キエチマエ カナシミよ
2ヶ月以上ぶりの面会
久しぶりに会ったじいちゃんの手が冷たかった。
結局は笑顔が1番だと思うんだ。困難なことがあったとしても。
でもじいちゃんは笑顔じゃなかった。「涙が出る」と何回も言っていた。歳を取ると涙脆くなるのだろうか。いや、そういうわけではないと思う。
老いて身体の自由が効かなくなっても、発語がふやっとなっても言う事はしっかりしていて、感謝を忘れないじいちゃん。弱音を吐かないじいちゃん。
そんなじいちゃんだった。
そんなじいちゃんが最近は涙している。私が行って、話が通じた時には笑顔を見せてくれたけれども。
原因は明白。この世の悲しみの全てが詰まったようなあの別れからだろう。
もっと会いにいかなきゃな
私は日々、いろんな人に会って、家族にも会って、友達にも会っている。そんなこんなで明るい日々なのだが、じいちゃんはどうだろうか。
家にいて家族に会えた日々から一変。
急に老人ホームに入れられて家族に滅多に会えなくなった。真っ暗闇の中にいるのではないか。
その気持ちを思うと、居た堪れない。
ならもっと会いにいけよ。...正論である。
忙しさにかまけて、会いに行けてなかったので、これからはもっと会いにいかなきゃな。
自分たちのためじゃなくて、じいちゃんの笑顔のためにできることをしたい。
これはきっとまた忘れゆく感情なので、定期的に見返せるようにここに記すこととする。
悲しみが消えたらいいのにね。それとうまく付き合っていくこと、私の今できる精一杯。
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