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ちよだニャンとなるcafe神田神保町
その3 保護猫としあわせに暮らすには
老猫ホームとホスピス併設の「ちよだニャンとなるcafe神田神保町」。
里親を名乗り出て下さった方々に譲渡をしたのちも、里親さんたちとの交流を大切にしています。
『保護猫をうちに迎えてみたいと思うけれど、どうすればいいの?』
『おとなの保護猫も新しい飼い主になついてくれるのかな?』
頭にあれこれ浮かんでくるとなかなか一歩が踏み出せませんよね。
そんな疑問や不安を、引き続きちよだニャンとなる会副代表の古川尚美さんに尋ねてみました。
「もちろん猫も個性があるので、性格によってはなかなかなつかない子もいます。また、ペットショップのように最初から抱っこできるような子はそういません。でも、猫の生態を理解して関わるようにすれば、良き家族の一員になっていきます」と、古川さんは保護猫となかよく暮らす3点を挙げて下さいました。
1 猫とよく遊ぶ
最初はケージを使うなど、猫が安心できるように配慮が必要。猫とよく遊ぶことで少しずつ心を開いていくのだそう。とはいえ、「遊ぶ」とひと言でいっても若い猫と高齢の猫では遊び方も違うようです。
「高齢の猫は、若い猫のようにおもちゃで思い切り遊ばなくても、動いているものを見ているだけで楽しかったりしますから。人間と一緒で、高齢なのに体力をあまり使わせると疲れてしまいますよね。
人が鳥を飛ぶのを見たり、花を眺めることを楽しんだりするように、猫もそれぞれの年齢によって楽しみが違います。それを理解して寄り添うことが、猫に好かれる大切なこと」と、古川さんは言います。
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2 猫の嫌がることをしない
「人間がされて嫌なことは動物も嫌なこと」と話す古川さん。
例えば、猫が寝ている時は触らずそっとしておく。『カワイイ』『あのモフモフに癒されたい』などつい人間の都合で関わってしまいがちですが、猫にとってはストレスになってしまうので、まずは猫の様子をよく見てあげることが大切なのだそう。まさに人と関わる時と同じですね。
3 猫が安心・安全に生活できる環境を守る
かつては放し飼いもよく見られた猫の飼育環境ですが、今は感染症、交通事故など様々な要素から猫を守るためにも室内飼育が欠かせないとのこと。窓も脱走防止のため閉めた状態に(高層階でも窓が開いていると出て行くそうです)。
また、猫はソファなどで爪とぎをしたりするので、家具や壁などに傷がつくことを受容できる心も必要。
「やはり猫を迎える前とは生活が変わりますから。終生飼育が当たり前なので、月々お金もかかります。そういう覚悟と愛情を持って家族の一員として迎えて下さることがいちばん大切ですね」と話す古川さん。
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また、ショップや譲渡会などで見かける猫というと「子猫」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
ニャンとなる会は千代田区と連携・協力して、飼い主の猫のいない猫を増やさないため継続してTNR(Trap /Neuter /Return= 一時保護/去勢・不妊手術/元の場所に戻す)活動を行ってきました。
その成果により、新しく生まれてくる猫がいなくなり、保護猫は基本的におとなの猫たちです。
ドイツ、イタリア、アメリカなどではおとなの猫からもらわれていくのだとか。
日本で子猫に人気が集まるのはカワイイ=クールという、「カワイイ文化」が根底にあるのでは、と言われています。
ケアの仕方がわからないなどの不安も、「保護猫を迎える場合、どこの保護団体もどうすればよいかレクチャーしてくれますし、日々の相談も受け付けているところが多いので」と古川さんの心強いひとこと。
『里親は無理だけれど保護猫のために何か出来れば』という方々。ニャンとなる会には様々なボランティアがあるそうです。ご自身の『これは得意 ♪』『これなら出来そう』という分野の保護猫ボランティアに参加されては。
ボランティアの詳しい情報はコチラ↓
そして『ボランティアもなかなか出来そうにないけど、猫大好き』という方はぜひ「ニャンとなるcafe」へ!
cafeでのひとときで人は猫に心癒され、猫たちも人と一緒に過ごすことに慣れていきます。
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「ニャンとかなる!」を合言葉に設立された「ちよだニャンとなる会」。
行政・ボランティア・里親・支援者のみなさんとつながり、力を合わせた活動から生まれた「ニャンとなるcafe」。
飼い主のいない猫がいない、「猫と人とのしあわせな共生」の輪が、確実に広がっています。
さらにうれしいお知らせが ♪
改修していたちよだニャンとなるcafe秋葉原店が
2022年7月16日~18日の三連休、予約制で営業再開!
8月も予約制で開館予定だそうです ♪
神田神保町店は、現在月曜・水曜がお休みです。
(いしい)
ちよだニャンとなる会HP↓