日記
2024年11月12日
書き仕事のために喫茶店へ行き、何も書けずに帰ってきた。
アイスティ代だけマイナスになるわけで、経済的に健全な状況とは言えない。
家に帰れば壁の隅をずっと見ているだけで時間が過ぎる。
冬季うつである。
しなければならない仕事はあるのだが、身体が動かず、その申し訳なさがまたうつを悪化させる。負のスパイラルである。よろしくない。
いっそ全てを放り出して温泉宿に二週間ほど逗留したいものだが、その時間も金も社会的信用もない。内田百閒先生のように金を借りる錬金術の使い手であればそれもまた作家らしいが、信用は金に換えられても金で買うことはできないので、借りる当てもない。
ただ霜月の夜は更けていくばかりである。
2024年11月13日
うつだうつだと駄々をこねても仕方ないので資料を読んだり話を考えたりと少しでもできそうなところからやっていくが、それも頭が働かない。
こんなありさまでよく生きていられるものである。明治大正の文豪なら、とっくに何らかの薬を服用しているに相違ない。
2024年11月14日
塞ぎ込んでいるのを見かねてか、映画へ誘ってもらう。
前から観たがっていた『破墓』である。
韓国の伝統宗教におけるシャーマンである巫女のもとに、大富豪から一件の依頼が舞い込む。原因は祖先の墓にあると看破した彼女は親交のある地官(韓国の風水術に基づいて墓地に適切な土地を見つける職業)と納棺師に連絡を取り、改葬して問題を解決しようとするのだが……
ホラーとしてできがよく、引き込まれてしまった。韓国らしい映画である。
気分転換になったので、明日は何か、少しでも書ければよいのだが。