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ベガルタの歴代GKを振り返る

ベガサポなら誰でも気になっているのが、そう、GK問題。

過去ベガルタは日本代表のシュミット・ダニエル六反勇治林卓人高桑大二朗、ポーランド代表のヤクブスヴォビクオーストラリア代表のダニエル・ヴコヴィッチといった優秀なGKが在籍していた。なぜこれだけ優秀なGKが出るのか?

「シュートを打たれる危険性が他のチームに比べて高いから」と思った人、立ちなさい。今から先生があなた方の携帯キャリアをauに、住民票を尼崎に、すべてのパスワードは英数混ぜて13桁固定にします。

冗談はさておき、シュートを打たれる云々を別にすると、比較的守備に偏るクラブ文化と、コーチの優秀さはあるだろう。去年まで在籍してた石野コーチは関憲太郎、シュミット・ダニエルを育てた名伯楽。

また、現在はアントラーズのGKコーチを務めている佐藤洋平コーチも結構優秀だった…覚えがある。

今年のGKコーチである大神はジュビロからの新任であるが、現役時代97年にJベストイレブンに入っている名手だ。ずーっとジュビロでやっていた人みたいなので、おそらく杉本大地もその関係で来たと思われる。GK育成は時間がかかるのでまた彼も名伯楽であることを祈ろう。ソーメン。ダニエルも序盤はひどかったし。

話を戻そう。上の記事にあるように、杉本、ストイシッチ、小畑とベガルタは試合ごとにGKが変わり、正GKが固定できてない。よく言えば実力が拮抗している、悪く言えばどんぐりの背比べ。こんなツイートしたらいいね!が90超え。

現状のようにGKがこんなに固定できないのはしばらく記憶になく、記憶をたどると林卓人移籍直後ぐらいまで遡る。関健太郎、桜井、六反勇治あたりが正GK争っている頃かな…ただあのときはこんなに短いスパンで入れ替わらなかったな…って思いを馳せているうちにベガルタ歴代GKが懐かしくなった。

ので、印象に残ってるベガルタ歴代GK特集、はじめました。冷やし中華風。完全に余談ですが、ニチレイの冷やし中華は冷凍食品なのにレンジで温めても中の氷が溶けないのでチンしたのに冷えたものが食べられるそうです。意味不明。



息抜きに、ああ、こんな人いたなぁという感じで読んでください。


高桑大二朗 2003−2006

鹿島アントラーズが3冠を達成したときの正GK。その後曽ヶ端にポジションを奪われ、仙台に。怪我が多いイメージだったが、仙台ではシーズン通してそれなりに活躍。結構安定していた。ただ、逆ファンタジスタというか、年に一回ぐらい信じられない、致命的なミスをする癖があって、2006年前に出すぎたところを相手GKのロングキックで失点して以降はサブに。ブラジル人監督はGKが致命的なミスをすると必ず替える印象だったが、当時はブラジル人のサンタナ監督で、例にもれずそこから全く起用されなくなった。現在は川崎FのGKコーチである。

シュナイダー潤之介 2007−2008

「よりレベルの高い環境でやりたい」という希望で何故かJ2 4位のサガン鳥栖からJ2 5位のベガルタに移籍してきたGK。ハーフのイケメンでサガンではキャプテンも務めていた。だが、意外にも学校を卒業してからプロの声はかからず、サガンにはセレクションで入っているという苦労人。

まだ心を整える前の家本主審に謎のイエローカードを食らったり、試合後のシュナイダー劇場であったりとピッチ外のことで有名だったが、実力も確かだったので、正GKとして期待が高い選手だった。しかしながらシーズン中盤で骨折すると、ひょいとやってきた林からポジションを奪えなかった。翌年退団。なのでプレーはあまり覚えていない。が、なんか明るくて愛されるキャラだった。

萩原達郎 2001−2010

仙台の第3GKといったら萩原でしょう。2001年に入団し、なんと初出場は2007年天皇杯。先程でてきたシュナイダーを押しのけてのスタメン出場。入団からベンチ入りすら全く無く、初出場日はベガルタ掲示板が「え?萩原出るの?」「ついに…」「初めてピッチ上で見れるな」と少しざわついたのを覚えている。

確かブラジルあたりで「入団してから6年間1度もベンチ入りしていない選手が日本に」という感じで記事にもなった気がするのだが、検索してもヒットしない。あまりのマイナーぶりにGoogleが「山下達郎」を候補に上げてくる。

Google先生は山下達郎推し

結局9年在籍して出場は3試合。出場はおろか、ベンチ入りすらほとんどしないのにこれだけ長く契約してもらっていたというのはすごいことである。ポテンシャルもあるだろうし、練習に望む態度もよかったのだろう。現在会社員をしながら現役を続けているとかなんとか。

林卓人 2007−2013

仙台のGKである小針とシュナイダーが長期離脱し、札幌でメンバー外になっているところを緊急補強したら、あれよあれよと言う間に日本代表までのし上がった。シュートに対する準備、反応速度は恐るべきものがあり、ミドルシュートはいくら打たせてもいいよ、という印象すらあった。身体がどっしりしていて、無駄に動かない。致命的なポカをあまり見たことがない。完封した試合も多い。

関係ないが、顎がめちゃ発達していて、筆者が「いいGKは顎が立派」という全くエビデンスのない話を信じるようになったのは林が原因である。ちなみにソフトバンクの王監督は、ドラフトで指名選手に迷ったら「バットを振り切れる方」を選んだという…。筆者がベガルタのGMなら「顎が立派な方」で選ぶ。え?クビですか?そうですか。

