Q. イワシとシシャモのちがいはなんですか?
イワシの授業の1回目で、いろいろな名前で売られているイワシの商品を紹介しました。「うるめ」「めざし」「にぼし」「しらす」「ちりめん」など、「いわし」と書いていないイワシの製品ていろいろありますよね。その流れで、「ししゃも」も紹介しました。シシャモはイワシに似てるけど、イワシの仲間ではありません。このように説明したのですが…
「イワシとシシャモはなにがちがうんですか?」
授業後の質問コーナーでこんな質問を投げかけた子がいました。
ぎく…。
めっちゃストレートな質問に、ちょっとしどろもどろになりながら、
「イワシはニシン目だけど、シシャモはキュウリウオ目だったと思う…」
「食べてみると、味は全然ちがうよね」
などと答えたのですが、気になったので調べてみました。
でも、難しい質問ですよね。
例えば、「ネコとイヌはなにがちがうのですか?」と聞かれたらなんと答えたらいいのでしょうか?
見た目のちがい
授業のときに、「イワシはニシン目、シシャモはキュウリウオ目」と答えました。
ニシン目には、ニシン、コノシロ(コハダ)、イワシの仲間、などがいます。
キュウリウオ目には、アユ、シシャモ、ワカサギなどがいます。
見た目の違いを説明するために写真を見くらべていたのですが、
ニシン目の魚は背びれが1枚ですが、
キュウリウオ目の魚は背びれが2枚あることに気づきました!
ということで、イワシは背びれが1枚、シシャモは背びれが2枚。
こんな説明でどうでしょうか…?
【追記 2024.2.15】
シシャモの背びれが2枚と書きましたが、背びれは1枚で、しっぽに近いほうのひれは「脂びれ(あぶらびれ)」というそうです。サケの仲間には脂びれがあります。シシャモ、ワカサギ、アユなどには脂びれがありますが、キュウリウオ目の魚すべてに脂びれがあるわけではないようです。ちなみに、脂びれがどんな役割をもっているのかはまだよくわかっていないそうです。
シシャモの卵はどうして大きいのか?
シシャモのお腹には卵がパンパンに詰まっています。
プチプチした食感がおいしいですよね。
イワシのお腹にはシシャモのような卵は詰まっていません。
なにがちがうのでしょうか?
これは、イワシとシシャモの一生のちがいにあるようです。
たとえばマイワシは、生まれて1年か2年で大人になり、卵を産むようになると、7歳くらいで死ぬまで卵を産み続けます。
マイワシのお腹では、卵を産むと次の卵が作られます。
だから、シシャモのように卵でぱんぱんにしておく必要はありません。
シシャモは、一生に一度しか産卵しないそうです。
日本のシシャモは川をさかのぼって産卵、カラフトシシャモは波打ち際で産卵しますが、産卵すると死んでしまいます。
だから、一生の終わりにすこしでもたくさんの卵を産めるように、お腹のなかを卵でいっぱいにするのです。
干し方のちがい
シシャモと、イワシの丸干し。
見た目のちがいは、もしかすると干し方にもあるかもしれません。
イワシは、「めざし」というように、目に串をさします。
シシャモは、あごのぶぶんに串をさして干すようです。
ヒレのちがい、卵のちがい、干し方のちがいに着目してみました。
ぜひ、みなさんも、シシャモとイワシを食べ比べながら、なにがちがうか考えてみてくださいね!