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九州ロービジョンフォーラムで学んだ「医学モデルから社会モデル」

先月、九州ロービジョンフォーラムがありました。

コロナの影響でオンライン開催でしたが、身になる内容が多くて本当に参加できてよかったです。

私は専門家向け講習会はライブで参加しましたが、一般向け講演はオンデマンドで見ました。

講師の先生のご講演は、皆素晴らしいものでどれか一つを取り上げて話すのは難しいですね。

私は視覚障害者の就労支援に携わっている関係で、初瀬先生のご講演は深く感ずるものがありました。

初瀬先生のご講演の中で、一番心に残っているのは

✅「医学モデルから社会モデル」

についてでした。

医学モデルから社会モデルとは?



「障害がどこにあるのか?」

初瀬先生のお話しをそのまま抜粋させてもらうと

例えば、車いすの人がいるとして、段差のある建物に入れない。
以前までの考え方は、車いすの方に障害がある。
なので医学的アプローチでその人を歩けるようにする、リハビリで杖で歩けるようにする、治していく

個人に障害があるという考え方⇒医学モデル

でもそれって、社会は全く変わらないですよね?

そこででてきた考え方が社会モデル。

車いすの方がビルに入れないのは、ビルに段差があるから、ビルに障害があるんじゃないか、社会に障害があるんじゃないか。

そうすると、スロープをつけよう・自動ドアにしよう。

視覚障害があって情報がとれない。
だったらペーパーから、メールにしよう・点字にしよう・音声にしよう。

みんなが生きやすい社会をつくっていく「社会モデル」という考え方の方が、社会って変わっていくんですよ。

そう考えていった方が、きっとポジティブで楽しいんですよね。

そして

障害者の障害って中々治らないじゃないですか?

僕は緑内障で目が悪くなりましたけど、5年後に見えてるように多分なってないと思うんですよね。

でも5年後に僕がもっと情報を取りやすい社会っていうのは、きっと生まれると思います。

そのためにも障害のある方自身が声を上げることがすごく大事だと思いますし、障害のある方に関わっている人は、社会の側にもしかしたら生きづらさは原因があるんじゃないかと思った方が、変えるチャンス変える機会がありますので、社会の側に原因があるという考え方を頭に入れていただいていたらいいんじゃないかと思います。

iPS細胞の研究が進んで、将来的には今治せない多くの病気が治療できる時代が来るかもしれません。

だけど、それには時間がかかります。

初瀬先生のおっしゃっていたように、5年後に緑内障が治療できる可能性はかなり低いと思います。

ですが、5年後に視覚障害者が今より情報を取りやすい社会にすることは可能。

この考え方がとっても好きです。

治療に関しては、遺伝子レベルで研究をしている先生方にお任せするしかありませんが、見えにくい方が生きやすい社会に変えていくことって私達が今すぐにでもできますよね。

例えば見えにくい人がわかりやすいように

コントラストに差をつける・歩くのに邪魔なものを片付ける

といった小さなことでも、社会モデルの考え方を実践していることになると思うんですよ。

自分にできることから少しづつ

昔から自己肯定感が低くて、ついつい人と比べて

「あの人はあんなに頑張っているのに私は…」

ってなりやすいんですよね。

私の好きな喜多川泰さんの本「賢者の書」の中に

・他人なんかと比べなくても、昨日の自分よりも一歩でも前進しようと努力しているとき、人は幸せを感じるんだ。
本当の安定というのは、自分の力で変えられることを変えようと努力しているときに得られる心の状態のことをいうんだ。

初瀬先生も、自分の目が見えにくくなったとき、この先のことをずっと考えていたそうです。

1年半考え続けて、何も変わらなかったと言っていました。

✅「大切なのは、行動すること」

他人と比べてどうとかじゃない。

自分のできる、いやできなくでもいいので、とりあえず行動してみることですね。

余談になりますが、初瀬先生は就職試験に120社落ちたそうです。

その結果、障害者雇用の会社を自分で立ち上げたそうです。

もう尊敬しかありません。

120社落ちたことって、フリになっていますもんね。

同じように苦しんでいる人がいるに違いない、だったら自分のような辛い思いを少しでもさせないようにって思いが強かったのでしょう。

初瀬先生ほどじゃなくてもいいと思います。

自分のできるところから、少しずつ行動してみましょう。

立ち止まったり、後退したっていいんですよ。

また歩きだせば。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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