Tic Disorder(チック症)
どうも、障害について考える視能訓練士、でし丸です!今回はチックについて記事を書きます!
あまり知られていないかもしれませんが、実はチックも神経発達症(発達障害)の中に含まれています!
チックに関しては視能訓練士の皆さんなら視能学に書いてあったので聞いた事はあるかと思いますが、でもそれって何!?って人もいるかもしれません。現にぼくは学生時代チックについて単語だけ知ってるってレベルで内容は全く知りませんでした💦
それでは詳しく見ていきましょう!
<概要>
チック(突発的で、不規則な、体の一部の速い動きや発声を繰返す状態)が一定期間継続する障害です。具体的には瞬きや咳払い、首振りや奇声が本人の意思に関係なく繰り返し出てしまう疾患です。
チック症の症状は一見癖のように見える行為も少なくありませんが自分の意思では止めることができません。
チックが一時的に現れる事は子どもの10人に1人〜2人にあると言われており、多くの場合はそのまま軽快します。
<発症年齢>
チック症の発症年齢は18歳以下とされますが、4〜11歳で発症することが多く、特に7歳前後に最もよく認められます。多くの場合は成人するまでに改善・消失すると言われていますが、大人になっても症状が持続したり、再発する場合もあります。しかしチックを引き起こす緊張状態や不安を軽減することで、症状が和らぐ場合があります。
※ 「チック」が4週間以上持続するものを「チック症」と言います。
<症状>
発声や言語の特徴による「音声チック」と、顔や手足が動く「運動チック」に分けられます。さらにその動作の持続時間によって、単純性チックと複雑性チックに分類されます。
☆動作の種類
・音声チック
症状としては咳払いがもっとも多くみられます。他には、「あっ」「うっ」といった単純な音声や、特定の言葉を繰り返す複雑な発声、汚言、卑猥な言葉などがあります。
咳払いは日常よくみられるものであるため、周囲の人もさほど気にかけないことが多いですが一方で、「あー」といった甲高い奇声や汚言は、周囲の注目をより集めやすい症状となります。
・運動チック
運動チックとは一見すると癖に見える、瞬きや肩すくめなどの身体の動きのことを言います。
例えば瞬きは日常動作でみられるものであり、多少瞬きが多くても周囲の人間はあまり気にしません。しかし顔や肩の動きといった目立ちやすいチックでは、周囲も本人も気にしやすいと言えるでしょう。また、手のチックなどでは字を書くのが困難になるなど、日常生活に支障をきたすことがあります。
☆動作の持続時間
・単純チック
一般に瞬間的(1秒未満のことが多い)に発生し、明らかに無意味かつ突然起こるものです。
・複雑チック
単純チックに比べて動きが少し遅く、意味があったり周囲の環境に反応しておこるように見えるものです。
<トゥレット症との違い>
突然ですが皆さんトゥレット症って聞いた事ありますか!?これはチックと中身が被っているものですが、チックの派生系というか、チック症の期間が長いものを言います。トゥレット症についても書いていたら物凄い長文になるのでまた次回にします💦
<原因>
チック症の原因は厳密には特定されていませんが、最近の研究ではドーパミンの働きが偏ることによってチックが起こると想定されています。
ストレスや不安を感じる出来事がチック症状の直接の原因とはいえませんが、その状況の後にチック症状が出たり、症状の悪化や長期化などを引き起こすこともあります。
<チックの分類>
・暫定的チック症:運動チックまたは音声チックがみられるが、持続期間が1年以内の場合
・持続性チック症(慢性チック症):運動チックまたは音声チックの一方だけが1年以上みられる場合
・トゥレット症:運動チックと音声チックの両方が1年以上みられる場合
<性差と統計>
男女比は3:1で男子に多く、一時的に出現する軽い症状も含めると子どもの10~24%で見られるという統計もあり、決して珍しい症状ではありません。
毎回自分語りで申し訳ないのですが、かく言うぼくも小6~中1の終わりくらいまでチックありました!
ぼくは意図せず首を左右に振ってしまうというもので、これは本当に自分の意思で止める事はできず周りからは「首振り!」「カラクリ!」等と言われていました。幸か不幸か、ぼくの場合は多動・衝動優勢のADHDでもあったため、その場で喧嘩になり血で手を染めていたので不登校とかイジメの対象にはなりませんでした☠️
<治療法>
心理的ストレスがはっきりとしている場合のチック
それを取り除きます。単純な動作のチックでは1年以内に消失することが多いので、チックをやめるように注意や叱責しない事、緊張状態や不安を和らげる事、子供に寄り添った声掛けをする事、周囲に理解を求める事などで大半は治ります。ぼくも約1年くらいで自然と治りました。学校の先生達も見て見ぬふりだったので、それが良かったのかもしれません。
治療が必要となる場合のチック
その症状により社会生活上、著しい制限が生じる場合です。つまりチックで本人が困る場合です。カウンセリングや薬物(漢方や安定剤)が必要になることもあります。逆に生活に支障を来たさないチック(家族が気にしているだけ)は治療の対象にはなりません。
<眼科で出来る事>
常勤先の小さなクリニックでも比較的多くの保護者の方から「瞬きが多くてチックかもしれない」との相談を受けて受診されるケースがあります。ぼくの施設だけかもしれませんが、本当に多いです。それこそ2ヶ月に1人くらいは来院されます。それだけ保護者の方にとってチックは周知された物なのかもしれません。
そこで眼科で出来る事と言えば、発症年齢や持続期間を知っておく事で本当にチックなのか、例えば睫毛内反によるSPK等の一時的な物なのか判別できるかと考えています。比較的低年齢でも発症する物ですので、当院ではドクターがSPKの有無や内反の程度で判断しておりますが、カルテにいつから発症したか、その期間はどらくらいか等知り得た情報は記載しておくと診断の助けになると考えています。
今回は視能学ではサラッと書かれただけのチックを深掘りしてみました!本当に恥ずかしながらチックの中身を知ったのはここ数年の事です💦
中学生の頃に自分でも止められない謎の首振りを経験していて、それがチックだったのか!って個人的に妙に思い入れのある症状なのです😂
次回は関連するトゥレット症について書きたいと思います!
ではまた👻
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