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樹木の関連で、大阪市議会に「陳情書」を5件提出(2024年2月)&委員会質疑議事録

大阪市議会に、公園樹や街路樹の関連で、陳情を5件提出しました。
2024年2月20日開催の建設港湾委員会で審査されます。
(※2024年8月2日:委員会審査の議事録を追記しました)

①「公園樹・街路樹の安全対策事業」が、大阪市の環境へどのような影響を与えるのか明らかにすること、及び、その対策を求める陳情書(委員会審議では、陳情第50号)


陳情に対する局長見解(寺川建設局長:2024年2月20日建設港湾委員会)
陳情第4号、第31号、第32号、第38号の陳情項目3及び4、陳情第47号、第49号の陳情項目3から5、陳情第50号の陳情項目4、陳情第53号に共通する陳情項目といたしましては、公園樹・街路樹の安全対策事業の中止や、樹木の適正な管理並びにホームページの充実や住民への説明などにより丁寧な情報提供を求めるものでございます。
 初めに、今回の公園樹・街路樹の安全対策事業の経過や目的と樹木の適正管理についてでございますが、公園樹や街路樹は都心に季節感や潤いをもたらし、美しい都市景観の形成や都市環境の改善、防災性の向上といった機能を有するなど、安全・安心、快適な市民生活に欠くことのできない都市インフラだと認識してございます。
 本市では、昭和39年の緑化100年宣言以降、公園や道路の整備に合わせ、限られた空間を最大限活用して積極的に植樹を進めるとともに、その維持・保全に取り組んでまいりました。しかしながら、長い年月をかけて成長した多くの樹木が大木化、老木化した結果、樹勢が衰え、強風等による倒木リスクが顕在化するとともに、街路樹では通行障害や見通しの阻害、公園樹では民有地への越境や公園施設の損壊といった市民生活に支障を来すおそれが生じてまいりました。その結果、安全を確保するためやむを得ず強剪定を繰り返すことで、樹木の本来の機能が低下する悪循環も生じてございました。そうした状況を踏まえ、日常の維持管理では、道路・公園の安全と快適性を維持できなくなった樹木を対象として、短期集中的に撤去・更新を行う安全対策事業に取り組んでございます。
 今後は、定期的な点検に基づき樹木の状態を的確に把握し、樹木の生育環境に応じた計画的な保全育成を行い、樹木本来の機能を最大限に発揮させるとともに、計画的な植え替えを行うことで、市民生活を支える道路や公園の安全性、快適性の維持向上に努めてまいります。
 次に、本事業に関する市民の方々への周知説明についてでございますが、これまで、日頃より公園の管理に協力いただいている公園愛護会を中心に説明を行ってきたものを、今年度からは、公園愛護会に加え地域活動協議会への周知を全区で徹底するとともに、必要に応じてその他の地域団体にも御説明を行うなど、よりきめ細かな周知に努めさせていただいております。また、ホームページにおきましても、本事業の趣旨、目的に加え、1本ごとの撤去理由などをまとめた対象樹木一覧表を掲載するとともに、現地の対象樹木への貼り紙につきましても、撤去理由や撤去時期等の内容を充実させ、周知の期間も約2週間から約1か月に延長し、日頃、公園や道路を利用されている皆様にも事前に周知できるよう取り組んでまいりました。
 さらに、昨年8月にはより多くの市民の皆様に周知させていただくため、本市の広報紙に事業の趣旨と実施内容を掲載したところでございます。
 今後も引き続き本事業の必要性や実施内容につきまして市民の皆様の理解が深まるよう、より丁寧な説明に努めながら進めてまいります。
 また、令和6年度から身近な公園や街路樹などの魅力を分かりやすく発信し、都市の緑が持つ魅力を市民の皆様に実感していただくことを目的に、公園緑化事業に関するホームページのリニューアルを予定しており、併せてSNS等も活用して市民の皆様からの花や緑に関する情報や御意見も共有できる取組を始めております。

■局長見解
陳情第50号、「公園樹・街路樹の安全対策事業」が、大阪市の環境へどのような影響を与えるのか明らかにすること、及び、その対策を求める陳情書の陳情項目1、2、3につきまして見解を申し上げます。 陳情項目1は、環境アセスメントを実施しなかった理由を明らかにすることを求めるものでございます。 大阪市環境影響評価条例におきましては、道路や鉄道の建設、大規模建築物の新設、開発行為などを対象事業と定めており、樹木の撤去・更新のみを目的とした本事業は同条例の対象事業ではございません。 陳情項目2、3は、本事業が環境に与える影響につきまして調査や対策を求めるものでございます。 公園樹や街路樹は美しい都市景観の形成や都市環境の改善といった機能を有し、その機能を十分発揮させることによって、快適な都市環境の確保に資するものと考えております。本事業は、このような環境改善効果を持つ樹木の適正な管理の一環として実施してきており、引き続き都市環境の改善等に向けて取り組んでまいります。


②”根上がり対策”をこれまで以上に丁寧に行い、より多くの樹木を残すことを求める陳情書(陳情第51号)

■局長見解
陳情第51号、“根上がり対策”をこれまで以上に丁寧に行い、より多くの樹木を残すことを求める陳情書につきまして見解を申し上げます。
 陳情の趣旨は、公園樹・街路樹の安全対策事業において、根上がりの対策を行い、より多くの樹木を残すことを求めるものでございます。
 陳情項目1は、2023年度に、公園樹・街路樹の安全対策事業のほか、通常の維持管理において根上がりを理由にした樹木の撤去本数を明らかにすることを求めるものでございます。
 今年度、公園樹・街路樹に関する安全対策事業及び通年の維持管理につきましては、現在も工事を継続中であることから、樹木本数につきましては工事が終了し次第、お示しできる時点になりましたら、本市の情報公開制度に基づきまして適切に対応させていただきます。
 陳情項目2は、根上がりを理由に撤去する場合、対象樹木を選定する際の基準の作成を求めるものでございます。
 根上がりは、単に公園施設を損壊させる以外にも、多くの公園利用者が通行する場所では、根につまずき転倒するおそれもあることから、各公園の利用者の声や利用実態を踏まえ、日常の公園管理に携わる本市職員が公園の安全・安心を確保するという観点から判断をさせていただいております。
 陳情項目3、4は、横浜市など他都市の事例も踏まえた根上がりによる対策を行い、撤去ではなく、樹木を残す対策の検討を求めるものでございます。横浜市は駅前などの歩行者の通行量が多い路線の一部の樹木について、舗装の下で根を地中に深くまで延ばすことが可能となるよう、隙間のある特殊な土壌を設けることで、根上がりの対策を実施してございます。
 本市におきましても、現在、御堂筋の空間再編工事に合わせて、イチョウが健全に生育できるよう同様の取組を行っており、今後その効果検証を行ってまいります。

