水族館で見るカワイイ魚と食卓で見るオイシイ魚
水族館でお魚を見るのは好きだけど、触ったり、食べたりするのはちょっと苦手。
『どうすれば子供がお魚を好きになるか教えていただけませんか?』
このようなご相談を受けることがよくあります。 ではどうして、お魚が嫌いなのかをあげていくと、 人それぞれ理由が違うにせよ以下のような点が出てきます。
●骨が嫌だ ●においが苦手 ●味が嫌い ●食べ慣れないから
などなど。実はそこに魚を好きになれるかもしれないヒントがあります。
●骨が嫌だ
骨が嫌なら、骨の無い魚、カジキの切り身などからスタートすれば良いと思います。 骨があるせいで魚が嫌いになってしまうのは勿体ないことですから、 いずれ大きくなるに連れて、少しずつ、骨のある魚にチャレンジしていくためにまずは骨無し、もしくは、大きな骨を1本か2本とれば食べられるような大型魚の煮物などがオススメです。
●においが苦手
きっと生臭い魚の臭いを嗅いでしまったのが原因ですよね。 鮮度の良し悪しに関わらず、生のお魚にはそれなりのにおいはあります。 それが嫌いという方は少なく無いと思います。
ただ、あの臭いの魚をそのまま食べることはまずありません。 そういう場合は、しっかりと下処理をして、火を通したお魚で美味しいお料理の匂いを嗅ぐ習慣から始めましょう。 『なんか今日、カレーの匂いがする。おいしそう!』と子供が言うシーンがありますがそこにお魚を忍ばせてしまいましょう。 美味しく食べ終わった後に、今日のカレーには、こんなお魚が入っていたんだよ。 と魚イコール臭いを無くしていくことが大切です。
時には、魚の唐揚げ、時にはハンバーグに、混ぜ込むことでにおい問題は解決できます。 お刺身や、お寿司を食べる際のにおいが苦手問題はその魚の鮮度や質が大きく関わってきますので子供が初めて食べるお刺身は、必ず上質で美味しいものにしてあげましょう。 舌が肥えてしまうからと、質の悪いお魚を食べていては、 どんどんお魚が嫌いになってしまいます。 自分が美味しいお刺身を食べた時の感動を思い出してみてください。
●味が嫌い
これは簡単に解決できます。 お子様の好きな味のお料理に魚を使えば、比較的簡単に。 魚そのものの味が苦手、例えばアジの干物を食べてくれないとか。 小さいうちに無理に干物を食べなくても、そのうち好きになるでしょうし大人になっても嫌いな人は嫌いなものかもしれません。 魚に何を求めるのか?他で代用できるなら柔軟に考えてみても良いと思います。
●食べ慣れないから
それはそうですよね。 初めてのものを見て、危険を察知する本能は間違っていませんよね。 親が美味しい美味しいって目の前で食べて見せても、 『いらない。』 という一言でズバッと切ってくるのが子供です。
日本は特に魚食は身近に思えますし、魚を食べさせたいという気持ちが出てくるのは当然だと思いますが、 それはあくまで、魚を好きで食べる人たちの意見であって嫌いなのに無理に食べる必要はないと思っています。
こういう自分も、子供の頃はサンマやアジを筆頭に焼き魚は大の苦手でした。 でもカジキの煮付けは好きでした。 親父が晩酌でつまむマグロのお刺身も大好きでしたが イカの煮物は苦手でした。 でもこれら全ては、いつの間にか大好きなものに変わっていました。 『好き嫌い』という言葉を大きな問題にせず、 まだ小さい子供達に対しては、広い心でその食性を見守っていくのが良いと思います。 そして、気がついたら、イカの塩辛を食べたり、焼き魚の目玉を食べたりするような大人になっている未来を想って。
筆者:酢飯屋 店主 岡田大介
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