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ニーズを聞いてばかりではダメな理由

「みなさんどうしたいですか?」とまず周囲の人の希望を尋ねる人がいます。親切なようですが、場づくりの観点からだと、逆効果の場合も多いのです。

周囲の要望を聞いた後の展開が問題

あなたはまず自分の希望を伝えますか?
それとも相手の希望を尋ねますか?

例えば、何らかの場に集まった人たちに対して、「きょうはみなさんの要望に沿って進めたいので、要望を聞かせてください」と声をかけるとします。場の内容にもよりますが、こういう「ニーズをきいて進める」という感じのやり方は、一長一短があります。

そこに人が集まっている以上、呼びかけた人がいるはずですよね。つまり、その場には予め設定された何らかの趣旨があるはず。そして、その趣旨について一番考え深め整理しているのは、呼びかけた側の人です。

「ニーズを聞く」ことに依存してはいけない

にもかかわらず、いきなり集まった人に「きょうはどうしたい?」と質問してしまうと、その場で一番良質な何かが後回しにされてしまうことがあります。

そもそも、集まって「どうしたい?」という質問に答えるのって、ちょっと難しいんです。ぎりぎりまで他のことを考えていた人だって多いですよね。

そうなると、出てきた“ニーズ”は、実際にはみんなのニーズを代表したり象徴したりするものではなく、「唐突な質問にがんばって答えた人の声」に過ぎない場合があります。また、あまりマニアックな声が出て来ると、他の人は置いていかれてしまいます。

はじめは自分から話しかける

ニーズを聞きたいなら、まず自分から「こうしたい」ということを、しっかり伝える必要があります。何も投げかけていないのに、何か力のあるリアクションを期待するのは、ちょっと都合が良すぎます。基本的に投げかけたエネルギーが戻ってきますので、まずはこちらから仕掛けます。

また、しっかり「こうしたい」というのを伝えた上で、「ちょっと思ってたのと違うかもとか、それならこういう内容も扱って欲しいとか、ありますか?」と尋ねれば、本当のニーズに触れやすくなります。

「相手に合わせます」という態度は、相手を包み込むような力強さを持つ場合もありますが、相手に寄りかかっている場合もあります。場をつくる人や、すぐに周囲の希望を尋ねてしまう人は、気をつけたいポイントです。

自分から「こうしたい」と伝えるのは、ちょっとした緊張感を伴う場合があります。でも、それは悪い緊張ではなく、乗り越える価値のある必要な緊張感です。そこを通った先にある充実を、体験出来るといいですね。

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