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「5類にすれば医療崩壊しない」は誤り

[2023/11/1更新]
「5類にすれば医療崩壊しない」は誤り。5類に変更すれば「どこでも診療できるようになり病床数も増える」と言うが、実際は院内の感染対策を対応可能な民間病院の多くが既に発熱外来を実施済である。医療機関への補助や在宅診療の支援が無くなるなど、寧ろ後退する懸念もある。現に第9波でも発熱外来や救急医療は逼迫した。

【解説】
 診療については、感染症の診療ができる医療機関の約7割近くが既に発熱外来を実施済みなので、5類に変更しても解決しない。寧ろ通常診療に戻ることで対応する医療機関が減る懸念もある。
 5類に変更はいずれ必要なことだが、メリットとデメリットの総合的判断が必要。時期を誤れば感染爆発を起こし、逆に医療崩壊を早める恐れがある。感染症対策の基本は感染者を減らすことしかない。類を変更すればウイルスも変化してくれるわけではない。類の区分に拘らず、その時々の感染状況に応じた適切な対策を柔軟に行うことが肝心。

◾️厚労副大臣ツイート
https://twitter.com/isashinichi/status/1620685693621256193?s=20&t=8PYl0MlJwrIUfIHtGDc2Sg

◾️5類移行前の一般民間病院の受入状況
https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000726034.pdff

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◾️5類引き下げのメリット
・保健所・行政の負荷が緩和される。
・特別支出が無くなり、財政負担が軽減される。

◾️5類引き下げのデメリット
・病院側に入院を受入れる法的義務が無くなる。
・入院や自宅療養の要請ができなくなる。
・入院調整ができなくなる。
・公費負担が無くなり本人負担3割になる。
・自粛の要請や特措法の適用ができなくなる。
・正解な感染状況を把握できなくなる。

◼️m3.com (2023/4/27)
確保病床は5/8以降も継続するが、5類移行で登録解除する医療機関が相次ぎ総数として3.1万→2.3万に減少。それを確保病床外の受入れで補填して9月までに5.8万を確保する計画。但し、厚労省の見込み数値である。
「厚生労働省は4月27日の厚生科学審議会感染症部会で、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染症法上の位置付けが5類に移行する5月8日時点で、外来対応をする医療機関が約4万4000施設の医療機関にとどまることを報告した。政府は季節性インフルエンザ並みの最大6万4000施設の外来対応を目指し、応招義務の対象となることも強調してきたが、2月時点の4万2000施設から2000施設の増加にとどまった。入院患者は、9月末までに約8400施設の医療機関で、最大約5万8000人を受け入れる体制を整える。うち1600施設はこれまで新型コロナ患者を受け入れていなかった医療機関。」
https://sp.m3.com/news/iryoishin/1136023?pageFrom=tw&loggedIn=true

◾️救急搬送困難事案に係る状況調査
6類移行後の第9波でも医療逼迫は発生した。
https://www.fdma.go.jp/disaster/coronavirus/post-1.html