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ウルトラマラソンにおける完走に向けた考察1〜エネルギーと補給編〜
こんにちは。Y@Aです。
ランニング歴15ヶ月で挑戦した飛騨高山ウルトラマラソン。
100kを走ることなんて1年前には想像できませんでしたが、がむしゃらに走るのではなく戦略を持って取り組めば、誰でもウルトラを走り切ることができるということが分かりました。
この戦略を、いくつかに分けて解説していきます。
(あくまで個人的見解です。ここに書かれた内容が正解というわけではなく、1つの事例として捉えてください。)
エネルギーとは
ウルトラマラソンにおいては『走力』が絶対的に必要です。
では走力とは具体的にどのようなものでしょうか?
走るということは筋肉の収縮を意図的に起こし、その収縮した筋肉を弛緩させることで前進する運動を連続的に行うことです。
つまり究極的には、筋肉の収縮回数をどれだけの頻度で、どれだけの強度で、どれだけの回数行うことができるかが走ることであると言えます。
もちろん大前提として走ることが日常的にできるだけの筋肉量は必要となりますが、この筋肉を繰り返して動かすことができればフルマラソンであれ、ウルトラマラソンであれ、完走することが出来るはずです。
では、筋肉を動かすために必要なものは何か?
それは糖質や脂質などを分解する際に発生するエネルギーです。
ATPを分解する際の結合エネルギーが云々とありますが、詳しくはこちらなどをご参照ください。
ここで伝えたいのは
走る=エネルギーを消費する
ことです。
いや、当たり前やん。って思われたかもしれません。
はい。そうです。
では、走ることでどの程度のエネルギーを消費するでしょうか?
ランニングにおける消費エネルギー
これは、ランナーごとに大きな差があります。
細かく計算したい場合はこのようなサイトがあるので、ご利用ください。
私(身長175cm、体重63kg)は普段のランニングから、5kmで300kcalから400kcal程度のエネルギー消費があります。(※Garminの測定による結果です)
(エネルギーの単位は便宜上kcalを利用します。)
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ペースやその日の気温、体のコンディションで変動しますが、走る距離と消費するエネルギーを把握することは、特にフルマラソン以上のレースに参加する際には重要なポイントになります。
要は長距離を走る=それだけのエネルギーを消費するわけですから、そのエネルギー分は供給しないと走り切ることはできません。
参考までに、今回の第12回飛騨高山ウルトラマラソンで私が消費したエネルギーは7000Kcalを超えました。
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農林水産省のHPによると、運動習慣のある40代成人男性の摂取エネルギー目安は2400〜3000kcalとされているので、およそ2〜3日分のエネルギーを消費したことになります。
ウルトラマラソンにおける補給戦略
エネルギー編
前述したように、走るために必要なエネルギーは個人差があります。
そして以下の点については、一般的にエネルギー戦略として語られる内容になります。※すべて論文等にあたった訳ではありません。
糖質またはタンパク質から生じるエネルギーは1gあたり4kcal
脂質から生じるエネルギーは1gあたり9kcal
体内に貯蔵される糖質(とタンパク質)のエネルギーはMax2000kcal
体内に貯蔵される脂質のエネルギーは60000kcal
(体脂肪率10%、体重60kgで計算)マラソン時のエネルギー源は糖質:脂質=6:4
(参考 https://cp.glico.com/powerproduction-run/extra-bn/ )
これらを前提に考えると
走り切るために必要なエネルギーが全然足りない。
補給した食事から、いかにエネルギーを効率よく吸収するか。
脂質代謝の割合を上げて糖質代謝を落とせば効率よく走れる。
糖質だけでエネルギーを賄うためには1kg分の糖質が必要。
(5km300kcalの実績→100km6000kcalで計算)
簡単に言えば、糖質の燃焼だけで走り切るのは無理で、資質を効率的に燃やすことが必須になります。
もう一つ、ウルトラマラソンは10時間以上走ります。
となると、5時から走っても走り終わるのは夕方。
日曜の朝からゴロゴロ過ごしてもお昼頃にはお腹が空いてくる私の体は、おそらく基礎代謝のエネルギーも多い。
となると、走るために使うエネルギー以外にもエネルギー補給が必要になります。(普段は11時ごろからお腹が空き始め、補給しないと低血糖で倒れそうになることがあります。。)
その他編
エネルギー戦略とは少しずれますが、長時間走ると当然大量の汗をかきます。
そこで起きるのは水分不足とミネラル(電解質)不足からの熱中症症状。
個人的には頭痛から始まり、視界不良が起こります。
これを起こさないためにも、水分とミネラル補給も効率的に行うことが必要になります。
吸収できる水分量は1時間に800mL前後と言われるので、10分で100mL程度を断続的に摂取することが最も効果的と言えます。
実際のレースにおける補給
今回の飛騨高山ウルトラマラソンは、初のウルトラということもあり、タイムは狙わず全てのエイドに立ち寄ることを想定し、次のように考えて補給を行いました。
水分は全てのエイド(約5kmごと)に入れる。
→コップで1杯(150mL程度)のドリンクをマスト。10kごとにフラスクに水を補給(500mL)。補給した水分は走りながら10k以内に飲み切る。とにかく食べる。とくに炭水化物
→前半は麺類。最後は何故かクリームパンがめちゃ美味しかった。ミネラルとアミノ酸の補給のために、しょっぱいものやすっぱいもの、を積極的に食べる。
→エイドのフルーツは常に摂取。梅干しなどもよく食べた。補給食はミックスナッツ(糖質、脂質、アミノ酸)と塩黒糖(糖質、ミネラル)、塩分チャージ(緊急用)を携行。
→塩分チャージは使わず。それ以外は随時補給で摂取。頭がくらくらした時に塩黒糖は神アイテム脱水症状が出た時用にOS1を1本。
→全く使わずアミノバイタル1個
→荷物として邪魔だったのでお昼に注入。摂取した効果は不明
実際に走った結果はこちらです。(あくまでもGarmin の推定量ですが)
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ペヤング超大盛り6個分のエネルギーと、缶ビール1ケース分の水分が失われたことになっています。
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走った前後で体重などを測っていなかったので数値の比較はできませんが、体に起こった変化をまとめると
・おしっこがとてつもなく黄色い&全然出ない(普段頻尿な体質なのに、翌日は3回しか行かなかった。。)
・喉の渇きは意外とすくない
・からだから排泄される大きなものはスカスカ(表現しずらいけれど軽い感じ)
・翌日はずーーーーっとお腹が空いている(何食べても1時間後にはお腹空く)
・炭水化物食べると、めっちゃ美味い!!って感じる
尿量が正常に戻るまでには、1週間くらいかかりました。
まとめ
ウルトラマラソンのような、超非日常な状況では、日常生活からは想像できないことが体の中でも起きています。
おそらく、走り終わった後の体内水分量はどれだけ補給を頑張っても極度に少なくなっており、消費エネルギーによって体重も当然減少します。
そして、そんな状況でも人は走り、終われば寝ることができ、そして休息を経て元の体に戻っていきます。
今回は私の体に起きた変化を材料に書きましたが、走る人の体質や体型、年齢などによってその変化は千差万別です。
自身の体にあった戦略を立てることで、ウルトラマラソンの完走が見えてくるのではないでしょうか。
最後に一言
生物の恒常性は偉大だ・・
追記
半年前に書きかけたNoteの記事を、やっと書き終えました。
忘れてしまった内容も一部ありますが、誰かの参考になれば幸いです。