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改めて「個人の判断に委ねる」を考える

新型コロナウイルスが感染症法上で2類から5類に引き下げられ、なんとなくコロナ禍も終焉という雰囲気になってきました。しかしながら、新型コロナウイルスそのものは2類から5類になったとしても変化していませんし、リスクも何ら変わっていません。

マスクについては「個人の判断に委ねる」という方針が政府から発表されていますが、改めて意味不明な発表だと思います。今までは誰の判断に委ねられていたのでしょう…?


2類から5類になったことをウイルスは知らない

ウイルスを擬人化するのは馬鹿げていますが、少なくとも、新型コロナウイルスは自分が「きょうから2類じゃなくて5類になったんです。そうですね、心機一転みたいな感じもありますね」みたいな風には思っていません。

ウイルスそのものは何ら変化せず、弱毒化が約束されているわけでもありません。日本の国内法、感染症法の位置付けが変わっただけです。

2類から5類への変更についての是非は、これは後になってふりかえってみなければ分かりませんが、こうした難しい判断で大切なのは、何を根拠にそう決めたのかということでしょう。

延々続くマスクする・しない問題

僕は個人的にマスクをするのが苦手なので、「しなくていいところば出来るだけしないけど、求められればする」というスタンスを決めて、いまでもそれを続けています。講演をするような仕事が多いのですが、その際にも、求められればマスクをしています。

5類に変わった当日の新聞記事で、マスクをしている人々の割合に大きな変化は見られなかったとありましたが、それはそうですよね。「感染するのもさせるのも怖いから極力マスクをしよう」と考えている人は、5類への変更など無意味ですし、もはやウイルス感染とは無関係の理由でマスクをしている人も同じです。

政府からはマスクについて「個人の判断に委ねる」という意味不明な発表が成されましたが、当惑した人も多かったのではないでしょうか。

いままでがどういう理由でどういう措置がとられていて、それがどういう理由でどのように変わったのか──そこまでがワンセットで報道されないと、「いや…、でも前から基本的に個人の判断だったのでは…」と当惑します。

自分で決めるのって、時にはしんどいこともあるけれど、政府発表に依存せず、自分で考えて自分で決めることが大切だと、改めて思いました。

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長田英史(おさだてるちか) / NOT SHIP
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