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OW2 - パーク実装と「見る」ゲームとしての価値
お疲れ様です。
おさしみです。
この記事があがっているということは、OW2 の新シーズンが来て、実質 OW3 が始まっているということでしょう。
なんといっても目玉はパークの実装。
正直予想はできていましたし、賛否両論ありそうな試みだとは思いますが、このまま固定ユーザーとともに緩やかな死を迎えるよりはいいのかな、というのが大まかな私の意見。
大なり小なり目玉アップデートをしてゲームに新鮮さを出すのも重要かと思います。
大事なのは、不評なポイントをしっかり洗いながらユーザーと向き合っていくこと。そして、ユーザーもできるだけポジティブに建設的に捉えること。
お互いがお互いのよりよい未来のために尽力できるといいなーというのが自分の考えるところです。
さて、パークについて色々書きたいことはあるのですが、表題の通り「見る」ということにフォーカスして書こうかと思います。
最後におまけで他のことも軽く書きますね。
今回の記事は攻略記事ではなく、OW2 の未来を自分なりに考察する雑談記事になります。
5,700 文字ほどの記事になります。
流行るゲームは「見られる」ゲーム
自分の考えとして、現代において流行るゲームはそのゲームの内容やコンテンツ量が充実しているのはもちろんとして、見るに値するかどうかが重要だと思っています。
配信文化の盛んな日本においてはなおのこと。
Vtuber さんや有名配信者さんの扱ったゲームは圧倒的な伸びを見せます。
某 AVA 最強の男が海賊対戦 FPS をプレイしたときには Twitch の視聴者数が跳ね上がり、異変を察知した開発者がゲームのアナウンス機能を悪用して直接感謝を伝えたり。
某麻雀牌メーカーと権利問題で揉めた某ゲームは、様々なストリーマーに事前プレイをばらまいて話題性から販売数記録を樹立したり。
このような事例からも配信カルチャーとゲームの流行は密接な関係にあることがわかります。
配信を見ていて楽しそうだったから自分も始めてみた。
という因果関係もあれば、
配信映えするから配信した。という逆パターンもありますね。
シンプルにゲームそのものを知るきっかけになることもあれば、「自分ならもっとうまくできるかも」と挑戦的に始めることもあるかもしれません。
配信者のプレイから学んで自分のプレイに活かしたり、自分はプレイしていなくても友達の話題についていけたり。
様々なケースにおいて「ゲームを見る」ということの価値が高まっています。
昔で言う「昨日のテレビ見た?」とか「ボタンはボールの揺れに合わせてお押したほうがいいんだよ」とかいう会話の主題が「ゲームを見る」に変化し、それらが SNS や配信プラットフォームを通して行われるようになっているわけですね。
テレビ見てないから話題についていけない、っていう事例が配信に成り代わっているなんてケースもじつはあるかもしれません。
誕生日配信を見ていなかったせいで話題についていけなくて小学校でいじめられる、とかあるのかな。こわ。流石にないか。
「見られる」ってなんだ?
ここでいう「見られる」は見ることが可能である、先の言葉を使うと「見るに値する」ということです。
見ていて楽しいことはもちろん、見ていてわかりやすい、何が起こっているか理解できるということも重要になります。
FPS というジャンルは敵を攻撃して倒したら基本的に偉い、というゲームですね。なのでその事前知識さえあれば、APEX も VALO も OW もある程度楽しむことができます。
敵倒した!すごい!とはなれますね。
でもなんか、味方に線つないでるだけで偉いって言われたり、盾構えてるだけで偉いって言われたりするゲームあるらしく、それは「見る」に際してより多くの事前知識が必要になりますね。
サッカーなんかは非常にわかりやすいですね。
敵陣地に足でボールを運び、ゴールにいれる。
ゴールに近ければ近いほど押している、ゴールを決めたら偉い、守ったらすごい、非常に「見る」ことに優しいゲーム性。
「勝っている」「押している」という状況がわかりやすいことも「見る」ことを簡単にしている要因なのかもしれません。
競技シーン、大会シーンの観戦
対戦ゲームにおいて、大会の観戦というのは大きな「見る」場になります。
プレイヤーとしての主観視点ではなく、いわゆる神視点からのゲーム展開の把握は非常に重要なファクターになります。
最近の例でいうと、VALORANT の大会や APEX LEGENDS の大会は UI や実況解説が非常に充実しています。
演出やカメラワークも年々洗練されていき、重要なキルシーンを見逃したりファイトの状況がわからないという状況に陥ったりすることはほとんどありません。
もちろん、運営の技量によるところも多いですが、そもそものゲームに見られるポテンシャルがなければ運営の出せるパフォーマンスにも限界があります。
今回の OW におけるパーク実装は見られることにどのような影響があるのでしょうか?