③「公園樹・街路樹の安全対策事業」による”扇町公園のケヤキ”の伐採延期を求める陳情書(陳情52号)

■局長見解
陳情第52号、「公園樹・街路樹の安全対策事業」による“扇町公園のケヤキ”の伐採延期を求める陳情書につきまして見解を申し上げます。
 陳情項目1は、対象樹木であるケヤキの伐採延期と、公園管理上の問題点を改善し、ケヤキの経過観察を行うことを求めるものでございます。ケヤキは健全度の低下と施設損壊の状況を踏まえ、公園管理の観点から総合的に判断し、本事業の対象としてございます。
 本ケヤキは、樹勢の衰えにつながる樹皮欠損や強風によると思われるひび割れが多数あり、今後、回復の見込みはないと判断をしております。また、根上がりにより園路の縁石を持ち上げており、縁石の改修には根の一部切断を行う必要があることから、樹勢の低下を招くことが懸念されます。
 そうした状況も踏まえ、扇町公園として安全性、快適性を高めるために、当該樹木を撤去し、園内のより良好な植栽環境の下で、健全な若木に植え替えることが適切と判断をいたしました。
 陳情項目2は、ケヤキ以外の残りの樹木につきましても伐採延期と経過観察を求めるものでございます。
 ケヤキ以外の残りの樹木につきましても、一本一本本市の職員による調査を行い、その結果、健全度や公園施設の損壊等の観点から対象樹木を選定し、撤去更新を行い、公園全体の安全性や快適性の向上を図っていくこととしてございます。

④「公園樹・街路樹の安全対策事業」について、市民に対してよりていねいな説明・広報、および市民との対話を求める陳情書(陳情53号)


■局長見解
本事業に関する市民の方々への周知説明についてでございますが、これまで、日頃より公園の管理に協力いただいている公園愛護会を中心に説明を行ってきたものを、今年度からは、公園愛護会に加え地域活動協議会への周知を全区で徹底するとともに、必要に応じてその他の地域団体にも御説明を行うなど、よりきめ細かな周知に努めさせていただいております。また、ホームページにおきましても、本事業の趣旨、目的に加え、1本ごとの撤去理由などをまとめた対象樹木一覧表を掲載するとともに、現地の対象樹木への貼り紙につきましても、撤去理由や撤去時期等の内容を充実させ、周知の期間も約2週間から約1か月に延長し、日頃、公園や道路を利用されている皆様にも事前に周知できるよう取り組んでまいりました。
 さらに、昨年8月にはより多くの市民の皆様に周知させていただくため、本市の広報紙に事業の趣旨と実施内容を掲載したところでございます。
 今後も引き続き本事業の必要性や実施内容につきまして市民の皆様の理解が深まるよう、より丁寧な説明に努めながら進めてまいります。
 また、令和6年度から身近な公園や街路樹などの魅力を分かりやすく発信し、都市の緑が持つ魅力を市民の皆様に実感していただくことを目的に、公園緑化事業に関するホームページのリニューアルを予定しており、併せてSNS等も活用して市民の皆様からの花や緑に関する情報や御意見も共有できる取組を始めております。

⑤公園樹・街路樹における通常維持管理について予算増額を求める陳情書(陳情第49号)

■局長見解
陳情第49号、公園樹・街路樹における通常維持管理について予算増額を求める陳情書の陳情項目1、2につきまして見解を申し上げます。
 陳情項目1、2は、公園樹や街路樹の維持管理につきまして、これまでの実績や予算額に関する資料提供を求めるものでございます。公園樹・街路樹の保全育成に関する予算額などは、本市のホームページにも公開しておりますが、過去の予算額や樹木の剪定及び植栽本数等に関する詳細な資料につきましては、お問合せいただければ、本市の情報公開制度に基づき、適切に対応させていただきたいと考えております。

▼市議による質疑


石川博紀委員 
 自民党、石川博紀です。
 公園樹・街路樹の安全対策事業につきましては、これまでにも、本委員会で議論を尽くしてきた感も感じるところですけれども、本日は陳情第52号についてお伺いいたします。
 北区にあります扇町公園の丘の中ほどにありますケヤキについて、私も現地を何度も確認し、公園事務所長、公園緑化の緑化課長からの説明も受けまして、既に状況を確認しております。また、その近辺には本ケヤキと同じ時期に植えられ、本事業の対象となっていない別のケヤキが実は並んでありまして、この安全対策事業で撤去の対象となっているケヤキとそこと並んで同じ時期に植えられながらも、今回撤去の対象となっていないケヤキとを比較してみたりしたんですけれども、この対象となっているケヤキのほうが健全度が低下していますのは、見た目にも明らかな状況と私は受け取りました。
 さらに言えば、これらの植栽環境の違いが樹木に大きく影響しているであろうことも確認できた次第でありまして、そこで本ケヤキについて、撤去の対象となっているケヤキにつきまして、どのような理由で本事業の対象としたか、改めて確認するとともに、撤去後は植え替えを予定しているということですけれども、ここで一つ触れておきたいのが、今般の安全対策事業でケヤキの入替え時によく名前が出てきますのがムサシノケヤキという種類のケヤキの名前がたくさん出てくるように感じております。同じケヤキではあるんですけれども、ムサシノケヤキというのは直立する樹形で、通常のケヤキであれば横に大きく広がる樹形であるんですけれども、真っすぐ直立する姿を見せるというところで、どちらもそれぞれのよさを感じるところではあるんですが、今回のこの部分に関しましては、越境するだとか、あるいは道路への建築限界を越える心配のない公園の真ん中でもありますので、今と同じ種類のケヤキを植えることで、なるべく元に近い形に近づける、そうした中で陳情者の気持ちにも寄り添ってほしいなと思うところでありますが、いかがでしょうか。

