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知らない誰かに届け

このnoteを書き始めたのは、2年ちょっと前のこと。
自分のこと、好きな人のこと、自分の思うこと、思っても仕方ないこと、書いて、休んで、気が向いたら書いて、みたいなことを2年くらい続けています。

誰も読んでくれないだろうし、誰も読んでくれなくて良くて、別に誰かに褒められなくて良くて、でもやっぱり誰かに認められたくて書き続けて、みたいな2年。

ありがたいことに、褒めてくれた人がいます。私の文章を、良いと言ってくれた人がいます。
だから、もうちょっと、文章を書くということを、違うフィールドでもやってみようかなと思いまして。

文芸社主催、毎日新聞後援の「人生十人十色大賞」というコンテストに、エッセイを応募してみました。3,000字程度の短いエッセイ。

先日その発表がありまして、ありがたいことに短編部門で入賞させていただきました。
長村夕(オサムラ ユウ)という名義で、『何も知らないで』というエッセイを書きました。

初めて、正面から家族の話を書きました。
私は普段、エッセイに限らず友人との会話でも、ほとんど家族の話をしません。
多分いわゆる多くの人が想像する「普通」の家族とは違うけど、そんな家族への私なりの愛を文字にしました。

書くのが辛かったです。

何度もやめようと思って、赤羽の友路有や池袋の伯爵で、珈琲を飲みながら行き詰まってタバコを吸って頭を抱えて、また席に戻って書いた文字を消して、そうやってなんとか書きました。

そんな文章が、知らない誰かに少なからず評価いただいたことに、ホッとしました。これからは、趣味でエッセイを書いています、と言ってもいいかな、と思えました。

別にこれで人生が変わるわけでも、なんでもないんです。きっとまた少し経ったら、もっともっと認められたくなります。

短編部門で入賞した皆さんとの合同作品集が出版されるようです。
他の方々の、それこそ十人十色の人生を読めるのがとても楽しみです。そして、私の文章がまた、知らない誰かに届くと嬉しいです。

出版がいつになるのか分かりませんが、もし良ければ、読んでいただければ嬉しいです。

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