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続ける重圧?「活動」は長く続けなくていい
あなたは、活動を長く続けていく自信がありますか?
地域活動や社会活動は、長く続けていくべきものだという考え方が一般的です。歴史のある活動だと、「歴史あるこの活動を、自分の代で途絶えさせるわけにはいかない!」と悲壮な覚悟で活動している人がいます。
自分の代でって…、徳川家か!
お前は先祖代々続く造り酒屋の長男か!
「長く続けなくては…」と言う人は、大抵大まじめに頑張っているので、なかなか声に出して言えないのですが、心のなかでこんなツッコミを入れてしまいます。そもそも、なぜ長く続けなければならないのでしょう?
活動は長く続けなくていい
まずはっきりと言いたいと思いますが、活動は長く続けなくて構いません。
僕は、いまれんげ舎というNPOの代表ですが、この活動は20年続いています。前身の活動に参加したのが1990年(当時18歳)ですから、もう四半世紀を越えました(現在47歳)。客観的には「長く続いている」わけですが、率直に感じたままに言うと、
「ずっと同じことを続けてきてしまった…。これでよかったんだろうか?」
と思うこともあります。まぁ、当面は「これでよかった」という結論なのですが、長く続いたからって何なの? という気持ちです。
長く続けようと思うから始められない
だいたい、長く続けるという前提で、何かを始められますか?
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書記だけすればOK! 6年任期のPTA書記係
無理ですね〜。そんなに先のことまで、約束したくありません。
地域活動も同じです。
なにかを始めようとするときに、それを「長く続けなくてはならない」と考えたら、だれだって足がすくみます。
自分の代で終わらせる・変えるために必要なこと
歴史のある活動で、しかも毎年同じことを繰り返していて、それが負担になっている。町内会・自治会やPTAなどにもよく見られるパターンです。
だからといって、「大変だからといって、自分の代でやめるわけにはいかない」と、みんながんばります。あるいは、がんばらなくていいように、出来るだけそういうポストから逃れようとします。
活動の場を維持することの負担感が大きく、何の意味があるのか分からないから、変えてしまいたい。場合によってはやめてしまいたい。
「だからもうやめちゃいます!」と勝手に宣言されても、「おいおい、それは違うだろ!」という人が出てくるはずです。
ただ「負担が大きい」というだけの理由で、変えてしまう。これはNGです。「負担が大きい」というのは、考慮されるべき事案ですが、変える理由として完全ではありません。
じつは、長く続く活動を終わらせたり、変えるためには、ある条件を満たす必要があるのです。
長く続く活動に変化をもたらすには?
変えるために必要なのは、その活動の成り立ちや歴史を、客観的に把握することです。
長く続く活動が形骸化することはよくあることですが、その形が作られた当時には、その目的があり、思いが込められていたはずです。まずそれを、発掘して、把握するのです。
僕は学生の頃、地域で長く続く教育運動に参加し、ある時期から様々な改革を行いました。その際には、古い文献を当たったり、活動の黎明期のスタッフを訪ねて、話を聞いたりしました。
「ここは意味ないから変えたい」と思っていた部分が、じつはとても大切で、自分の理解が不足しているために「意味がない」と勝手に思い込んでいたことが分かりました。意味を知らないから、意味がないようなやり方をしてしまっていて、「意味がない」と思い込んでいたのです。
他にも「この部分はもういまの時代には合わない」とか、「この部分については、改めて作り手側で議論しなくてはならない」と思えることもありました。
成り立ちを学ぶことで、はじめて自分が、その活動の本当の主体になれたと感じました(変化をもたらすことで様々なことを経験しましたが、長くなるので改めます)。
むしろ「期間限定」で始めてみたら?
活動をはじめたい人に、おすすめの方法があります。
それは、「期間限定」で立ち上げるということです。
例えば、「地域の居場所」を始めるなら、「2年間限定」と決めて、はじめてみてはどうでしょうか? 下図をご覧ください。
準備期間を経て活動を始める際に「2年限定(期間は任意)」と内外に宣言して、活動を立ち上げます。そして「1年半(やはり時期は任意)」の時点で、
・活動で当初やろうとしたことは何だったのか?
