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体験は新視点と敬意が生まれる②
前回に引き続き、あれもこれもの欲張り幕の内弁当日記でお届け。
秋田2日目。zoomでしか会っていなかったマティログさんとついに初対面。いつも時代についていけなくなる私が、会わずとも企画や仕事ができる時代に少し乗っかれた気がした。
朝早かろうが最高潮にテンション高いマティログさんに「やっっっと会えましたね!」と言いながら高揚していた。やっぱり画面より目の前で会う方が性に合っていることも気づけた。
秋田がガラスで有名なのも知らなかったけど、この日は新屋ガラス工房で吹きガラス体験をすることにした。せっかくなので日本酒のソーダ割り『ポンボール』に合いそうなグラスを作ってみる。
「最初の一息はなかなか皆さん空気が入らないんです」なんて言われると、役者心に火がついてしまう。その結果、一息で空気を入れることに成功。何でもない感じで喜んだけど、内心ガッツポーズ型のガラスが出来上がるほど嬉しかった。
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でも、すごく難しかった。常に長い棒を回しながら形を整えるというのは、俳優の腹式呼吸よりももっと訓練が必要な技だと感じた。これを体験してから施設に展示してある職人さんたちの作品を見ると、この形にどうやってしたのか、この色合い、色付けはどうなっているのか、体験する前にはなかった敬意が自然と芽生えた。
地元神戸でもこういうのあるのかな。地元だとわざわざ「体験」を選択する機会はなかったけど、やっぱり体験して知れるその土地、その商品の魅力を新視点で知れていいなと思った。
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お昼からはよんななの監督くぼちゃんも合流。今回の秋田での一連を撮影したいと言ってくれたため、長内秋田奮闘記を撮影してくれることになった。前日会った小杉さんに連絡してみると奇跡的に近くにいたため4人で比内地鶏の親子丼を食べることができた。
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秋田に初めて来た私とくぼちゃんよりも、地元のはずのお二人の方が感激して食リポをずっとしている。「え、初めて食べるんですか?」と笑いながら聞いてしまった。すると「滅多に食べないんです」と言われた。なるほど、神戸で神戸牛のステーキをあまり食べない感覚に似てるのかなと思った。地元の人たちがこんなにも美味しく楽しそうに食べている姿に、比内地鶏の柔らかさと香ばしさがより優しくふんわり広がった。
次は竿燈祭りの竿燈を持ち上げる体験。まず、初めて見る竿燈の迫力に圧倒された。小学生用と書かれているものですら、予想上回る大きさと重さに衝撃。
「バランス崩れたら、手じゃなく足を動かして調整してください」と教えてもらったけど、体に染みついた感覚のせいか手でバランスを取るというのが反射的に出てしまい、手を動かさず足だけでバランスを取るというのが難易度高めだった。
本番のお祭りでは提灯の中に火が灯ると言うから、揺れずに持ち上げるなんて信じられない。
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そこへ竿燈祭り優勝者という人物が現れるという奇跡が起きた。手→おでこ→肩→腰と華麗に乗せていく。大袈裟ではなく、静止画のように全く微動だにしない。さっき体験したばかりの私には理解が追いつかなかった。
体幹だけではない訓練の賜物のバランス力を目の当たりにして感激しつつ、こういう時「私はそんなできないので」と言いながら最初に持ち方を教えてくれた施設のおじさんが笑ってるけど隅にいる姿が気になってしまう。
帰りに気持ち大きな声でそのおじさんにお礼を言った。また来た時はあのおじさんに教えてもらったことを前よりできるようになろうって思った。
そしてこの祭りを見たい。これまた体験する前には生まれなかった新視点で祭りを見れる自信が芽生えた。
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この後は、出演するラジオ局ABSラジオに向かった。ラジオ出演はありがたいことだった。俳優、唎酒師、よんななと盛り沢山な内容を20分のコーナー内に収めてくれたのは、『エキマイク』進行の鴨下アナと亜弥子さんのおかげだった。初めて来た秋田で自分のことを知ってもらえる内容、そしてイベントの告知をさせていただく機会はなかなかない。改めて大感謝。
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そしてまだまだ続く秋田駅巡り。駅周辺でこんなにも充実しているのが素敵だと思った。ラジオでも話したけど、初めて訪れた駅前が充実していると、次来た時はこのエリアに行ってみようとか興味が湧きやすい上に、他の場所に足を運びやすくなる。
というわけで、本題のポンボールイベントまで今回も辿り着かず、また次回へ続く秋田編。
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