J1昇格した年は恐るべきことに51試合39失点。いやすごい。ちなみに今シーズンのベガルタは24試合33失点である…。そして39歳の現在も絶好調の広島を支えている。

関憲太郎 2008−2020

今やレノファの正GK。渡邉晋政権をメインでも影でも支えた選手。上背はないため、ハイボールは決定的に不利なのだが、飛び出しの判断やパンチング、キャッチングの正確さは手の届く範囲では一級品だった。どうしてもフィジカルの面で六反やシュミットに比べるとあれだったのだが、サブとしても常に準備を怠らず、急な出場でも通常通りのパフォーマンスを出していたのは印象的だった。

サッカーワールドカップのメンバー選考について聞かれた岡田監督が、「最初に川口を選びました。彼は試合でも練習でも手を抜かない。日本にはそういった選手が必要なんです。」と述べていたが、まさしく関憲太郎もそういう選手。関憲太郎が在籍していた間に六反、シュミットが日本代表まで成長したのは間違いなく彼の影響があるだろう。

六反勇治 2015−2016

横浜Fマリノスからやってきた選手。188cmと大柄で、小柄で空中戦に不安の残る関憲太郎を押しのけて正GKに。そのまま日本代表にまで呼ばれた。ハイボールは安定、飛び出しも良かったが、高身長キーパーにありがちな腰から下のシュートの反応がいまいち悪く、最後まで課題だった。

顔立ちそのままに優しい性格で、それが若手には時にに舐められるのか、生意気盛りの茂木駿佑から試合中に反発されてイエローをもらう場面も。もうちょっと強気に出てもいいのになぁ、と思いながら結局2018シーズンは関にポジションを奪いかえされ、清水に移籍。流石に日本代表候補をベンチに置くほどベガルタには余裕がなかったか。

シュミット・ダニエル 2014−2019

ベガルタ仙台育成の最高峰。加入当初よりその高身長とキックで期待していたが、度重なるレンタルで、彼のベガルタでの物語は加入から3年後の2017年から始まった。松本山雅でスタメン出場を続けることでついにベガルタで出場!!と期待しながら見ていたが、まぁシーズン前半はひどかった。

キックは良かったが、シュートを打たれるときのポジショニングや空中戦の判断など、まだまだと思われた。特にハイボールをキャッチしたままゴールバーに直撃し、前方にぽろりして失点したのは懐かしい。これは厳しいかなと思っていたのだが、監督が我慢して起用し続けたところ安定し、正GK奪取、日本代表、海外移籍まで上り詰める。当時の監督である渡邉晋は自著でこう振り返る。

ダニエルの場合、ぱっと渡せば『そこまで開放してくれるのか!』というほど、とてつもない弾道のボールを出して一気に形勢逆転という場面が何度もあり、しかも両足で出すことができました。

ポジショナルフットボール実践編

つまりキックの精度と威力が飛び抜けており、攻撃の核にもなっていたので外せない選手だったようだ。現在はシントトロイデンで頑張っているようだが、将来戻ってきてほしいなぁ…。

今(2022/07/04)ならUnlimitedで無料なので、ベガルタファンは読みましょう。


川浪吾郎 2018-2020

190超えの身長に、明るい笑顔のナイスガイは新潟から加入。それまでもスタメン起用は多くなかったようだが、ダニエルとクバの壁は高く、ベガルタでも同様に多くの出場機会はなかった。空中戦とシュートストップは良かったが、足元がかなり怪しく、クリアボールをピンポイントで敵の足元に渡してしまうことも。しかし、明るいキャラクターで、出場がなくてもチームへの貢献度が高く、第三GKとしては異例なぐらいサポに愛された選手であった。

広島に完全移籍する際のメッセージからは川浪の溢れんばかりのベガルタ愛を感じる。ってか今マジで来て欲しいんですけど…。

ヤクブ・スヴォビク 2020−2021

ダニエルが移籍することになり、補強の必要性が高まったGKにはポーランドから一級品が来日。セービングは完璧で、間違いなく歴代ナンバーワン。シュートが来るギリギリまで重心を動かさないし、その置き方も完璧。弾いてもしっかり相手が詰められないところへ弾く。彼が来たせいで筆者含めベガルタサポーターのGKを見る目は厳しくなったと言えよう。ピッチに響き渡る「シューチュー!!!」も名物。成績的にも暗黒期でピッチ上で彼以外誰も声出してなかったというのもあるが。

残念ながら2022シーズンを持ってFC東京に移籍。移籍先でもスーパーセーブを連発しているらしく、FC東京サポからは「何でこんなGKがいたのに仙台は降格したのか」という疑問が持たれているらしい…さあ、何でだろうね。


というわけでベガルタGKを紹介させてもらいました。こう見ると強かった時代はGK安定していたんだなぁと。安定した1番手、1番手を脅かす2番手、出場機会が少なくてもチームの雰囲気を良くする3,4番手がいるのが理想。ベガルタは目下みんな3番手レベルだけど。

他にも高橋則夫や小針など、いろいろいたんだけど自分はあまり見てないので言及なしで。(いいの書けるぜ!って人はお願いします。)これからも日本代表まで上り詰めるGKが大神コーチのもと出てくれるといいなと願いながら今回はここまで。





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