◎澤建設局公園緑化部緑化課長 お答えいたします。
 本ケヤキの大きな枝には、樹勢の衰えにつながる多数の樹皮の欠損が見られるとともに、強風によると思われる多数のひび割れがあり、今後、樹勢の回復に見込みはないと判断しております。また、根上がりにより、園路の縁石を持ち上げており、縁石を改修するには根の切断を行う必要があることから、樹勢のさらなる低下を招くことが懸念されます。そのようなことから、本ケヤキにつきましては、健全度の低下と施設損壊の状況を踏まえまして、公園管理の観点から総合的に判断して、本事業の対象としております。
 委員お示しの本ケヤキの近くの別のケヤキは、樹皮欠損などの目立った損傷もなく、園路から離れた場所に植わっているため、近接した公園施設は存在せず、施設損壊のおそれもないと認識しております。
 植栽環境という点では、本ケヤキは多くの利用者が集まる丘の上の園路に近いことから、足元の土壌が踏み固められ、芝生も枯死した状態であり、樹勢が衰えるおそれがあるのに対し、別のケヤキは公園利用者が近くを歩くこともないため、土も踏み固められておらず、足元の芝生もおおむね良好な状態で維持できていることが樹勢を保つことにつながっていると考えております。
 今後、本ケヤキの近くで、より良好な植栽環境のところに、健全な若木で今と同じ樹種であるケヤキに植え替えることとしております。以上でございます。

◆石川博紀委員 資料の配付の許可を願います。

○森山よしひさ委員長 石川委員より、質疑の参考に資するため資料の配付の申出がありますので、これを許します。

◆石川博紀委員 今、説明、答弁がありましたけれども、同じ時期に植えられながらも、撤去の対象とされるケヤキとされないケヤキとを比較したものでございます。赤い矢印のところと青い矢印のところと赤枠が撤去対象、貼り紙がされております。青枠が貼り紙のされていない撤去対象とはなっていないケヤキでございます。


 ページをめくって2ページ目を御覧ください。以前に、根上がりはなかったというようなことも耳にしたように記憶していますけれども、根上がりはございます。根上がりした状態がありまして、園路、縁石が持ち上げられた状態となっております。これはここ1か月で変わったものでなく、以前からのものと私自身が確認しております。
 ただ、今、この根上がりを直すためには根っこを切らなければいけないという説明がありましたけれども、手法としましては、木を守るために園路の位置をずらすというような手法であれば、根を切らずとも直せるものと思っております。しかしながら、残念ながら、既に回復を見込めないほどにこのケヤキは傷んでいるというのが3ページ目でございます。説明にもありました樹皮欠損や樹皮がもう裂けた様子がたくさん認められます。大きな穴が空いて、裂け目が広がっているというものでございます。


 対して、次、4ページ目でございます。こちらのほうは撤去対象となっていない、これまでもこれからも残るケヤキでございますが、うろこがめくれていくように見えるものに関しましては、これはケヤキの成長の特性としまして、幹が太くなるにつれて、皮の部分がめくれていくという適正な成長による姿でございます。各方面からのぞきましても、この健全度の違いは明らかであったと確信いたします。 その健全度の違いが生じた原因として、土壌が踏み固められ、芝生が枯死した状態か、芝生が良好な状態かという説明でありました。赤枠が撤去対象、青枠はこれからも残るケヤキでありますけれども、御覧のように、撤去対象のケヤキの周辺は芝生が枯れて土が踏み固められた状態であるということで確認しております。対して、撤去対象ではない木のほうに関しましては、芝生が青々と残っていると。



 6ページ目、御覧ください。ごめんなさい。赤枠と青枠の写真、上半分のものを入れ間違えました。失礼しました。左側、6ページの左上、芝生がしっかりと下の部分に生え広がっているのが、これが撤去対象ではないこれからも残る青枠に入れるべきものの写真でございます。右上のほうは周辺の芝生がもう一つも生えておらずに踏み固められて、根の一部も露出しているという状態が確認できました。下のほうは間違っていません。このままでございます。少し引きで撮りましても、その差は歴然としております。 この違いの説明に関しまして、今、中ほどにあります園路から近いから踏み固められたという話がありましたけれども、この写真の園路の周辺を見ていただけましたら、時期が冬ですので、少し芝生も枯れ草色にはなっておりますけれども、園路に近いところでも芝生はしっかりと生えております。実は園路に近いか遠いかの差ではなくて、現地で確認して明らかになりましたのは、7ページ目でございます。 



日本のケヤキの生育環境の違いは園路から離れた場所か否かだけではないと考えられます。実は土が踏み固められて芝生が枯死した様子は今回、撤去の対象となっているケヤキの周辺だけでなく、そこから下に続く道のように広がっている状態がございます。さらには、芝生が枯死している状態というのみならず、大きな岩が顔を出すまでに土がえぐれて段差が生じていることも確認されました。公園樹安全対策事業は文字どおり、公園の樹木に関わる安全対策事業でございますけれども、今回これを機に別の危険が見つかったというところであります。樹木に対する安全対策はもちろんですけれども、公園管理者としてしっかりとこのような段差についても考えていただきたいなというところなんですが、じゃ、なぜこのような勝手な通路が出来上がったかって、次、8ページを御覧ください。



