4度目の結婚記念日を前に

あと数日で結婚記念日を迎える。
今年は入籍日と仕事が重なってしまったため、前倒しをして2人でお祝いをした。
4年目の結婚記念日は花婚式と呼ぶそうで、花瓶をネットで購入し、近所にあるお気に入りの中華屋さんで普段より豪勢にランチを満喫し、ケーキを買って帰った。
事前準備ができず日常の延長上のお祝いとなったことに申し訳なさも覚えつつ、普段は注文しない小皿料理や昼からのビール、持ち帰ったケーキと淹れたてのコーヒーにささやかな幸せをちゃんと感じたりもした。

普段はランチセットしか注文しない中華屋で、初めて注文した海鮮おこげのまろやかなおいしさとサクサク食感を楽しんでいると、円卓の対面でこちらも普段注文しない激辛麺と黒酢豚に囲まれて顔を綻ばせている奥さんが目に入った。
私もきっと同じ顔をしているのだろうなと思うと同時に、BUMP OF CHICKENの歌詞の一節が頭に浮かんだ。

どこにだって一緒に行こう
お揃いの記憶を集めよう
何回だって話をしよう
忘れないように教えあおう

宇宙飛行士への手紙

途端に先述した申し訳なさが消し飛び、2人に取って馴染みのお店で、4度目の結婚記念日を中華でお祝いしている今この瞬間が、ただただ大切な時間なのだとあらためさせられた。

同じ光景とは言え別々の視点から眺めているんだから、この時の2人が見ていた景色をスクリーンに映しても、同じ映像は流れない。
例えば奥さんの後ろの席の夫婦が飲みきれなかった瓶ビールだったり、私の背後に配置された厨房の中で腕を振う料理人の汗だったり(これは想像だけど)。

相手が持ち得ないパズルのピースを持ち寄って、笑い合った過去を立体的に組み上げていく。
そういう楽しい作業をずっとしていきたい。

余談だけど、中華に顔を綻ばせている奥さんがめちゃめちゃかわいくて、そのかわいさが今回の記事のきっかけでした。

結婚5周年は木婚式と言うらしい。
と書いたものの、まだ先だからきっとこのまま何もせず、たぶん2週間くらい前になって慌てだすのだろう。
奥さんはきっとそれでも笑ってくれるが、またここできちんとしたお祝いをしよう。
星になるまで笑っていられるように。

もうすぐ届く花瓶に何の花を挿そうかな。

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