・実際の活動ではどうなったのか?
をふりかえり、その上で、
(1)活動を休止または解散する
(2)そのまま続けることを決定する(また2年と区切ってもいい)
(3)ふりかえりを経て、変化させて継続する
などの、「次の一歩」を選択します。
「手作りイベント」を開いてみるのもおすすめ
「いや、2年とか、長いよ…」
という方は、一度きりの「手作りイベント」を開いてみてはいかがでしょう?
あなたの興味があること、やりたいこと、問題意識を「イベント」という器に入れるのです。
・コミュニティカフェを開きたい → 1日だけのカフェを開いてみる
・家族問題を考えたい → 共通するテーマの本の著者を招いて講演会を開く
・読書サークルをつくりたい → 好きな本を持ち寄る飲み会を開く
どうでしょう? これならやれそうじゃないですか?
なかなか手が付けられない大きなプロジェクトも、一度「場」として出現させてみると、「あれ? けっこうやれるかも…?」と思えてきます。自分のやりたいこと(テーマや問題意識)とつながりのある内容にするのが肝要です。
長く続けるのは、目的ではなく結果
無批判に活動を続けるよりも、「続ける/やめる」を判断する機会を持つ方が、ずっと健康的です。活動する人の思いと、活動の場がつながっていなくては、何の意味もないからです。
その結果、長く続くこともあるし、続かないこともある。続かないからといって、その経験は決して無駄ではありません。
ただ、何らかの悩みを抱えている人を対象にした「居場所」の活動などは、「試しにやってみる」という考え方がそぐわない場合があります。
「その場があるからやっていける」というような、利用者の依存度の高い「場」は、そこが突然なくなるとダメージを受ける人たちがいるからです。
こうした「場」は、切実な分、運営の難易度も上がります。そのあたりのことは、こちらの記事(子どもから高齢者まで? 「地域の居場所づくり」の盲点)も参考にしてください。
「活動のはじめ方」は学べます
最後にお知らせです。じつは、こうした活動のはじめ方、「場」のつくり方は、学ぶことが出来ます。
僕は学生の頃から現在までの26年間、このような活動を続けています。就職もしませんでした。NPO法人格がまだ日本にない時代でしたので、任意団体としてれんげ舎をつくり、それを「仕事」にしました。
行政からの事業委託も受けていませんし、公共施設の指定管理者でもありません。いわば「手作り」の延長で、ずっとやってきました。
僕が出しているメルマガ「場づくりのチカラ(購読者2,500名)」では、活動を始めたい人、豊かな「場」をつくりたい人に役立つ情報を掲載しています(本コラムのような感じです)。配信は月3回。せっかく無料配信しているので、興味がある多くの方に受け取っていただければと思います(購読解除もご自身で簡単に行えます)。
実際に「活動」のはじめ方、運営などを学びたい方のためには、こちらの「場づくりクラス」への参加をおすすめします。毎年開催されている全15回の連続クラスで、10代〜60代までの幅広い人たちが集まっています。
(※現在はお昼の短期集中クラスの申し込みを受け付けています。)
僕は活動の「支援者」ではありません。実際に活動する「プレイヤー」です。共に活動を志す者同士して、情報を共有していければと思っています。
長田英史(おさだてるちか)|プロフィール
NPO法人れんげ舎代表理事。「場づくりクラス」講師。まちだNPO法人連合会会長。
1972年、神奈川県茅ヶ崎市生まれ。和光大学経済学部経営学科卒業後、同大学人文学専攻科教育学専攻中退。教育学や心理学、運動論、身体論などを学ぶ。1990年、在学中にかかわった「子どもの居場所・あそび場づくり」の市民活動に学生ボランティアとして参加し、卒業後は就職せず、それを仕事にする。いわゆる中間支援組織ではなく、自らも現場で活動する「プレイヤー」として、「場づくり」の哲学とノウハウを共有し続けている。
☆メルマガ「場づくりのチカラ」を無料配信中。 http://bazukuri.jp/
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