 実はこの丘の下には別の広場が存在します。要は丘の上から下の広場へと子供たちも多く遊ぶ公園ですので、行き来するための通路として踏み固められたのであろうということが一つ考えられます。であるならば、この場所自体が残念ながら、もうこのケヤキには申し訳ないですけれども、木を育てるに適正な場所ではないという判断に至ろうかと思います。場合によっては柵で区切って人が通らないようにするという手法もあるかもしれませんが、この公園自体はどこででも自由に出入りする走り回れる公園としてありますので、ここを柵で区切って、木のために人を入れなくするというのはおかしな話であって、残念ながら今回はこの木に対して別の場所へと移っていただくのが適正かと思われるに加えまして、9ページ目を御覧ください。 



実は遊んでいた子たちが勝手に踏み固めただけでなくて、そもそもこの丘の下にはこんなものがございました。大地の声、2本のパイプを使って丘の頂上にいる人と会話ができますいうて、これパイプが埋まっていまして、丘の上のところに、またその別のパイプの口がありまして、その向こうの丘の上の人と丘の下の人とでパイプを通じて話ができると。さらには、この長いパイプを通じることで声の響きが面白いよと。地中を通ってくる声はまるで地球がしゃべっているように聞こえませんかということで、遊んでみてねとしているものでございます。 つまるところ、ここで子供たちが遊んでいたら、上と下で行き来するというのはこの公園を造った段階ではっきりと公園管理者側として意図するものでありまして、その間の行き来する通路が適正に設置されていないことがそもそも問題かなと感じるところであります。 公園樹に対してはもちろんのこと、安全に遊べる環境を整備されたい。木と草と人とが共生できる公園であってほしいなと思うところですが、いかがでしょうか。

◎澤建設局公園緑化部緑化課長 お答えいたします。
 委員お示しのとおり、ケヤキのある丘の上から園路を外れ、本ケヤキのそばを通って裾の園路に向かって人が通っていると思われる道らしきものがございますが、一部、土が削られた状態で斜面地の土が流れ出ていることは現地も確認し認識しております。
 そのため、現地を精査の上、応急処置も含め、どのような対応策が考えられるのか、本来の公園の機能を確保し、芝生にとっても良好な状況を保つことができるよう検討してまいります。以上でございます。

◆石川博紀委員 写真の中にもちらほらと顔を出しているカラーコーンが立っております。もう危ないよというのは公園側としても自覚しているところだと思いますので、ぜひとも適正に対応されるようにお願いをいたします。
 今の理事者の答弁で、本ケヤキについては、安全対策事業の対象であるという説明で、さらに撤去をするのみならず、この木に関しましては、少し通園路から離れたところに全く同じ木を抜いて植え替えるではなく、新しい木を持ってきて植えるということですけれども、同じ種類のケヤキを植えるということでございます。その際に、植え替えた樹木が今あるケヤキに替わって健全に成長して市民皆様に、公園利用者に親しまれることを期待するところでありますが、本陳情では扇町公園のケヤキ以外の対象樹木の全てについても事業の延期を求められているところであります。
 対象樹木の選定についてはどのような考えの下で行っているのか、その適正性についてはこれまでも本委員会で確認してきたところでありますが、改めて確認しておくとともに、公園樹の安全対策事業は今年度で終了することとなっております。一部の反対の声があったからといって、全ての市民の安全が脅かされないように、しっかりと対応を進めていっていただきたいところでありまして、樹木、今後、どのように維持管理していくのか、併せてお伺いできたらと思います。

◎澤建設局公園緑化部緑化課長 お答えいたします。
 本事業における対象樹木の選定に当たりましては、まずは樹木そのものの健全度について確認を行い、樹勢が衰え、健全度が低下している樹木を対象としております。また、現時点において、健全度の低下による倒木等のおそれがない状態であったとしても、公園施設の損壊や民有地への越境など、安全・安心で快適な市民生活へのリスクが顕在化し、そのリスクを回避するために大きな枝や根を切ることで結果的に樹勢の衰退を招き、倒木などの新たなリスクを生じさせると判断される場合は本事業の対象としております。
 本事業は、日常の維持管理では公園の安全性と快適性を維持できなくなった樹木を対象に短期集中的に撤去・更新を行うものでございまして、より良好な植栽環境の下で健全に生育できるように、可能な限り植え替えることで市民生活に身近な公園の安全確保を目的とした事業でございます。
 今後は、より中長期的な視点で樹木の生育環境に応じた計画的な保全育成を行い、引き続き、市民生活を支える公園の安全性、快適性を維持、向上しつつ、美しい都市景観の形成や都市環境の改善といった樹木本来の機能が発揮できるよう努めてまいります。以上でございます。

◆石川博紀委員 安全対策、非常に難しい問題でもありまして、例えば、津波が来ないように、川が氾濫しないようにと堤防を造る際も、じゃ、あした川が氾濫するんかと、あさって津波が来るんかと、そういうことではありません。万が一のときを考えてというようなことでもありまして、この樹木に対しましても、今は大丈夫そうでしょう、あともうちょっと生きられるでしょという思いに至るのは理解するところではあるんですけれども、万が一のときを考えて、できるときに対策を打っておくということは、予算の中で動く役所としても重要なことは市民皆様方にも理解していただきたいなと思うところでありまして、ただ、やると決めた限りはしっかりと適正に的確に、しっかりと期日を守って進めていただきますようお願いを申し上げまして、私からの質疑を終わります。ありがとうございました。

◆井上浩委員 
 日本共産党の井上でございます。
 私からも、公園樹・街路樹の問題についてまず質疑をしたいと思います。
 市民生活に多大な影響を与える公園樹・街路樹の安全対策事業は、今回のように集中的に期間限定で行うということではなくて、恒常的な維持管理の中で常時行っていくべきであると私は考えますが、なぜ今回、期限を区切って集中的に行っているのか、お答えをお願いします。

