年を越すこと

いつからだろう、年を越すことにトキメキを感じなくなったのは。

小学生くらいの頃は、まず0時まで起きているという非日常感にワクワクしていた。テレビを観ながら、だんだんとカウントダウンが始まり"その時"が来るのを心を躍らせながら待ち侘びていた。

高校生の頃は、クラスの友達と初日の出を見ようとまだ暗い朝5時頃に学校の近くの公園に集まって、河川敷まで自転車を飛ばした。寒さに震えながら、陽が少しずつ顔を覗かせるのを仲の良い友達たちと見られるのが嬉しくて仕方なかった。

大学生の頃は、クリープハイプ宜しくバイトバイトバイトといった年末年始を過ごしていた。スーパーの惣菜売場で働いていたので、時節に合ったメニューを作ったりパックに詰めたりといった作業を朝から夕方までしていた。それはそれで嫌いではなかったが、年を越すトキメキのようなものは薄れていたように感じる。
だいたい、大晦日に朝から働いてヘトヘトになって帰ってきて、元旦も朝7時から働くのだから年越しの瞬間なんてほぼ気を失っていた。

人生で20数回も経験すれば、そりゃ年越しなんて特別感がなくなってくる。それは寂しいことでもあり、とても嬉しいことでもある。また年を越せる。

今は、年を越すこと自体へのトキメキこそなくなったけれど、年末年始には帰省して学生時代の友達、先輩や後輩と再会できることにトキメキを感じている。
人と会うことが憚られる時勢が続いたから尚更その喜びを強く感じる。

今年も1年、関わってくれた皆さんに感謝を。そして来年もまた穏やかに年を越せるように、健康に気をつけて暮らしていきます。

何より、今年始めたこのnoteを読んでくれている皆さまが健やかに過ごせますように。
よいお年を。

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