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感動を最大限に伝えたい厚岸・釧路の旅 2日目

夜中に一度目覚める。空腹を感じ1日の食べたものを思い出してみる。朝の丸亀製麺、昼のおにぎり1つと揚げ物。あとは晩酌のおつまみだけだ。炭水化物が少なくこれではお腹が空く訳だ。もしこれが自宅なら、冷蔵庫を開けてポリポリ、ムシャムシャしてたかもと思う。再び眠れるかなぁ。カバンの中にナッツならあるけどと、思いながらも30分程もがいた後、再び訪れた睡魔により朝までぐっすりと眠れた。

朝食は朝8時半にお願いしていた。バーコーナーは夕朝食会場も兼ねている。お櫃に入ったご飯全てを美味しいおかずと共に頂き、日本人であることの喜びに浸る。

朝の日差しを浴びて、朝食を頂く

寝る前に気づいた。スマホの充電器を持参するのを忘れてしまった。ホテルから少し離れた場所にセブンイレブンやセイコーマートに販売しているだろう。もう一つの後悔は、天気予報の気温よりかなり暑い。長袖も3着持参したのに毎日Tシャツ1枚で良かった。

そう、自分で言うのもなんだが、私は超晴れ男である。涼しいはずの厚岸釧路を訪れ快晴で汗ばむ気温。その時横浜は雨。釧路を離れた翌日から曇りや雨の予報であった。昨年のロンドン・パリの旅でもそうだった。ロンドンに到着する前日まで涼しく、私が滞在した1週間は猛暑。ロンドンを離れた翌日から雨。まあ本当にいつもこんな感じなのだ。

蒸留所見学ツアーは10時半にホテルを出発する。それまで1時間半あるので買物に出かけた。有り難いことに支配人が自転車を貸してくれたのだ。

安全運転。そしてヘルメット着用で

いつもママチャリの私。ロードバイクに跨り、気持ちの良い厚岸の町を颯爽に走る。セブンイレブンの先に厚岸のシンボル厚岸大橋が見えてきた。そうだ!この橋を渡ってみたい。橋の上から厚岸湖、厚岸湾を眺めてみたい。そこでは360度写真の撮れるTHETAの出番だ!ぜひ牡蠣・・・いや、下記リンクを開いて、写真をグリグリ指で動かして見て欲しい。
厚岸大橋より厚岸湖を望む

駅側を背にして、この厚岸大橋の左が厚岸湖(汽水湖)で右側が厚岸湾(海)だ。厚岸湖に注ぐ幾つもの川の恵みが、厚岸の牡蠣を美味しく育てていると言う。

こちらは厚岸大橋から厚岸湾を望む景色だ

買い物を済ませ、いよいよ見学ツアーの出発となる。まずはウイスキーを貯蔵する樽作りの工房を。厚岸産のミズナラを加工する工房を外から見学する。ここで裁断された木材は宮崎にある工場で樽に形成され戻ってくる。

厚岸産のミズナラ

一度利用された樽の修繕も行う。ピート(泥炭)の乾燥もここで行われている。

ピート(泥炭)の乾燥中

そして驚きはイチローのバットはミズノから委託され、製造を行っていたのはここであったのだ。

次に訪れたのは、ウイスキー作りには欠かせないピート(泥炭)の採掘場所だ。スコットランドのアイラなどと同様に、スモーキーなウイスキー作りを目指す厚岸ウイスキーには大昔、海であったこの場所のピートが必要なのだ。蒸留所近くのピートではスモーキーさを表現出来なかったらしい。その場所はかつて海ではなかったからだ。

この大地の下にピートが眠る

そしてお待ちかね。厚岸ウイスキー蒸留所に到着。日曜日でも休みなく操業をしている。1月から3月までは完全に操業停止し、9ヶ月は休みなく蒸留所は稼働していると言う。作業者は交代で休みを取りながら。