◎澤建設局公園緑化部緑化課長 お答えいたします。
 昭和39年の緑化100年宣言以降、早期緑化のために植樹してきた多くの樹木は、長い年月をかけて大木化、老木化し、植栽環境にもよりますが、樹勢が衰え、倒木等の重大な被害が発生するリスクが顕在化しております。
 公園樹では、民有地への越境や公園施設の損壊等、街路樹では、通行障害や視認障害等が発生しており、市民生活を支えるインフラとしての安全性や樹木本来の機能が低下している状況にございます。
 これらの状況を改善するために、やむを得ず強剪定を行ったり、根の一部を切るなどの対応を行ってきたことで、結果的に樹木の健全度を低下させることにつながることとなりました。
 このような状況を勘案し、公園樹や街路樹の管理者として早急に改善するため、安全・安心で快適な市民生活に支障を及ぼすおそれがある公園樹・街路樹の撤去・更新を短期集中的に実施することといたしました。以上でございます。

◆井上浩委員 昭和39年の緑化100年宣言のことをおっしゃるんでしたら、その宣言のとおりの立場に立っていただきたいと、まず申し上げておきます。
 恒常的な安全対策という位置づけがなければ、やはり経過観察をしようかという発想が生まれてこないと思うんですね。今回がまさにそうだと思っております。予算の範囲内で枠内でという発想に駆られてしまう。現に駆られてしまっています。ですから、私は様々な無理が生じているんだと、市民とのあつれきが生まれているんだと、そこは認識していただきたいなというふうに思っております。
 次に、陳情第50号についてお伺いをいたします。
 本事業は、大阪市環境影響評価条例では環境アセスメントの対象外とのことでありますが、今回の安全対策事業において、環境に与える負の影響、マイナスの影響、どのような認識を持っておられるのか、また樹木の撤去による都市環境に与える負の影響を補うためにどのような具体的な対策を行っているのか、お答えをお願いします。

◎澤建設局公園緑化部緑化課長 お答えいたします。
 老木化し、樹勢が衰えた樹木は、樹木が本来持っている二酸化炭素の吸収等の環境改善に資する機能が低下しております。本事業は、そのような樹勢の衰えた樹木を撤去し、適切な植栽環境に配慮して、より健全な若木に植え替える事業であることから、一時的には大木が減るという面もございますが、中長期的に見れば、環境改善につながるものと認識しております。以上でございます。

◆井上浩委員 何を根拠に環境改善につながるとおっしゃっているのか、ちょっと私には理解ができません。
 この陳情第50号に、具体に陳情趣旨のところに記載されてございます。高木の樹冠が夏の強い日差しを遮ることでヒートアイランド現象の緩和に役立つ、これに異論はないですよね。二酸化炭素とともに汚染物質を吸収し都市の大気を浄化する等々が書かれてございますけれども、多大なメリットがあるということはもちろん、否定はされないというふうに思うんですけれども、そのあたりの科学的な検証というのがなされていない。今、環境に与える負の影響についての言及は全くございませんでしたので、検証、研究はしていないと受け止めました。これ大問題だというふうに思ってございます。
 環境白書がございますけれども、この中にもヒートアイランド対策の推進という項目があるんですよね。この中に文言としては、緩和策として、都市形態の改善、公共空間・道路・沿線・民有地での緑化の推進、都市公園や大規模緑地の整備、適切な維持管理、こうあるんです、文言的にはね。本当に適切な維持管理がされているんですかということが問われているわけでありますし、科学的な根拠も示さずに、今もう世界は科学的な根拠に基づいてどうやってCO2を削減していくかと取り組んでいますよね。それが世界標準ですよね。ですけれども、ここには文言だけ。だけれども実際やられていることは樹木を減らしているんじゃないでしょうか。具体に聞いていきたいと思います。
 陳情第51号に関してお伺いします。
 局長見解では、安全対策事業や通常の維持管理での根上がりを理由として撤去・更新した樹木本数については、現在工事中だと。工事完了後に情報公開制度に基づき対応するということですが、予定の本数を現時点で答えられないのはなぜでしょうか。

◎澤建設局公園緑化部緑化課長 お答えいたします。
 通常の維持管理におきましても、日常的に点検等を実施する中で、根上がりによる市民生活への影響を確認し、撤去・更新の対象樹木の選定を行っており、現時点で見込みや予定本数が確定しておりません。そのため、安全対策事業で行っている根上がりを理由とした撤去・更新の樹木本数を含めて、今年度の工事終了後に本市の情報公開制度に基づきお示しさせていただきます。以上でございます。

◆井上浩委員 過去の分も含めて、議会にはぜひお示しいただきたいと要望しておきます。
 次に、大阪市として行っている具体の根上がり対策というのは何かあるんでしょうか。

◎澤建設局公園緑化部緑化課長 お答えいたします。
 根上がりは、樹木の植栽環境などにより、その生育過程で発生するため、定期的な点検に基づき、公園利用上の支障や通行障害、施設損壊など、市民生活に支障を及ぼすおそれのあるものにつきましては、利用者への注意喚起などを行っている状況でございます。
 引き続き、他都市の事例も参考にしながら、効率的、効果的な対策を検討してまいります。以上でございます。

◆井上浩委員 お聞きしますと、例えば根上がりしているところに目立つようにペンキを塗ったりとか、そういうことをやっているそうですね。そういうのは積極的にやっていただいたらどうかなと御提案申し上げたいと思います。要はよく根上がりしてつまずいて危ないからと総合的に判断したんですということをよくおっしゃるので、注意喚起という意味ではこれは効果があると私も認めますので、積極的にやっていただきたいなと思います。
 では、さらに突っ込んでお聞きしますが、根上がりを起こさないための対策としてはどんなことをしているんでしょうか。また、御堂筋のイチョウでの取組を市内のほかの公園樹や街路樹に広げていく御予定はございますでしょうか。

◎澤建設局公園緑化部緑化課長 お答えいたします。
 現在御堂筋で行っている取組につきましては、始めたところでございまして、今後、その効果検証を行っていくこととしております。以上でございます。

◆井上浩委員 ぜひ効果検証を進めていただきたいと思います。これは横浜市などで導入されているようですが、根の伸長域を確保する根系誘導耐圧基盤工法というものらしいですけれども、これを御堂筋のイチョウに対しても取り入れて、同様の工法を取り入れているということなんですが、実際に横浜市のホームページを拝見しますと、非常に顕著な効果を上げているということが載ってございまして、これを参考に本市としても検証していくということでございます。ということは、客観的な事実としては、この横浜市での根上がり対策というのは一定効果を現しているという現状認識ですか。それだけお答えいただけますか。

