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あいまいで避けてきた言葉

自分の中で意味がまとまっていなかったり、簡単に発したくなかったりして、使うのを極力避けている言葉がある。
「頑張る」「考える」「向き合う」「本質」…とか。
「寄り添う」もその一つ。
その言葉が示すものは何だか不確かで、相手によって行動が違うもので、軽々しくこの言葉を当てはめたくない。
だから使うのに慎重になってしまって避けていた。

でも最近、友達がこの「寄り添う」って言葉をすごく素敵に使っていたからはっとした。

彼女は手話を学ぼうと思っていると言っていた。
理由を聞くと、今まで手話を必要としている人に出会うことや、自分が分かっていれば助けられたのにと感じる場面に立ち会うこと、そのような文学作品を読むことが多かったからだそうだ。

「人に寄り添う力がある人になりたい」

その言葉を聞いて、この「寄り添う」っていう言葉が初めて確かなものに感じた。
「寄り添う」って、相手を知るために具体的に何かに打ち込む、身につける、みたいな具体的な行動なのかもしれない。

そういう具体性が目に浮かんだのと、話から感じる彼女の思いから、それまで私の中でふわふわ浮いていた「寄り添う」という言葉が重力を持って手元にすとんと落ちた気がした。

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