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幸せを手に入れる最後の方法 ~2年間のカウンセリング実録~ 21.戦う体力②


励ましてください。誉めてください。」



「咲笑ちゃん、今日も生きてくれてありがとう。
苦しくても生きてる。偉いね。嬉しい。

いつも咲笑ちゃんを応援してるよ。」



「私が愛されているということを、現象としては理解できるのに、それが心に入ってこないの。」



「そっか。今まで愛されてないっていう思いが強すぎたから、心が固くなって受け入れられないんだね…。

でも頭では理解できてるんだ。すごいね。
心が早く追い付いてくれるといいね。」





「とても魅力的な男性に好意を持たれているようです。

心臓が捻れるように痛いです。

告白して来ないで、と念をかけていますが、時間の問題のような気がします。

彼は『オープンリレーションシップ』または『フリーラブ』の人です。

1対1で付き合うという概念のない人です。

私はその考えに賛成か反対かさえ分かりません。」



「魅力的な男性ではあるんですね。

咲笑ちゃんが恋をできるなら、それは素晴らしいことだと思うし、日本人じゃない方が咲笑ちゃんには合ってるような気がするけど…。


『フリーラブ』の良し悪しは別にして、その先に咲笑ちゃんが求めている幸せは無いような気がするね。

咲笑ちゃんにとって、今は好意を寄せられることすら負担で苦しいことになってるのかな?」



「フランスのマルセイユ(私の憧れの土地)出身で、世界中を旅しながらお仕事しているそうです。

自由で、自立していて、とても魅力的な人です。

私が恋をしてしまいそうで、それが一番の恐怖です。


私はもう恋愛や結婚を信頼していないのだから、1対1ではなくてもいいよな、とも思うのですが、まだ家庭を持つことに夢を見ている部分もあります。

これは結婚には繋がらないと割りきって、遊ぶだけなら構わないのですが、私の身がどこまで持つかが怖いところです。


人から恋愛対象として好かれることは昔から苦手で、苦痛です。

結局私はいつも父親と愛着対象(ペット的存在)を恋愛と勘違いしてきましたから。」





「夢に『汚れたお風呂』と『蟹』が短期間で2回も出てきました。また診断をお願いします。」



「<夢の示す内容>

浴室=洗い清める場所:浄化、くつろぎ、悩みを排除したい感情など

汚れた浴室:体力不足

蟹(脱皮や甲羅・ハサミなどから):窮地からの脱出、防衛本能、攻撃性、環境の変化など


<分析>

可能性としては、古い殻や過去を脱ぎ捨てて新しい綺麗な自分になることを望んでいるけれど、体力不足でそこには至っていない状況ってことでしょうか。身体と心は繋がってると思うから、しっかりご飯を食べて、体力をつけるように心がけてね。



咲笑ちゃん、最初に会った時から『自分が愛される筈がない』って思いを口にしてたよね。

愛情を示してくれる人の近くにいることは固くなった咲笑ちゃんの心を溶かしてくれるかもしれないけれど、それがフリーラブの人だと…どうなんだろう?

咲笑ちゃんは、フリーラブの概念からは遠い位置にいたように思います。

それでも彼がいいって言えるものがあれば、違うのかもしれないけど、好きになって遊ぶだけなら、たぶん今まで待たなくてもいつでも出来たことなんじゃないかな。


咲笑ちゃんの『今』と『夢』、どちらにも近づけるといいんだけどね。」



「まーくん、ありがとう。

体力不足、確かにそうです。
頭がまわりません。疲れています。


お風呂と蟹の夢は、一度目がとても印象的でした。

私は実家にいて、母と養父、妹もいる中、『私なんていらない子なんでしょ!』と両親を批判してわめいたり、何かしらの嫌味を言っていました。

『うちの子なんだから、ここでお風呂に入っていきなさい。』と言われて、お風呂場に行くと、枯れた赤い薔薇と土で汚れていて『私が掃除しないと駄目なんだよな。』と思っていると蟹が出て来てびっくりしました。

