営業の仕事の中での『ギブアンドギブ』
今日は、「ギブアンドギブ」という考え方について、私たちの仕事や人間関係にどのように適用できるかに焦点を当てたいと思います。
通常、ビジネスシーンでは「ギブアンドテイク」が一般的ですが、より一層の効果を生む「ギブアンドギブ」のアプローチが存在します。これは、相手に何かを与えたとしても、直接的な返礼を期待せずに続けることです。この姿勢が結果として、より強固な信頼関係や長期的な利益を生み出すことがあります。
顧客との信頼関係の構築や、長期的な利益を得るという考え方は、営業マンのそれに合致すると思います。今日は営業マンの方に『ギブアンドギブ』の考え方を持つことを推奨します。
私が最近出会った身近なギブアンドギブ
先週私の先輩からすごく良い話があると連絡がありました。
先輩が、少年野球をしているお孫さんの試合を見に行った帰りのこと、さあ帰ろうとしていると、お孫さんが泣き始めたそうです。何でも、帰宅後に野球の友達から一緒に遊ぼうと誘われて、承諾したものの、私の先輩であるおじいちゃんと遊ぶ約束もしており、おじいちゃんと遊べなくなることを悲しんで泣き出したらしいのです。
先輩は凄くこの話に喜び、私に自慢してきました。
このお話に私は、まさにギブアンドギブの気持ちを感じました。
おじいさんは孫に愛情を与え続け、それをお孫さんは素直に受け止めておじいさんを好きになっていく。ふとしたある時に、お孫さんのおじいさんに対する好きという気持ちがあふれ出す。おじいさんにとって、これほどの喜びはありませんよね。
良い結果を期待しない、ギブアンドギブの一例だと思い紹介させて頂きます。
ギブアンドギブの重要性
私たちの仕事では、お客様に対して製品やサービスを提供し、その見返りとして代金を頂いています。この取引が直接的なビジネス関係の基本ですが、単に商品やサービスを提供するだけでなく、お客様が真に満足し、心からの支持を得るためには、ギブアンドギブの精神が必要です。
「自分が与えたら相手から何かを得るのは当然」という気持ちでは、相手にその意図が伝わり、結果としてお互いの関係がギクシャクしてしまうこともあります。一方で、「まずは相手に喜んでもらうために与え続ける」という姿勢で接すれば、相手も自然と心を開き、信頼関係が深まります。最終的には、お客様も私たちも気持ちよくウィンウィンの結果に至ることができるのです。
ギブアンドギブによるプラスの効果
①信頼関係の構築: 自分から先に与えることで、相手に安心感を提供し、これが信頼関係の強化につながります。
②心地よい関係性の促進: 相手を第一に考える行動は、プレッシャーを感じさせず、自然と良好な関係を築くことができます。
③新たなビジネスチャンス: 深まった信頼関係は、新しい依頼や紹介など、追加のビジネスチャンスを生み出す可能性があります。
ギブアンドギブはお互いのハッピーをもたらす?
ギブアンドギブと聞くと、一方的に与え続けるようなイメージを受けますが、見返りを期待しなくても、必ずやその人との人間関係は深まり、最終的には与え続けた人にもハッピーが訪れる結果となるようです。
これまでにも、私は、ギブアンドギブを自然と実践している方が多く見てきました。例えば、顧客へのサポートを惜しみなく提供すること、顧客へのちょっとした心遣い。それらが信頼に繋がり、最終的に大きな受注や信頼に結びついたケースを私は何度も見てきました。
営業マンが、ギブアンドギブの考え方を持つことで、「顧客から選ばれるパートナー」になれると思います。与え続けることは、一見すると損をしているように思えるかもしれませんが、実際には最も効果的で、最も人間的なアプローチです。そして、その結果として、必ず私たちにも良いものが返ってきます。
このように、ギブアンドギブは短期的には見返りが見えにくいかもしれませんが、長期的にはその価値が十分に発揮されます。与え続けることが、結局のところ自分自身にとっても、最も有益な方法であることを、心に留めておきたいものです。