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3歳の頃、坊主になった話
七五三の数週間前、女の子用の赤い振袖を用意してもらった私は坊主になった。お母さんが大切に大切に伸ばした、少し天然パーマがかったゆるいカールの髪をバリカンで刈った。
坊主にした理由。
3歳なので、何か賭け事をして負けた訳でもないし、
お父さんに叱られた訳ではない。
お父さんのことが好きすぎたのだ。
お父さんは、私の物ゴゴロがついた時には既に坊主頭で、私を肩車してくれた時にも私の目の前にはトゲトゲの坊主頭があった。(今も尚、坊主継続中)
私はお父さんになりたくてなりたくて仕方がなかった。女の子の私がお父さんになる方法...。
あ!坊主にすればお父さんになれる!!
そう思った私は、夜な夜なお父さんに坊主にしてほしいと懇願した。一風変わったことが好きなお父さんは私の言葉に大喜び。一方、七五三に備えて大切な長女の髪を育てていたお母さんは布団に泣き寝入り...。
そしてこの写真に至ったのである。
今思い返すと、長い髪の頃の私には妹が生まれ、ひどい赤ちゃんがえりをしていたらしく、「私を見て!」という感情が湧いていたのかもしれない。
坊主にしてちゃっかり周囲の人から注目を浴びた私は、赤ちゃんがえりをすることはなくなったという。
そして、この時に今もある「私ブランド」に対しての欲が生まれたような...気もする。