副社長を辞めました
まずはじめに
悪いことしてません。
サイボウズを退職するわけでもありません。
「副社長 組織戦略室長」の肩書が
「組織戦略室長」に変わります。
役割はこれまでと変わらずサイボウズが持続拡大していくための組織戦略を担う部門の責任者のままです。
副社長の後任はいますか?
現在のところ後任はいません。
なぜ副社長を辞めるんですか?
副社長としての役割を実質的に持たなくなったので、「副社長」という肩書を使うことを辞めることにしました。
副社長の役割は何だったんですか?
「代表取締役社長」がいないときの代理です。
「代表取締役社長」代理の役割はどうなったんですか?
実は「社長10人計画」と称して、既に社長の青野さんの権限は2020年10月から分散されていて、社内では私を含め10人の本部長・室長がそれぞれの分野での最終意思決定者になっています。なので「意思決定者」という意味での「社長」の代理は必要がありません。「代表取締役」の代理としては、2021年3月に取締役を退任した時点で私は代理ではなくなり、「代表取締役」の後任は別に決め方を定めています。
では「社長」もいらないのでは?
現在は「代表取締役社長」なので「意思決定者」以外に、法的にはもちろん社内外での活動として役割がありますので、今のところは現状のままを考えています。ただ、「代表取締役」と「社長」の役割は基本的には別ですし、前述の通り、最終意思決定者は社長の青野さんを含め既に10人いますので、呼称や使い方については、今後検討の余地はあると思います。
なぜこのタイミングなのですか?
先ずは権限の分散、役割分担の見直しなどを先に行い、次にその権限や役割に適切な肩書や対外呼称について検討をし、社内外への影響なども考慮してきた結果、たまたま「副社長」を使わないタイミングの意思決定が今になったということになります。
「副社長」の肩書がなくなり会社に影響はないのでしょうか?
やってみないとわかりません。「副社長」という肩書があるから会ってくださる方もいるでしょうし、声をかけてくださる講演会や取材もありますし、本を購入してくださる方もいるかもしれません。一方で、「元副社長」は事実ですし、私自身がこれまでしてきたことが肩書と一緒に消えるわけではありません。やってきていない、もしくは、できないのに「肩書」によりできるように見えたりしてきたことだけがなくなるんだと思います。履いていた下駄がなくなる分、公明正大に肩書を使い、理想の肩書について多くの人が考えるきっかけになるようなメッセージを出していくことで、プラスの影響にしていきたいと思います。
執行役員にはならないのですか?
今のところなる予定はありませんが、必要であれば新しい呼称も含め検討してみたいと思います。
最後に
2020年1月に新設した組織戦略室の活動を国内だけでなく、これからは海外へも広げていきたいと思います。組織戦略室の役割は、自律分散型のチームを創ることです。権限や権威で人が動かされてつくられるチームではなく、理想に共感した人達が自分たちで創るチーム。権限や権威で動かされるより、自分が意思決定できたり、意思決定に関わっていたりすることで、人は主体的になれ、イキイキワクワク働くことができるようになります。
それだけでなく、組織において権限が特定の人に依存していると、その人の能力の限界がチームの限界になります。チームが大きくなればなるほど、その人の能力の高さが求められます。同時に、そのような役割を引き継げる人が限られてきます。その人がいなくなることが組織を継続し、拡大していくことのリスクになります。そのリスクを軽減するためにも自律分散型のチームは必要だと思います。
そして、そんな理想のチームの実現を1人1人の人に依存するのではなく、「仕組み」を創ることで実現したいんです。風土を創り伝える仕組み、それにそった意思決定をする仕組み、制度が適切に運用できる仕組み…、課題は山積ですが一歩一歩やれることからやって行きます。そんな中の一つの取り組みとして、先ずは自分自身が権威や権限に頼ることなく、理想でチームを創りたいなという決意表明みたいな思いで取締役や副社長を辞めてみました。生暖かく見守ってください。