場所」というコンセプトは、ほとんど理解されませんでした。
子どもの居場所は家庭に決まっている…?
色々な人がやってきて色々なことを言っていきましたが、なかでも多かったのは、
「子どもの居場所っていうけど、そんなの家庭に決まっているじゃないか」
ということでした。もちろん、自由の少ない子どもにとって、家庭が一番の居場所であれば、それにこしたことはありません。でも、子どもも大人も、どこを「自分の居場所」だと感じるのかは人それぞれですし、一人ひとりが決めることです。
また、家庭になじめない子どもがいても、親に問題があるとは限りません。それどころか、家庭と学校に「子どもに必要な全て」を求めるのは、あまりにも無理があります。もしそれを要求するなら、子どもがいない人たちも、家庭や学校での子育てを応援する役割を担うことになるはずです。
子どもの居場所については、まだまだたくさん話したいことがあるけれど、今日はここまでにします。