Vol.11 命をいただく導入編として
牛乳、それは生まれたばかりの赤ちゃん牛のごはん。
本来、お母さん牛は、彼女の赤ちゃん牛のためにお乳を出します。それを人間は頂いているという事実。私たち親はこの真実をしっかり子どもに伝えなくてはならないと思います。
牛乳とは「栄養たっぷりで背が高くなる飲み物」なのではなく、「お母さん牛が赤ちゃんの命を育むための大切な飲み物」であることを子どもに理解してもらうことが大切なのです。好き嫌いもあるかもしれません。しかし、牛から頂いている牛乳、残してしまったら牛に申し訳ない。「もし、あなたが残した牛乳、じゃーっと流しに捨ててしまったら、牛さんはどんな気持ちになるかな?」と、子どもに問いかけながら一緒に考えてみてください。
我が家の子ども達は、牛乳を残してはいけない決まりになっています。これは前述の問いかけをした結果、娘が自ら決めたルールです。「捨てちゃったら牛さんかわいそう。」そう言って、必ずコップの中身を飲み切ります。よって、飲む量を決めるのも自分です。飲みたい分を自身で注ぎ、牛乳を頂くという行動に責任を持たせています。これから少しずつ、肉や魚についても教えていきたいですが、まずは牛乳からスタートです。
私たち人間は、様々な生物から「命を頂く」ことで日々生活しています。小さな子どもに、家畜のことや命の話は完全には理解できないかもしれませんが、だけが「命を頂く」食卓に繋がっているわけではありません。牛乳のように、他の動物の命の源をいただいている事も「命を頂く」ことなのです。
その理解として、牛乳について一緒に考えることは、「命を頂く」食事への理解の第一歩として相応しいのではないでしょうか。命の大切さを知り、尊さを実感する。人間は、他の生き物の命によって生きていること。この大切な真実を、私たち親は時間をかけて子どもにしっかりと伝えていかなければなりません。
苦手な食べ物についても闇雲に、「残しちゃダメ!好き嫌いしないの!」ではなく、どうして捨ててしまってはいけないのか、「命を
頂く」ことについて一緒に考えていくと、食べ物を粗末にしてはいけない、と子どもは自ら答えを導きだします。
親と子どもがしっかり向き合って話す機会が必要ですね。
筆者:リトルシェフクッキング(株)代表 武田 昌美
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