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ザ・リーダーシップ/ケン・ブランチャード


1. 書評(私が推薦する書籍の感想文)

今日は、書籍「ザ・リーダーシップ/ケン・ブランチャード」を紹介させて頂きます。

作者のケン・ブランチャードさんは、「新1分間マネジャー」等のリーダー論に関する書籍を記した方です。これらの書籍はリーダーの方たちには凄く参考になるかと思います。

同氏の「奉仕するリーダー論」をこの書籍でも展開されています。奉仕するリーダー、という言葉に興味がある方に同著をおススメします。

2. ザ・リーダーシップの主要な内容

この本では、優れたリーダーの秘訣は奉仕することである、と述べています。そして、リーダー自身は、常に自分は人に奉仕するリーダーになるのか、人に奉仕するリーダーになるのか?という点を問い続けなければならないと、断言しています。

奉仕するリーダーが、組織を率いていくために持つべき大切な5つの資質という形で表現しています。

これらについて紹介していきます。

この書籍は、業績の悪い部門で苦しむリーダーをモデルとして、そのリーダーがメンターの影響で成長していく過程と共に、リーダーとして必要な資質を一緒に学んで行くことが出来る書籍です。

3. 私がこの書籍を手にした理由

私はこの書籍に2008年頃に出会いました。当時の私も組織のボスになりたてで、リーダーとして何をしたらよいのか全く分かりませんでした。過去に会社を経営していた父に相談したり、その他の書籍も読み漁りました。この本も、藁にもすがる思いで手にしたことを記憶しています。

この書籍に書いてあることをそのまま実践したことを思い出します。
その結果、組織のリーダーとは、こうあるべきなのかな?と気付きながら、日々リーダーとして行動していたことが懐かしく思えます。

今回は、このザ・リーダーシップに書かれていることを紹介しながら、奉仕するリーダーへの道をご案内したいと思います。

4.ザ・リーダーシップの重要な部分

この書籍では、悩めるリーダーをその会社の社長がメンターとなり、毎月1回面談や課題提出を繰り返し、最後にリーダーがその組織を大きく成長させる、という展開で描かれています。

1).組織はリーダー次第で失敗も成功もする

当著のメンターはこう言います。なぜなら、組織は様々な人たちの強みや協力を通じて成果を出し続けなければならないからです。

2).リーダーシップは人格のある人を選んで、その能力を高める

メンターはこうも言います。たとえリーダーの能力が高くても、その人格がすぐれていないと、優れたリーダーシップを発揮することは出来ない、と。

メンターは、このことを、海に浮かぶ氷山に例えて説明します。氷山の目に見えている部分を能力に、目に見えていない部分を人格に例えています。目に見えている能力の部分は、全体の少しの部分だけであり、目に見えない人格の部分が大半をしめると表現しています。

すなわち、目に見えない部分の人格が重要で、人格が優れた人にリーダーシップ能力を教育することが、リーダーを育成する上で必要と述べています。

優れたリーダーになりたければ、先に人格を鍛えて、その後能力を鍛える、ということも同義と言えます。

3).リーダーに必要とされる資質

See the future (未来を見通す) 

優れたリーダーは、「チームをどこへ導くのか?」という問いに答えなければなりません。
「説得力のあるビジョン」
「行動規範となる価値観を持つ」

(ここで言う価値観は、今までの組織、今後ありたい組織、そしてリーダー自体のやりたいことと整合している必要があります)

この二つのことを組織に浸透させて、チームをどこに導くのか、リーダーは常に示していくことを求められています。

Engage and development others(巻き込み・育てる)

リーダーはメンバーをチームに巻き込み育てることが必要です。

メンターは言います。リーダーとして結果が出せるかどうかは、最終的に周りの人間によって決まる。リーダーはチームを動かして成果をだす必要があります。

そして、リーダーが「巻き込み、育てる」ためには
①正しい人を選択する
②選んだ人をどれだけ本気(夢中)にさせるか?