競技シーンや大会シーンについて考えていきましょう。
OW における「見る」
OW1 から OW2 へ
OW3 と言われている今回のアプデについて語る前に、OW1 から OW2 への変化に関する自分の考えをまとめます。
正直、OW1 から OW2 への変化で一番大きかったのは「見る」人間への影響だと思っています。
当然、プレイヤーが 2 人減り各々の影響力が上がり、メタやセオリーも大きく変わりました。
しかしそれでも、見る人間の負担が減ったことが非常に大きいと思っています。
OW1 では OWL や World Cup が盛んに開催されており、6v6 の激戦が繰り広げられていました。
友人と同時視聴したり、一人さみしく公式配信を見たりしていましたが、今ほど観戦を楽しめるものとしている人は多くなかったように思います。
日本の公式配信のようなものもほとんどありませんでしたし、あっても視聴者数は微々たるものでした。今の OWCS の注目度は感動もんですよ。ほんと。
それもそのはず、OW1 の観戦はめちゃくちゃ難しい。見る側の負担がめちゃくちゃでかい。
単純にプレイヤー数が 2 人多いですし、OW1 の中期には 3 人のタンク、後期には 2 人のタンクがゲームを動かしにかかります。
ファーストデッドした側が集団戦勝ったり、ウルト吐かれた側がまくったり。
コメント欄や友人の感想で頻発したのは「なんかしらんけど集団戦勝った」
それくらいに状況把握が難しいゲームでした。
画面外でキルが発生していたり、あちこちで戦いが発生してエリアの奪いが起こったり。
OW2 はどうでしょう?
タンクがひとり減ったことにより、集団戦の起こる場所が減り小規模戦・小競り合いの発生も少なくなりました。
基本的にタンクを追っていればゲームの流れや戦線の押し引きを把握することができます。
ファーストデッドした側が多くの場合で集団戦に負けますし、ウルトの有利がしっかりと集団戦の有利につながります。
OW1 から OW2 になって格段に「見やすく」なったことは確かです。
「なんか勝った」「なんか負けた」も減り、スーパープレイを追うことも容易になりました。
これにより観戦からモチベーションアップにつながったり、カジュアル層の知識充実につながったりした自分は思っています。
メタ・構成の固定化
とはいえ、すべて良い方向に動いたわけでもありません。メタの固定化という大きな壁もありました。
といっても、もともとメタは固定化されていたので OW2 になったからというわけでないですが。
OW1 中期には悪名高き「GOATs」が流行り、競技シーンはそれ 1 色。
後期もミラーマッチばかりでメタ・構成の多様性とは程遠い状況でした。
OW2 に入ってからしばらくはシーン成熟していなかったこともあり、様々な構成を見ることができました。
それは 5~6 シーズンほど続き、新ヒーローもいい形で影響を与えていました(お花屋さん・・・)
しかし、ジュノ登場あたりを境にミラーマッチが増え始めました。
一方で、BAN を採用する大会もあり、それにより様々な構成をみることができるようになりました。視聴者としては BAN の楽しみや、構成の変化が生まれて良い刺激となりました。(当然競技者側は練習が難しくなるわけですが)
OW2 が悪いかといえばそういうわけではないです。
LoL や VALORANT を見ても、メタのキャラクターというのはある程度決まっており、ミラーマッチや同じキャラクターが頻出するという状況は OW2 と大差ありません。
これ自体、ゲームの競技シーンが成熟しており、安定したゲーム性であることの証明でもあると思います。
何が言いたいかといえば、メタの固定やミラーマッチの頻出を吊し上げて運営に文句言ってる人やばいな、っていう目で私は見ているということです。
どんな優れたゲームでも運要素の少ない、競技制の高いゲームである以上、理論値や期待値どおりにある程度収束してしまうということ。
(まぁ、オフメタ構成見るとわくわくするのは私も同じですが)
パークが追加されて
さて、パークの追加の話がいよいよ始まりますが、結論は非常に単純。
「観戦が難しくなる」
です。
パークを覚える手間
見る側の負担が非常に大きくなります。
「この人は今どのパークをとっているか」を把握する必要があります。そして、そのパークの効果を思い出してというのを 10 人分、マイナーパークとメジャーパークで 20 人分。ヒーローがかわったらやり直し。大変ですね。
実況解説の人も、すべてのパークを覚える必要があり、その数 200 弱。ひえー。
それを観戦 UI で把握する方法も非常に難しくなりますね。
LoL のルーンやアイテムに近いものがあるとは思いますが、ルーンは数も少なくゲーム中の変化もありません。アイテムは立ち回りに変化があるほどの効果はないケースが多いです。
LoL は上手く UI で表現していますが、結局各 ルーンやアイテムの効果はユーザーが調べる必要があります。
ここが LoL の敷居を高くしているポイントではあるのですが。
当然、プレイしているうちにある程度勝手に覚えていくものではありますが、これから始めようかな、初心者だけど大会見てみようかな、という人に対しては大きな壁となるでしょう。
LoL よりも展開の早いゲームですので、それぞれのパークについて実況解説の方が説明している暇もないでしょう。
メタは分散するのか?
