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西国三十三所第31番 長命寺 延命長寿のお寺

五代に渡り天皇に仕えた武内宿禰(たけのうちのすくね)。この地の柳の木に長寿を祈願し、約三百歳まで生きたという伝承がある。延命長寿の御利益のあるお寺、西国三十三所第三十一番札所、長命寺(ちょうめいじ)へ。

前回のおさらい。
観音正寺の裏参道(林道)を登り、車の道から降りてきた。
JR能登川(のとがわ)駅から近江八幡(おうみはちまん)駅へ行き、バスで長命寺のバス停へ。

さて、長命寺まで八百八段の石段だが、移動中座っていたにもかかわらず、バス停に着いてもまだ疲れて歩く気になれない。もう少し休憩したい。
石段の手前に店を構える門前そば処 長命庵で、長命そばという長生きできそうないかにも有り難い名前のお蕎麦を食べた。麺はつるつると喉越しよく、薬味がまた美味であった。

来てしまった以上、行かねば、始まらないし、終わらない。
根性で石段を昇っていく。

駐車場近くの聖徳太子礼拝石のところ、山門まであと一息というところまで来てぜえぜえへばっていると、上から降りて来られたご夫婦に声をかけられた。
「観音正寺に行ったとき歩いてるのを車から見ましたよ。ここも歩いて来られたんですか? すごいですね」
見られていた。言われてしまうと何だか恥ずかしい。照れながら、疲れて頭も働かず「なかなかしんどいです」と返した。当たり前だ。
「無理はしないで、頑張ってくださいね」
温かい励ましを糧に、残りを昇りきった。

境内から琵琶湖を見、三重塔を眺め、本堂でお参りして御朱印をいただき、本堂と廊下で繋がっている三仏堂を経て、護法権現社拝殿を拝む。
それから境内西側の太郎坊大権現社の大きな飛来石を見るのがいつものルートである。
長命寺で修行をした太郎坊という大天狗が京都の愛宕山に移り住み、長命寺が懐かしくなって近くにあった大岩を投げ、長命寺に届いたという逸話がある。
滋賀県の二箇寺でへばっているようなちっぽけな私の腕っぷしではとても届かないので、電車とバスを乗り継いでまた歩くとしよう。

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第三十一番札所 姨綺耶山 長命寺

読み:いきやさん ちょうめいじ

住所:滋賀県 近江八幡市(おうみはちまんし) 長命寺町 157

公共交通機関でのアクセス:
①JR琵琶湖線 近江八幡(おうみはちまん)駅より
近江鉄道バス 6番のりば 長命寺行き
近江八幡駅(北口)→長命寺(所要時間25分・500円)
停留所より徒歩25分
※近江鉄道バスはICカード利用不可。(※1)
②JR琵琶湖線 近江八幡駅より
近江八幡市コミュニティバス(あかこんバス)
島・岡山・王ノ浜コース
近江八幡駅北口→長命寺(所要時間25分・200円)
停留所より徒歩25分
※コミュニティバスは現金のみ利用可。

入山料:無料
参拝時間:8:00〜17:00

宗派:天台宗
本尊:千手観世音菩薩、十一面観世音菩薩、聖観世音菩薩(三尊一体)

主な行事:8月1日・8月2日 千日会

創建:619年(推古天皇27年)
開基:聖徳太子(伝承)

札所:
西国三十三所第31番
聖徳太子霊跡第35番
近江西国三十三箇所第21番
びわ湖百八霊場第72番
江州三十三観音第28番
神仏霊場巡拝の道第143番(滋賀第11番)
近江七福神(毘沙門天)

御詠歌:
八千年や 柳に長き 命寺
 運ぶ歩みの かざしなるらん

※上記は2020年6月時点の情報です。

追記:
※1 近江鉄道バスでは2021年3月27日よりICOCAなどのプリペイド系ICカードが利用できるようになった。ポストペイのPiTaPaは利用不可である。

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