ウイスキーを仕込む蒸留所

バルコニーのガラス越しから中を伺い、ウイスキー作りの行程を支配人から説明を聞く。

蒸留の真っ最中

今は別の場所に大きな貯蔵庫を持ちながらも、操業開始当時からウイスキーが眠る小さな貯蔵庫を見る。使用済で空になったバーボンやワイン、シェリー樽などを輸入し、メンテナンスして再利用。そこに蒸留された無色透明なウイスキーを詰めることで、深く色々な風味の原酒を作り出すことが出来ると言う。

様々な国から集められ、貯蔵された原酒たち

最後に大きなタンクに原酒をブレンドし、時間をかけ撹拌し瓶詰め箱詰めする施設を見る。衛生管理が徹底しているからこそ窓からしか樣子を伺うことは出来ない。厚岸ウイスキーに携わる全ての人々の思いを聞けて、次に飲む時には更に美味しく感じることだろう。

撹拌、ボトリング作業の棟

以前旅した際に立ち寄った「馬場商店」。牡蠣をその場で剥いて食べさせてくれたお店だ。

馬場商店

今は同じ建物内の「ゆっけ」の座敷やテーブル席にて味わうことが出来る。メニューには牡蠣の子守唄を見つけたので、早速厚岸牡蠣とのマリアージュを楽しみたい。すると残念ながら品切れで角ハイボールで我慢をする。

生牡蠣3個と角ハイボール

3個の生牡蠣をぺろりと平らげ、向かいにある回転寿司「かざぐるま」へ。

回転寿司かざぐるま

サンマ、真いか、生牡蠣軍艦、ブリ中落ち軍艦、オヒョウアラ汁、真だこ、牡蠣フライを。

回転寿司は楽しい

徒歩でゆっくり海岸沿いを眺め、ホテルへ向かう。海岸に出てみると、潮騒とカモメの鳴き声、そして潮風に乗って流れてくる天日干しされた昆布の香り。こんなにのんびりと旅を楽しんでいると日常に戻れない気分になる。

天日干しされる厚岸昆布

ホテルでもう一度自転車を借り、漁協が運営するエーウロコと言う海産物を扱う施設に立ち寄る。

エーウロコ

ここではレンチンにて蒸し牡蠣が楽しめる。1つあたり500ワットで1分加熱。かぱっと空いた隙間に牡蠣ナイフを差し込み貝柱を切り、殻を外す。ふわっと立ち上る牡蠣の香りに吸い寄せられるようにパクっと頬張る。そして下側の貝に残った汁をじゅるっと。あ〜たまらない。

レンチン蒸し牡蠣

ここまで生牡蠣3個、焼き牡蠣2個、生牡蠣3個、牡蠣寿司2貫、牡蠣フライ2個、蒸し牡蠣3個の15個。そして厚岸ウイスキー4杯と厚岸の味覚を思う存分に楽しんだ。

ホテルに戻り自転車を返却。大変お世話になった支配人にお礼と別れを告げ、厚岸駅から釧路駅へ向かう。

厚岸駅

車窓からの厚岸湾、線路内に侵入した鹿に対して鳴らされる警笛、1時間弱の列車の旅を楽しんだ。

厚岸の海よ!また来るね!

釧路駅に到着し、まずは観光協会へ。釧路は「世界3大夕日」の街と言う。他にはインドネシアのバリ島、フィリピンのマニラが選定されているそうだ。夕日を一番良い場所で見るには何処が良いか尋ねると、「皆さん幣舞橋から見ていますね。もう少し高台からだと、橋を渡った幣舞公園からがオススメです」と。

釧路駅の北と南を結ぶ地下通路は
ギャラリーになっている

釧路駅北口から徒歩3分くらいにあるビジネス旅館「富喜和荘」にチェックイン。3階建てでお父さんお母さんで営む小さな宿だ。リュックサックを部屋に置き、釧路駅前へ繰り出す。

