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最後の一瞬まで

 私は、病院実習をしていた医学生時代から研修医をしていた4ヶ月も含めて、最近まで、関わった患者さんの死に直面したことはありませんでした

 最近、息を引き取った瞬間には、立ち会えていないのですが、初めて、医療現場で自分の関わった患者さんが亡くなるのを経験しました

 私達、助手は、最後のお風呂、お着替えも担当します

 私は、別の業務の後、その方の人生最期のおめかしの姿を横で見させて頂きました

 看護師さんも、助手さんも、優しい御言葉をかけながら、顔に軽くお化粧を施します

 その姿を見たあと、繋がっていたチューブ等を捨てに行くために、一人きりになった時、涙がとめどなく溢れました

 最期に近づいていく中でも、その方が、家族に会うため、自分であり続けるため、リハビリも食事も自分の力でできるところは頑張ろうと果敢に取り組んでいた姿を思い出しました

 生きる為に、全力で自分の命を燃やす事は、本当に尊敬に値することだと思いました

 私は、基本的には、闘うという言葉は好きではないのですが、運命と闘いながら、その運命が突きつけてくる無情ともおもえる仕打ちを、死が近づくと、人は摂理として捉え、神が自分に何か気づきを与えてくれている有難いものとして受け入れ、穏やかになっていくのだと知ることが出来ました

 安らかに、天国で休まれていることを、心より願い、ご家族の方に、御冥福を御祈り致します

 

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