◎澤建設局公園緑化部緑化課長 お答えいたします。
 現在御堂筋で行っている取組につきましては、始めたところでございますので、今後、その効果検証を行っていくこととしております。以上でございます。

◆井上浩委員 横浜市は推進しているということで、これからもやっていきますよということなんで、ぜひ現地に行かれて視察なんかもぜひ進めていただきたいと思いますし、ぜひ大阪市としても積極的に取り入れていただきたいと思っております。そうすれば、樹木を伐採せずとも残せるということですよ。そうやって横浜市は取り組んでいるんですから。そういう工法があるんだったら取り入れましょうよ。
 次に、陳情第52号についてお伺いをいたします。
 扇町公園で対象となっている丘の上のケヤキ、前回も取り上げました。健全度のほか、根上がりによる施設損壊が理由となってございますが、根上がりしている樹木について、その伐採の対象となるものと対象でないものとの基準というのをちょっと教えていただきたい。
 また、本年1月5日に扇町公園で行った説明では、参加された市民の皆さんの納得が得られなかったと認識してございますが、建設局としてはどのように受け止めておられますでしょうか。

◎澤建設局公園緑化部緑化課長 お答えいたします。
 公園樹は、樹木が植えられている場所が人が入らない植樹帯の中にあるのかや、多くの人が利用する広場内にあるのか、人通りの多い公園の出入口付近にあるのか、また子供がよく利用している遊具や高齢者がよく利用しているベンチに近接しているのかどうかなど、樹木ごとに公園利用者に与える影響は異なります。そのため、日常、公園管理に携わり、樹木1本ごとについて植栽環境や利用状況、利用者の声などを把握している本市職員が、公園利用者の安全・安心を確保するという観点から判断し対象樹木として選定しております。
 なお、本件についてお問合せのございました市民の方々に対し、1月5日に扇町公園で説明させていただきましたが、その際にいただいた御意見を踏まえまして、改めて御理解いただけるよう丁寧に説明してまいります。以上でございます。

◆井上浩委員 局長見解で、今後、このケヤキは回復の見込みがないということが言われてございましたけれども、誰が言ったんですか、回復の見込みがないって。私、前回お示ししました大阪市が委託したコンサルの樹木医さんは何とおっしゃっているか。確かに大枝に樹皮欠損が多数あると、被害枝の軽量化剪定は必要だと、剪定をちゃんとやってくださいよと。ただし、b判定ですよね。専門家の樹木医さんの判定はb判定だった。これ紹介しましたね。剪定または保存でいいですよという樹木のお医者さんの判断だったわけであります。だから経過観察をすべきだと、私も同様の意見です。
 セカンドオピニオンとして、陳情者の方が樹木医さんに依頼をして、その樹木医さんの鑑定結果も資料配付をしましたけれども、この樹木医さんも、活力・樹形とも非常に良好だと、緑陰樹として十分な機能を発揮している状態、安全・安心に支障を来す事情は特に見当たらないと、こういうことでございました。

 委員長、パネルの掲示の許可をお願いいたします。

○森山よしひさ委員長 井上委員より、質疑の参考に資するため資料の掲示の申出がありますので、これを許可いたします。

◆井上浩委員 まず、扇町公園、確認のために、これは前回お示ししました。シンボリックなケヤキですね。この縁石が、私も現場に行きましたけれども、2か所、浮き上がっていると。測りました。前回、何センチだったかというのは2か所申し上げましたけれども、だったら、まずそこを直したらいいんじゃないですかという議論もさせていただきました。
 もう一つのほうですけれども、縁石を修理してということでいえば、これ4つの写真を裏表、掲載してございます。全部、扇町公園です。



ここ、B-1地区のエノキ、ここ縁石を直しているんです。縁石を直して対処している。扇町に限らず、多くの場所で縁石を改修して対応しているものがいっぱいあります。だからそれでいけるんじゃないですかと、もっと深く検証してくださいよ、慌てずに切らんと、その部分を検証してくださいよと、こう申し上げているところです。
 それで、根っこを切ったら樹勢の低下を招くと、こういうことなんですけれども、一般的に、切り口に防腐剤を塗るという対応をしていますよね。だからそれをやって経過観察をするという検証をなぜしないのかというのが不思議でしようがないんです。そういう手法があるのに、なぜそれは後景に追いやってしまうんでしょうか。一部の根を切ったら、木の命は尽きるんでしょうか。そんなことはないと思います。現に縁石の改修で対応しているところはいっぱいあるわけです。防腐剤を塗っているんでしょう、恐らく。



