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おしゃれ


 私は25歳頃から化粧をし始めた。でも手が使えないのに、なぜ化粧をしたのだろうか。母が「あなたは体が曲がったり、顔が歪んだりするから、化粧をしなきゃダメよ。少しでもおしゃれをして、人が寄ってくるように美しくしなきゃね。」と言って、母の手で化粧をし始めた。

それから40年くらい経っただろうか。たくさんのボランティアさんやヘルパーさんに化粧をしていただいている。

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この写真は、ヘルパーさんに顔を剃ってもらっているところです。

彼氏に化粧をしてもらった

 時にはちょっと怪しく、彼氏に化粧をしてもらったこともある。手の器用な彼氏は美しく化粧をしてくれた。その人は何回化粧してくれるのかな?と思いながら過ごしていた。
 そして、美しい女性ボランティアさんに彼氏を取られた。恋愛は弱肉強食だなあと思った。

 でも私は彼氏を何度取られても、化粧をし続けていた。髪も色々な形にして結っていた。しかし心の底では、私を好きになってくれる人はいるまい、と思っていた。若いボランティアさんやヘルパーさんに「小山内さんの彼、私にくれる?」と言われたこともある。

 彼氏はあげるもらうものではないと思った。「欲しかったら、持っていってもいいよ。それは彼が決める事。」と私は言った。

 奪われた彼氏の結婚式に何度行ったか分からない。きれいなスピーチをしたことは今も忘れない。昔、Sugarというグループの「ウェディングベル」というという歌謡曲がヒットした。あの歌は大変面白く、「くたばっちまえ!アーメン!」と私の心を歌っているようだった。

講演会用写真

若き日の講演会の時の私です。

美しい人と出会うとエネルギーが出る

 最近6か月間くらいデパートに行っていなかった。夏の靴がどうしても欲しくなり、靴を買いに行った。からし色の良い靴が見つかった。私の足は靴がすぐ脱げてしまったり、巻き爪なので痛い時がある。靴だけは安いのを買えないのである。

 ハイヒールが丸いガラスの靴があり、その靴が目に留まり焼き付いた。私には履けないと思ったが、家に飾っておきたいと思った。靴を何十足も見て心が踊った。

 時間があったので、秘書の角田さんと服を見た。買いたい服は何個かあったが、着て行く所がない。「これいいね。欲しいね。でも買っても着て行く所がないね。」と角田さんに語り掛けていた。「そうね。私も何か買いたいよ。」と言っていた。

 店員さんが寄ってきて、色々な服を持ってきてくださる。「どれもいいわね。でも着て行く所がないのね。」と言うと、店員さんは「そうですね。どこかあればいいですね。」と言うようなことを答えてくださり、その店員さんの言葉が優しく聞こえ、何か買っていかなきゃと思い、モスグリーンの洋服を買った。
 
 ちょっと高かったけれど、今月は自分の誕生日だから自分でプレゼントを買った。

人の出会いに飢えている

 最近はコロナでどこも行けないので、新しい出会いがない。だからこそ、その店員さんの言葉が新鮮に聞こえ嬉しく思ったのである。

 やはり外に出てたくさんの人と出会い、話がしたいですね。そうしたなら、楽しい原稿が浮かぶ。

 コロナはそう簡単には消えない。しかし、ちょっとの間でも人の少ない所を見つけて、見知らぬ人と話がしたい。人の出会いに飢えている。全世界の人たちが同じ気持ちでいると思う。

 また何か月か後に、あのブティックに行こうかしら。あの店員さんは話しかけてくれるかしら。美しい女性もいいが、たまにはイケメンに会いたいな。


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