メタ固定の現状に一石を投じるものとなるでしょうか?
私はならないと思います。
結局、ヒーローごとに強い選択肢が固定化されてより複雑なメタへと進化するだけだと思います。
それこそ初心者お断り要素の増加。
A/B の選択肢が対等であり、シチュエーショナルな選択ができればよいのですが、見る限り一方が明確に強く、敵味方の構成やプレイスタイルに合わせて選ぶようなものも少ないように思います。
これも先の話と同じで期待値や理論値がより細かく考察されるだけで、それらが煮詰まる前までは様々な型が生まれるとは思います。しかし、時間が経てば立つほど固定化されるでしょう。
競技シーンの高いレベルであればなおさらでしょう。
弱い選択肢は等しく淘汰され、強い選択肢が残るのはジャンクラットやライフウィーバーが競技シーンで見られないことで証明されていますね。
「このマップでアナ出すんだ、珍しい」という博識アピールが「このマップでメジャーパーク A でアナやるんだ、珍しい」みたいにメガネクイクイ度が上がるのはオタクの自分としては嬉しいですけどね。
まとめ
OW1 から OW2 になる際に改善された Overwatch を「見る」という楽しみ方が OW3 によって奪われてはしまわないかというのが私の懸念点です。
確かに、新しい要素と選択肢によってプレイヤーはより様々なことに挑戦することができ、自分も楽しみにしているポイントです。
しかし、前述の通り「見る人」も昨今のゲームコミュニティにおいて重要な存在です。そういった楽しみ方をする人たちが「観戦つまらない」となってしまうような自体は避けてほしいですね。
そのために、大会運営の尽力や工夫、開発運営の UI デザイン、インフルエンサーや情報やさんたちの情報発信もじゅうようになっていきそうですね。
というお話でした。
おまけ:パークの追加で怖いこと
本題と関係ないおまけをちょっとだけ。
OW2 はある程度知識ゲーの部分があり、そこが初心者お断り感だったりを生んでいます。
各ヒーローのアビリティの仕様やウルトボイスの聞き分け、マップ理解にルール理解、リグループやウルト交換といったセオリーなどなどなど。
知らなきゃどうにもならないことがたくさんなります。
そこにさらに「パーク」が追加されるわけですから知識ゲーが加速するわけですね。
「ジャンクラットはトロール」みたいに言われていた時代から「ルシオで B のメジャーパーク取らないのはトロール」みたいな侮蔑行為に進化していかないかなーと怯えています。
とはいえ、実験場イベントマッチとかめっちゃ好きだったのでしばらくは楽しみながら遊べたらなーと思っています。
また知見が溜まったら記事にするつもりです。
あとは運営さん調整大変そうだけど頑張ってね、って。
おわりに
さて、あまり書いてこなかった OW の運営やアップデートに関する考察記事でした。
とはいえ、楽しみ 6 不安 4 くらいでこの日を迎えておりますので、新シーズン張り切っていきたいと思います。
ゲームの観戦や配信に関する考察もしながら生きていますので、今回は OW2 に特化しましたが、VALO や SF6 など色々なゲームにおける「見る」という楽しみ方についても考察記事かけたらなぁーと思っております。
くだらない記事でしたが、お付き合いいただきありがとうございました。
ではでは。