お世話になった釧路駅北口の富喜和荘

繁華街とほとんどのビジネスホテルは南口だ。北口はひっそりと静まる住宅街である。

駅前の大通りを幣舞橋へ向かい進もうとするも、夕日を見たあとの飲食店リサーチを兼ねて大通りを避け東側を進む。フムフム。賑やかな場所、そうでない場所を頭に入れる。

KUSHIROのモニュメント
まだ「O」がない

川沿いに出ると「KUSHIRO」のモニュメントを見つけ、幣舞橋を渡る。すでに夕焼けに向けて少しずつ人が集まり始めている。

夕暮れ前の幣舞橋

私は幣舞公園から見ることに決め、ゆったりとした階段を登っていく。木立もあり、ペンチもある小さな公園だ。9月とはいえ、そして夕日とは言え日差しが強い。階段を登ったせいもありTシャツ1枚になる。ものすごい蚊がいるのだろう。目の前をブンブン飛ぶ。しかし私は不思議と蚊に刺されない。いや、刺されにくい。

幣舞公園

まさに360度カメラTHETAの出番だ。撮影した幣舞公園からの眺めはコチラ。指でグリグリ回して見て欲しい

前日の厚岸の夕焼けは、雲が多く諦めていたが、雲の隙間から見えた真っ赤な夕焼けに感動した。今日はどうだろう。快晴過ぎる程雲一つ無い好天。段々と日は西に傾くにつれ釧路港は輝きを増す。

海も空もオレンジ色に輝き始める

幣舞橋の上には大勢の夕日を楽しむ方々。こちらには10人くらいだろうか。いよいよ山にさしかかる。

見えている太陽の面積が徐々に少なくなるにつれ、闇は訪れ、そして暑さも和らぐ。太陽の恵みをまさに身体で感じた。

山に沈むと闇も訪れる

結局赤や紫色のような夕焼けは見られなかった。これらを演出するのは雲の役目。雲一つない快晴のこの日。これはこれで幸運なのだろう。

階段を下り、幣舞橋へ。日が沈みトワイライトタイムを迎える。

今度は大通りに対して西側を歩く。こちら側は主にオフィスビルがメインだ。自分の店と同じ屋号の店を見つけた。よし!ここだ!と思ったけれど残念ながら日曜日が定休日であった。

まず1件目に選んだのは「小川商店」。オススメのおつまみやお酒のメニューが壁一面に張り出されているなんとも賑やかな店だ。

なんとも賑やかな小川商店

入口に書いてあったさんま刺身やカレイ刺身などは残念ながら売り切れ。オススメされたまぐろの刺身は仕事柄毎日のように食べているので遠慮して、お通しとめふん(鮭の腎臓の血合いの塩辛)をサッポロクラシックで流し込む。

やっぱり北海道に来たらこれだよね〜
お通しとふめん

そして釧路名物の皮たれ串はカリッと焼かれ、ちょっと甘めのタレをまとった味だ。

皮たれ串

偶然隣に座った高松からの観光客は、私ととても親しい友達が営むお好み焼き屋のすぐ近くにお勤めで、その友達の店にも何度か行ったことがあると言う。私の名刺を渡し、旅の途中でこんな輩に出会ったと大将に伝えて下さいと席を立つ。

2軒目はおでんをメインにした「居酒屋ばんきり酒場」。

居酒屋ばんきり酒場

開店して5年目と言う四十代の店主との楽しい会話、美味しいおでん、食べたことのないタラの刺身は、ねっとりしていて美味しい。

おでんは大根とこんにゃく
そして美味しいトマト

締めにおでん出汁で作る絶品のラーメンを啜り、身も心も満タンに。

このおでん出汁のラーメンがたまらな〜い

ベルトを緩め、大通を釧路駅へとトボトボ歩き、旅館へ。
シャワーを浴びてのんびり部屋飲み。楽しかったなぁと余韻に浸る。

旅は小瓶がありがたい


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