ピンク色の沈黙
いい天気
いい天気って日
人生で何回きたかな〜
数えられるほどひまだったけど
今日はいい天気に同情して
同じく休みのあねと会うことにした
16:00pm
吉祥寺はいつもの賑わいを見せている
エレベーターの右側を走る
普段ポケットに手を突っ込むヒューマンビーイング
なわたし
エレベーターの右側を走るときだけは、
ね、
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遅刻党のあねが
珍しく"イタリアントマト"
に着席していた
放置していた髪も染めている
化粧もいつもより5分だけ
時間をかけた顔をしている
悔しくも"ガール"濃度を上げやがっていた
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今日は明日納期の企画書と記事を詰める
FREEWIFI はライターの命
今日は寿命が短い
氷が溶けかけ薄くなった
アイスコーヒーを3割残し
記事が進まないと言い訳をコーヒーに溶かし仕込んだ
"ライターの休日
吉祥寺のカフェで納期に追われる"
の番外編の始まり
吉祥寺駅から徒歩5分
"燻し家もっくん"
へ
顔見知りになると
お酒を頼むと
広告媒体並みに
さらっと流入してくる
大 ジョッキ
彼氏と互いの靴下を間違える安定感
交代で同じ湯船に浸かる幸福感
みたいな奴を
合わせ持っている、
そんなくすぐったい感覚
ここでは何もかもが
赤ん坊だった
何もかもセキララに
お互いの仕事の価値観、考え方
沸騰しない程度に熱く
冷めない程度に熱をくわえながら
グラスの水滴がたまりを作っていた
お酒を処方すると
副作用でやってくる
大脳の麻痺
今日も頬も赤らめながら
言葉と酒を交わし
時間を緑茶で割った
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今日の抗生物質は
オレンジジュース
明日の仕事も
前のめりで失礼しよう
今日の沈黙はピンク色だった
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