 先ほどの御答弁で、子供がよく利用している遊具や高齢者がよく利用しているベンチに近接しているのかどうかということとか、施設損壊ということを総合的にと、こうおっしゃるんですけれども、ここは相当子供が行き来するみたいですね。だけれども、いっぱい根上がりしております。こういうところこそ、ペンキを塗ったり、ちょっと注意喚起するべきなんじゃないでしょうか。何もしていないですよね、そういった対応を。これは子供が相当遊び回っているところらしいですけれども、根上がりが相当していますよね。根上がりって普通しますよね。
 前回も申し上げましたケヤキの植わっている斜面地では、雨水により地表面の土砂が流れ出し、一部根が露出している状況であり、今後良好な生育が望めないという御答弁、今回はなかったですけれども、ございました。根が露出したら良好な生育が望めないって、これ樹木医さんがそうおっしゃっているんですか。それが専門的な知見なんですか。到達点なんでしょうか。そんなこと私は言っていないと思うんです。
 この陳情者の方が依頼した樹木医さんはどうおっしゃっているかというと、程度の差はあれ、露出根のある樹木は少なくありませんと、一部露出根があること自体は樹勢には影響しませんと言っているんですね。なお、人の通行によって芝がはげた場所が土壌流出を起こしているのであり、公園管理者としては人の通行を抑制して、まず芝生を回復して土壌流出を防止することが必要と考えますと。
 芝の上の通行をできるだけ回避する取組がまず現時点では必要なんじゃないですかということ、これまさに総合的判断なんじゃないですか。よく総合的判断、総合的判断とおっしゃいますけれども、樹木医さんだって総合的判断はできるんですよ。こういう所見をもっと尊重しないと、検証しないといけないんじゃないですか。このセカンドオピニオンについては一顧だにしていないじゃないですか。
 自分たちが大阪市としてお金を払って委託料を出して樹木医さんに検証してもらった。だけれどもその検証結果と違うことも多々やっているわけでありまして、これセカンドオピニオンも検証しようとか、市民の声をもう一遍、テーブルにのせて検証しよう、結局期間限定だから、そんなことできないじゃないですか。この間に決めた本数を全部やらなあかんと、こういう認識に陥るわけですよ。それでいいんですか。
 どうやって木を残そうか、この木はひょっとしたら手入れ次第で残せるんじゃないかという発想が生まれますか、この事業で。安全対策事業はもちろん必要ですよ。必要だからこそ恒常的にやっていかないといけないんじゃないですか。そこが一番私は欠落していると思います。
 次に、陳情第53号についてお伺いいたします。
 ホームページに伐採予定箇所図をなぜ掲載しないんでしょうか。市民が客観的に検証する機会、材料を提供すべきじゃないかと私も思っております。また、市民との双方向型の説明会を今回を教訓に積極的に行うべきだと考えますが、いかがでしょうか。

◎澤建設局公園緑化部緑化課長 お答えいたします。
 安全対策事業における撤去・更新の対象樹木につきましては、地域活動協議会や公園愛護会、その他必要に応じて地域団体などにもお知らせするとともに、個別のお問合せをいただいた方に対しましても丁寧に説明しております。
 また、現地で対象樹木1本ごとに貼り紙も掲示してお知らせしており、日常的に公園や道路を利用されている方々にも、どの樹木を対象にしているのかが御理解いただけるよう努めております。
 あわせまして、ホームページにおきましても、一覧表で1本ごとの撤去理由を掲載しております。以上でございます。

◆井上浩委員 私、先日、東住吉区の今林公園に行ってまいりました。幹部の皆さんは当然、現地を御存じだと思いますけれども、非常に立派な広い公園ですね。私は初めて伺ったんですけれども。ここでケヤキでしたっけ、5本切るということになってございますけれども、やっぱりこの現地で説明を受けたら、よく分かります。ちなみに、この陳情者の方は、今林公園の5本の木についても樹木医さんに鑑定してもらっています。どういう結果だったかというと、架空線との競合は剪定管理により回避することができる。架空線、電線ですね。もうほぼ競合していましたよ。あれは危険なんじゃないですか。不格好ですよ、しかも。また、健全度において、伐採を検討するような大きな問題は生じていないと考えられますと。今すぐ切らなあかんというのは1本もないですよ、こういう診断結果でした。
 私、公園事務所の職員の方に、現場で本当に具体に見ながら説明を受けたのでよく分かります。この木は切る予定だと。何でですかと聞いたら、枝が公道のほうに、歩道のほうに相当伸びているからということなんですね。しかし、よく見たら、相当上のほうなんですよ。3メートルぐらい身長がある人が通ったら頭に触れるでしょうけれども、普通の人が通ったら、枝は頭にかかりません。それぐらいかなり上方のほうでした。これは剪定すべきですよ。だって電線にかかっているんですから。電柱の管理にも支障を来すんじゃないですか。ほぼほぼ架空線にかかっていましたよ。
 こういう日常の維持管理をちゃんとやっていないなと素人が見ても分かりました。これをちゃんと毎年の予算の中でしっかり管理していけば、ああ、これ安全対策事業の対象で切らなあかんと一足飛びには私はいかないというふうに思っております。
 こっちの木はもう枝が伸びていて、歩道のほうに伸びて危険だから切るとおっしゃるんですけれども、ちょっと離れた木のほうがもっと伸びているんですよ。そっちは切らないと言うんですよ。これ唯一判断基準はそこですかと言ったら、そうですとおっしゃるんですよ。何で歩道のほうに余計に、伐採対象の木より余計に伸びている木は伐採対象でなくて、それよりももっと控え目な木は切りますと。本当にこれ、基準はそこだけなのって聞いたら、そこだけですとおっしゃる。こんな摩訶不思議な話ありますか。これ非常に分かりやすい、今林公園。整合性が全然ない。だから往々にして、こういうことだと私は思います。全てが全てじゃないですよ。
 同時に、fとgの判定を下しているもの、これはもう本当に専門家がそう言っているというんだったら、これは誰も異論はないですよ。それも絶対切ったらあかんなんて人いますか。私、いないと思いますけれども。そういう人は説得せなあかんと思いますよ。本当に危ないんです、専門家もこう言って、こうこうこういう理由でと説得せなあかんと思いますよ。だけれども、専門家もbの判定でいいですよ、ちゃんと日常的な管理をしっかりやったらいいですよと言っているのは経過観察したらどうですか。その上でも、1年、2年たって、やっぱりこれ、もう成長が見込めない、もうこのままいったら倒木のおそれがあると判断したときには伐採撤去したらいいじゃないですか。何で急ぐんですか、ということだと私は思っております。
 そういうことで、ちょっと質問に戻るんですけれども、扇町の件なんですけれども、住民の皆さんの声を受けて、もう一遍検討しますとおっしゃっていただいた。これは私は大変評価したいと思います。市民の声を受け入れてくれて、もう一遍検証しましょうと、私はその姿勢を大きく評価したい、大いに評価したいというふうに思っております。
 その場で本当に市民の皆さんから、また新たな疑問、質問が出されたりとか、あるいはやっぱり全く同じ説明で、それに対しても反論でけへんとかそういうことになったら、やっぱり再度持ち帰って検証して経過観察するべきだと思うんですけれども、そんな姿勢をお持ちでないですか。いつ御説明されるのか存じ上げませんけれども、そういう専門家や市民の声にもっと向き合う姿勢が要ると思うんですけれども、その姿勢という点のちょっと御見解をお聞きしたい。

