海ごみの調査に行ってきました。
和歌山県にある友ヶ島は、江戸時代 黒船来航の頃から大阪湾を守る重要な島でした。ちょうど陸地との間にあるこの島は、海域が狭まる場所で、大阪湾と外洋を隔てる位置にあります。友ヶ島と称する島々のうち、沖ノ島に上陸し、漂着した海洋ごみの調査を実施しました。
地形や海流の影響で、ごみが漂着しやすい場所を選び、大阪湾に面する北側と、太平洋の黒潮からの潮流がくる南側のごみの状況を比較しました。
浮きといった漁具やロープ、ボールやペットボトル、扇風機やバケツの破片などさまざまなプラスチックごみがたまり場に堆積していました。
南側は韓国語や中国語のプラスチックごみもあり、はるか遠くから運ばれてきたことが確認できました。
大阪湾に面する北側は、主に国内のごみが多いとのことですが、中には山口県などに限定した地域しか展開していないスーパーの文字が入ったごみもあったことから、瀬戸内海とつながっている大阪湾には関西近隣だけでなく、中国四国地方のごみも流れ着いているそうです。
地元の漁船をお借りし、船上から地ノ島を観察しました。
風の影響も受け、ごみが打ち上げられ陸地の奥まで入り込んでいました。打ち上げられたごみが台風などの強風や高波にさらわれ海に戻り、また打ち上げられる。人が立ち入らない場所は、そんな無限ループが起こっています。
地元の観光協会会長さんは、「小学校の頃から学校の行事で島に渡り、ごみを拾う活動をやってきました。たくさんの漂着ごみを回収する作業をしていると、子供ながらに、自分たちが出したごみではないのに、なぜごみ拾うのか?なぜごみが拾っても拾っても無くならないのか?と思っていました。大人になって、たくさんのごみを何とかしたいと行政に訴えてもなかなか前に進まず、もどかしい気持ちでいっぱいでした。」と、話してくれました。
流れ出したごみが海を渡って、遠くに移動していく。自然に還らず分解しない素材は、蓄積し続ける。
今回の視察では、想像以上に多くのごみが海洋にあり、長く年月に渡り放置されていることを実感しました。
友ヶ島視察の動画をご覧ください。
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