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罪を犯すと、自分の身に返ってくる

昨日仕事の合間を縫って、息子の家に行った。
行った途端、「風邪は大丈夫か?」と言われ、斜めになったマスクを直された。
「もうちょっと大きなマスクを買え」と言うので、私はかっとなり、「そうね、見つけてきて」と返事をした。
息子は、マスクがどこも売り切れ状態だときづき、急にしょんぼりして、言葉を失くしていた。

私は脳性まひで、顔がゆがむ。
マスクも動いて、時にはあごマスクになったり、アイマスクになったりする。
この状況は、脳性まひ者でないとなかなか理解できないだろう。
しかし、息子は立派な理学療法士である。
脳性まひのことも勉強してるはずだ。
生まれたときから、母の状況はよくわかっているはずだ。

腹が立っていたから、言い返す言葉のない息子に、「わかったかい」と私は心晴れ晴れした。
でも、息子と本音でケンカできることは、嬉しいことである。
理学療法士だとて障がいのすべてはわかっていない。

顔がゆがむ人のマスクを開発しなければいけない。
私は真剣に考えている。
これから、地球温暖化や災害でマスクは重要なものになってくる。
マスクのまわりに柔らかい針金をつけたら、動かないだろうか。
一緒に研究してくださる人が、現れてほしい。

私は長い間、気管支炎にかかり仕事を休んでいた。
来年度から会計担当者が変わり、新しいヘルパーさんも四人も来る。
咳などしている暇はない。

今日は、家でパソコンを打ってもらっている。
東日本大震災の爪痕で、汚染水があと二年で、いまの貯水地を満杯にするというニュースを聞いた。
海に汚染水を捨てるしかないという、これはまた大変な問題だ。
そうしたら、何が起きるだろうか。
奇形の魚が生まれてくるだろう。
それを人間が食べると、コロナ以上の病気が発生するだろう。
日本は、世界にどうにもならない汚染水をばらまこうとしている。
それなのに、まだ原発を作り、世界中に売っている。
黒い黒いお金で、何を買うのだろうか。

二年なんてすぐ経ってしまう。
科学者たちよ、立ち上がって、どうしたら汚染水を安全に保っていけるのか考え、実行してほしい。

今日も神戸市西区の精神科病院「神出(かんで)病院」で、6人の看護助手と看護師が、患者を真っ裸にし、ベッドを逆さにして床に囲うなどして虐待していたというニュースを見た。しかも、病院とは関係ない人に性的暴行をふるった容疑の捜査中に、容疑者のスマホから患者虐待の動画が見つかったからわかったそうだ。

これは相模原の津久井やまゆり園で起きたことと同様の事件だ。

「老人や障がい者の虐待は、二度と起こさないように」とテレビで言っているが、私は横目でテレビを見つめ、心のなかで「また起きるよ」とテレビに石をぶつけたくなる。

なぜこんなことが起きるのか。
誰か見ていたはずだ。
そういうことに関わり合いたくないという気持ちになるのだろうが、私は病院側も知っていたのではないかと思う。
見て見ぬ振りをするのが一番の犯罪だと思う。

こういうことは、私の子ども時代から変わっていない。
あるとき、友だちがおねしょしたと言って、保母さんがその子を丸裸にし、窓から雪の中に放り投げた。
私は「この保母さんは、人間ではない」と思い、大きな声で「たすけて、死んじゃうよ」と叫んだ。
しかし保母さんはにやっと笑っていた。
でも、そこに心ある看護師さんが来て、「なにがあったの」と聞いてくれ、「たすけてください。友だちが死んでしまうよ」と言ったら、部屋に入ってきて、すぐにその友だちを雪の中から助けてくれた。
そして、毛布でその友だちをくるみ、ストーブの前で身体ををなでてくれた。
それから友だちにひどいことをした保母さんに、「どうしてこんなことするのよ。今日は帰りなさい」と言ってくれた。
これは六十年ぐらい前のことである。
別の友人から、施設のトイレで男性職員にレイプされたと聞いたこともある。

今も六十年前と同じようなことが起こっている。
障がい者や老人など、文句が言いづらい弱者のところには、優しい人が来てほしい。
今は人手不足で、ケアを真剣に考えていない人を採用せざるを得ない。
月給や時給が安いから、ちゃんとした人を選べないのである。
ちゃんと収入や生活を保証すれば、もっといい人材が来るに違いない。
仕事を探している側にも、ケアワークという選択肢が見え、また雇う側にも選択の幅が広がるだろう。

地球が変化しているときに、弱者はもっと生きにくくなる。
人間として命を大切に思う人を選ばなければ、また障がい者や老人に対する殺人や事件は繰り返される。

早急に施設職員やヘルパーの月給を上げ、安心して生きていける日本にしていかなければ。

どんな健康な人でも老人にもなるし、障がい者にもなるのだ。自分の身にかかってくるのである。

原発を開発した人は、後片付けの出来ないものを作った。
それは、犯罪だと思う。
子どもの時友だちが雪に投げられた姿をみて、原発を作った人も、あの保母さんと同じような罪を犯しているように思えた。こういうことは周りの人が見て見ぬ振りをすることが一番危険だ。みんなで「助けて」と叫んでいかないと、同じ事件がずっと繰り返される。
原発から汚染水を放出して、世界中にごみをまいていると、自分の身に返ってくる。

※今日の写真は、私が十歳ぐらいのときのものです。一緒に映っているのは母です。
 

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