◎澤建設局公園緑化部緑化課長 お答えいたします。
 1月5日に扇町公園で説明させていただきましたが、その際にいただきました御意見も踏まえまして、改めて御理解いただけるよう丁寧に説明してまいります。以上でございます。

◆井上浩委員 今までが丁寧でなかったので、丁寧に対応してください。真摯に向き合ってください。樹木にも真摯に向き合ってください。
 次に、陳情第49号についてお尋ねいたします。
 本陳情は、強剪定が常態化している実態を踏まえ、改善を求める陳情でございますが、神戸市や調布市などの他都市で導入している剪定技術の優れた業者選定のプロポーザル方式の導入のことに触れられておりますが、これについて大阪市としてどのような見解をお持ちでしょうか。

◎澤建設局公園緑化部緑化課長 お答えいたします。
 現在、本市の樹木管理に携わっている請負者は、本市の入札参加資格において、造園で登録され、剪定などの樹木管理業務に必要な知識や技術力などを有しております。
 また、プロポーザル方式をはじめ、さらなる技術力を求める入札契約制度については、他都市の事例収集なども行っており、引き続き、より効率的、効果的な維持管理に努めてまいります。以上でございます。

◆井上浩委員 陳情者の願意は、街路樹の環境を悪化させている大きな要因の一つとして、強く切り詰めてしまう強剪定があると。強剪定という言葉、先ほど来、出ておりますけれども、一般競争入札の弊害の一つでもないかと。お聞きしましたら、安く入札した業者に発注がされて、どうしてもそういう傾向になってしまうと、陥ってしまうと。剪定のスキルを持ち合わせない業者でも、安いので発注してしまうということになりかねないかという懸念からの陳情の願意のようでございます。
 政令市では神戸市なんかも導入している。ぜひ検証して研究していただきたいと思うんですけれども、私、調布市の理念、樹木に対する考え方ってすばらしいなと思ったんですけれども、プロポーザル実施要領の中に業務目的という項目がございまして、ここにこう書いてあるんですよ。各地域の特性を生かした街路樹の適切な維持管理方法等について、地域住民と意見交換を行いながら検討し、街路樹に関する管理方針として取りまとめることを目的とする。ちゃんと住民と向き合って維持管理に徹してくれる業者でないと駄目ですよ、それが業務の目的ですよと位置づけているんですよ。立派だと思います。プロポーザルを導入する、しない以前の問題だと思います。これは行政の姿勢の問題だというふうに思いますので、先ほど来、繰り返し申し上げているように、住民の皆さんと向き合う姿勢、これが私はあまりにも欠落していると思いますので、しかも専門家の方の意見も総合的判断だということで、そこに市民の声が入る余地がないじゃないですか。システムの問題ですよ。これまでのやり方の問題ですよ。立ち止まって考えなきゃと思います。
 先ほど緑化100年宣言をおっしゃられました。これは昭和39年4月22日、1964年に宣言されました。60年前です。100年宣言をして、まだ40年残っているじゃないですか。100年やりましょうよ。こう書いてあるんですね。緑化の誓い。「私たちは、1本でも多く、木を植え、家の木も、町の木も、みんなたいせつに育てます。私たちは、うるおいのある、健康な、緑の町大阪を作り上げるまで、いつまでも、緑化に力を合わせます。」すばらしいですね。緑化宣言の部分、「この運動は全市民の変わることのない願いとして、今後100年間これを継続する。」あと40年頑張りましょうよ。皆さん、多分御存命だと思います。40年頑張りましょう。「以上、大阪市緑化推進大会の名において宣言する。」と、こうあるんですね。この立場に立ち返りましょうよ。
 最後の最後です、この質疑についての。この間、新聞の記事を拝見しておりましたら、神宮外苑の再開発のことが載っておりまして、ちょっとそれだけ紹介して終わりますけれども、大分紛糾していますよね。それで、これ東京都と三井不動産など事業者が水面下で進めているわけですね。数千本の樹木伐採や190メートルの高層ビル建設を計画しているものなんですね。ところが、ユネスコの諮問機関のイコモスから文化遺産危機警告が発令された。警告されていると。危機警告が出ているということです。日本イコモス国内委員会が都に対して改めて公正な環境影響評価を求める記者会見を行って、歴史的樹木の検討の欠落に重大な問題があることを指摘していると、こういう今、到達点なんですね。
 この日本イコモスの理事の方がこの新聞紙上で、これ都市環境学者さんがおっしゃっておるんですけれども、私たちは科学者として、この計画に対して賛成反対ではなくて、科学的根拠を基に意見を上げているんです。専門家を交えた話合いの場をつくってください。こうおっしゃっているんです。
 私、びっくりしました。この評価委員会の中に、環境やイチョウ並木の変化が分かる専門家がいないんですって。イチョウの木をどうするかということが俎上に上がっているのに、イチョウの専門家がいないんですって。専門家だから入れてよと言ってるのは至極当たり前のことじゃないですか。だから何か行政やこの企業の都合で進められようとしているんじゃないですか。専門家の意見、市民の意見を聞かんでどうするんですか。行政の勝手な思惑だけで進めていいんですか、開発って。私、それと同じ問題だと思いますよ。
 先ほど来申し上げているように、市民の意見は入る余地がないじゃないですか。こう言ったら皆さん、かちんとくると思いますけれども、建設局が決めたことにつべこべ言うなと言っているのと一緒ですよ。こんなこと言ったらちょっと言葉が過激ですけれども。だけれども、門前払いじゃないですか。セカンドオピニオンだって一顧だにしないじゃないですか。こんな姿勢でいいんですか。緑化宣言の立場ですか、これが。全然真逆じゃないですか。一旦立ち止まってください。そのことを申し上げてこの質疑は終わります。


■大阪市会の録画チャンネル

●陳情に対する建設局長の「見解」(2024年2月20日)


●「陳情」に関する市議による質疑


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