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散歩記録 水彩都市の生命線「荒川ロックゲート」
本編
今回紹介するのは、東京都江戸川区の荒川-旧中川間に佇む
「荒川ロックゲート」
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この荒川ロックゲートは、荒川と旧中川を繋ぐ位置にある
重要な役割を持った施設。
ロックゲート(閘門)とは
ロックゲート(閘門)は、水位の異なる河川や運河間を船で通行するために
水位を調整する施設。
言わば、川のエレベーターです。
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こちらの画像は荒川ロックゲートの仕組みを簡単に説明したもの。
こちらのサイトでは図解されていてとても分かりやすいです。
他にも
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周辺の土地の変遷を説明したものや
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荒川水系の標高や繋がりを解説する看板もありました。
看板に書いてある内容はネット上で大体同じものを
閲覧することが出来るため、雰囲気を楽しむことが出来ます。
上記URLの一番下にあるPDFからどうぞ。
何故ロックゲートが必要なのか
では、そもそもなぜこういった施設が必要なのかについて
軽く説明していきます。
まず、ロックゲートの役割は1個前の小見出しで紹介したように
「水位の異なる河川間での船の通行を可能にする」こと。
都市内での水運の重要度が下がった現代において
大規模な施設を建設してまで水路を整備する意味は薄いように思えます。
が、ロックゲートが本領を発揮するのは大災害発生時。
陸路が寸断された際でも物資の運搬が出来るよう
ロックゲートは大地震が来ても耐えられる程頑丈に作られています。
さらに、震災時でもスムーズな物資の運搬が出来るように
国内で最速のゲート開放速度となっているそう。
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まさに、緊急時の生命線としての活躍を見込まれている
重要な施設なのです。
先輩にあたる「旧小松川閘門」
実は、荒川ロックゲートが完成した平成17年のはるか昔
昭和五年の時点でこの場所には閘門が設置されていました。
それが「旧小松川閘門」です。
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旧小松川閘門は荒川ロックゲート近くの大島小松川公園に保管されています
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柵が邪魔で案内板の写真が非常に見にくいですが
内容はだいたい
明治44年、水害を防ぐために荒川の改修工事が進められた結果水位差が生じて船の通行に問題が発生した。
当時は交通インフラの普及が不完全で物資の運搬に水路が頻繁に利用されていたため、船の通行を容易にするためこの閘門が設置された。
ここに設置してあるのは、二対の扉のうちの片方のみ。
今後、残された片方の閘門を大切に保存し周辺地域の移り変わりを伝えるのに役立てる予定。
とのこと。
近現代の都市部の急速な発展に大いに貢献したこの旧小松川閘門は
陸路の整備によって水運の需要が低下し昭和50年代に廃止。
当時の人々にとってはもちろん、今日の東京があるのも
少なからず旧小松川閘門のおかげであると言えるはずです。
こちらの「荒川下流改修工事抜萃」より
かつての小松川閘門の姿を見ることが出来ます。
荒川ロックゲートからの景色
話を荒川ロックゲートに戻します。
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実はこの荒川ロックゲートは上ることが出来、上れるのは
二対あるロックゲートのうち東の荒川側にあるもの。
海に近い川沿いのため非常に風が強く階段を上るのも一苦労ですが
上った先はボチボチ眺めが良いです。
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なお天候のせいなのか偶に階段の入り口が閉まっているため注意。
また、ロックゲート自体の開放時間が4時半までとなっているので
夕日等の撮影は季節を選ばないと厳しいかもしれません。
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まとめ
近現代、それぞれの時代に合わせて重要な役割を担ってきた
荒川・旧小松川閘門(ロックゲート)。
緊急時でなくとも、今では河川敷のランナーやサイクリスト達の
休憩所としてそこそこの賑わいを見せています。
ロックゲートの近くには桜の名所「小松川千本桜」や
かつての船番所を紹介する「中川船番所資料館」等があり
ちょっとした時間つぶしや散歩をするのに最適。
散歩の行き先に困った際は是非訪れてみてください。
おまけ
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おわり。