という二点が重要だということです。

Reinvent Continuously(絶えざる再生)

リーダーは、①自ら絶えざる再生、を繰り返す必要があるとも述べています。リーダーは、常に学習を怠ってはならない。それは、チームメンバーに対する率先垂範をしなければ人は喜んでついてこないからです。財産を守る家令として、チームの生き残りのため、という理由からリーダーは学び続ける必要があります。

その他、絶えざる再生をしなければならないのは、

② 仕事のプロセス・システム
③ 組織構造

これらの二つが重要なのは、顧客や商売の動向や形態が常に変化すること・生産性の更なる向上・優秀な業務オペレーションの維持といった観点から、組織は常に変化を続け、絶えざる再生を繰り返さなければならないからです。

Value Result and Relationship(結果と人間関係を重視する)

リーダーの成功は、結果と人間関係を両立させることである。これは、顧客もチームメンバーの両方を喜ばすことに他なりません。

顧客には自社のサービスで満足してもらい、メンバーには、職場環境やその雰囲気を通じて喜んでチームに貢献したいという気持ちをもってもらうことが、リーダーに求められる重要な資質の一つです。

Embody the Value(価値観を体現する)

リーダーは組織や自身の価値観を身をもって示してこそ、メンバーからの信頼を勝ち取ることができます。信頼できるリーダーに人はついていくということは普遍の真理と言えます。

5.ザ・リーダーシップの 実践的応用例

この書籍を実践で活用するには、先に著者が述べた、リーダーが持つべき5つの重要な資質を理解し、即行動に移すことが大切だと思います。

これらの5つの重要な資質の頭文字を取れば、SERVE(奉仕)となります。すなわち、奉仕するリーダーの行動と思考の道しるべとなるものです。

私が特に実践しているのは、「Engage and development others(巻き込み・育てる)」の項目にも記述がある、”長所を伸ばせ”という点です。

長所を伸ばせ!= メンバーの性格・価値観・適正を知り、適正にあった仕事を与える。

また、チームの全員が自ら進んで行動するために、リーダーは下記のような環境を用意しておいた方が良いですね。

  • チーム目標や各人の責任範囲を明確にする

  • 公正な評価や感謝適宜行う

  • 必要なサポートや教育を実行する

組織には様々な人格を持ったメンバーがいます。リーダーは限られた人員の中で、成果を出し続ける必要があります。そのためには、リーダーはメンバーの性格・価値観・適正を知り、長所を活かすような配置をとり、メンバーの自主性を引き出す工夫をしなければならないのです。

6. ザ・リーダーシップまとめ

奉仕するリーダーが持つべき二つの思考と五つの資質を改めて繰り返します。

  • 組織はリーダー次第で失敗も成功もする

  • リーダーシップはその能力よりも人格の方が重要である

  • See the future (未来を見通す) 

  • Engage and development others (巻き込み・育てる)

  • Reinvent Continuously (絶えざる再生)

  • Value Result and Relationship (結果と人間関係を重視する)

  • Embody the Value (価値観を体現する)

奉仕するリーダー、この言葉に興味を覚え、あっという間に読み進める書籍です。

私は、この書籍の内容をそっくりそのまま実践できて本当に良かったです。今まで複数の地域で多数のメンバーと一緒に仕事をして、成果はどうあれ、メンバーに少しは奉仕が出来たことをとても嬉しく思います。

これからも、リーダー道を学び、ひたすら実践していきます。

最後まで読んで頂いてありがとうございます。ここからは、私の今後の課題を自分のために残しておきます。

7.この本が残してくれた私のこれからの課題

「未来を見通す」ために、定期的に自問自答しなければならないこと

① チームの目的は何か?
② 5年後にどんなチームになりたいか?
③ どのような目標を達成したいか?

これらを繰り返し何度もメンバーに伝えていくこと。

④ リーダーは未来のビジョンをどのようにチームに伝えていくのか?

伝え方で大事なのは、たまにではなく、常に・定期的に(毎月・毎週・毎年)発信する方が良い。食事会のときの小さな一言にもビジョンを含める。メール・口頭・WEB、組織に似合った方法を選ぶことができます。

「巻き込み・育てる」行動チェックリスト

⑤ 社員を巻き込むためにやっている具体的な行動をリスト化する

私がチームの絶えざる再生のために、将来実行しなければならないこと。

⑥ 現在の仕事の中で、変更が必要なプロセスは何か?
⑦ あなたは現在のチームをどのように変えて行けば良いのか?

私が結果と人間関係を重視するリーダーになるためにこれからやなければならないこと

⑧ メンバーの話を良く聴く
⑨ メンバーの生活に時間とエネルギーを使う
⑩ 良い結果を適宜フィードバックする

私が価値観を体現するために実行しなければならないこと

⑪ 会社の価値観とチーム活動を一体化させるためにできることを考える
⑫ 価値観をより強力に体現するには日々の仕事をどう変えるか考える
⑬ 会社の価値観を身をもって実践した部下をどう評価するか考える


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