薔薇は枯れていて、干からびていて、汚かったです。」



「薔薇は美徳、情熱、幸運をもたらす力、愛などを指していて、赤い薔薇はそのなかでも最も強い感情や心の成長を示しているそうです。


でも枯れてたのか…情熱や愛情に飢えているってことなんでしょうね。

土は基礎や自然治癒力を指しているけど、この場合は自分を綺麗にするための基礎作りが必要って捉えたらいいと思います。

たとえ枯れていたとしても赤い色は生命力の色。

薔薇や蟹だから赤、という訳ではなくて、きっと立ち直る力があるってことだと思います。

疲れてる自分を優しくいたわって、ゆっくり休むことを心がけてね。」



「ありがとう。

あと…言葉にするのも怖いくらいの夢をしばらく前にみました。


バロンがいなくて、私は保護犬センターにいました。

係の人に里親になりたい旨を伝えると、まず講習を受けなければならない、と別室に行きました。

そこで、たくさんの人間の死体の写真を見せられました。

身体の一部、血で汚れたおぞましい写真でした。

講習はいつしか自殺希望者を引き留めるものに変わっていました。

私はセンターを飛び出して逃げました。


建物を出たら大きな公園で、気がついたら養父が私の目の前に倒れていました。

私が養父を刺したらしい、と気付きましたがその映像はありませんでした。

『捕まる』と思って、逃げ出したところで夢は終わりました。


両親を殺したいなんて、一度も思ったことありません。

バロンがいなくて、というのは、バロンと出会っていない設定、ということです。

写真は、顔と手が印象的でした。
もうね、眠るのが嫌になります。」



「それは思い出すのも話をするのも嫌な夢だったね。

いつも通り、あくまで可能性だけど。

ただ、怖い夢が必ずしも悪い夢では無いということは忘れずに覚えておいてね。


<夢の示す内容>

保護犬センター:バロンと会った(出会うための)場所、生きていくために必要な経由点

死体:不要な感情や情熱の残骸、過去の失意、過去との決別、喪失、気持ちの整理、再生

血まみれや惨劇の光景:心身の不調、強い確執からの解放、事態好転の兆し

写真:創造的閃き、気付かない自己の側面

自殺:自己の罪を罰したい気持ち、生まれ変わり願望、感情を押し殺して生きていること

逃げる(脱出):耐え難い感情から逃れようという気持ちで問題は解決されずに残っている

公園:恩恵の地、休養の地

親を殺す:親への甘えを断ち切って自立しようとする気持ち


<分析>

・生きていくために必要な場所に向かったが、自分の思いが報われず、過去と決別することで解放され、事態が好転することを示唆されている。

・生まれ変わって新しい環境に自分を置きたいと思っているが、現時点ではそれには至らず、現実に囚われている。

・自分が恩恵を受ける筈だった家庭から独立し、親への甘えを断ち切って自立する時が来ているが、今はそれに向き合えていない。」



「ありがとう。 その通りだと思います。

突破方法はなんとなく目星がついているのに、体力も気力もなく、日々命を繋ぐだけで精一杯です。」


きっと大丈夫。体力を蓄えて、気力が湧くまで命を繋いでいこう。

それもつらいんだよね。

でも咲笑ちゃんの命が繋がってること、僕にはとっても大事です。」









幸せを手に入れる最後の方法
~2年間のカウンセリング実録~



最後までお読みくださり、ありがとうございました。



心と身体は繋がっています。

どちらか片方が大変なときには、もう片方が頑張って支えてくれている。


だから、心の調子が悪いと体調に悪影響が出るし、身体が万全の状態じゃない時には心が前向きになれない。


忙しい時には心が頑張ってくれていて、環境が変わって心が頑張ってる時には身体のケアが必要。


進みたい道があるとき、戦いたいものがあるときには、まずは身体的に体力をつけるといいかもしれませんね。



次回はまた明日、更新します。

よろしければ是非おつきあいください。

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