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ビショントレーニング(セラピー)ガチ考察①

<概要>

⚠️今回は文献からの引用と要約が長いです!お時間がある時にお読み下さい!⚠️

ビジョントレーニングとは「見る」機能を高めるためのトレーニングを指します。文字を書くときにマス目からはみ出してしまう、本を読むときに読み飛ばしてしまうなどの場合「見る機能」に困難を抱えている可能性があります。
ここで言う「見る機能」とは主に「視知覚」と言われるもので、眼科用語と言うよりは心理用語なのかなと解釈しています。
ビジョントレーニングは1970年代にアメリカのオプトメトリストによってその歴史が始まった様ですが、オプトメトリストは眼鏡やCL処方だけでなく、日本で言う所の視能訓練士業務も行い、それぞれの専攻の様な物もあります。それ故かなり細分化されている印象です。その中でも小児の発達や心理を専門にされている方々によって発展したのかなと推測しています。

この辺の細かなオプトメトリストの職種や制度、視知覚についての説明や訓練方法、その他にも視覚にまつわる発達障害に関しての入門編としては下記の本が内容的にもソフト且つ廉価でオススメです。


発達障害の子どもの視知覚認識問題への対処法


さて、前置きが長くなりましたがビジョントレーニングにはアスリート向けのスポーツビジョンと言う観点と、発達障害児向けの訓練という観点の2つありますが、今回は勿論、発達障害児向けの方に着目してみたいと思います!

<視知覚訓練の7要素>

・眼球運動のトレーニング
・図地分別のトレーニング
・形の認識のトレーニング
・形の恒常性のトレーニング
・空間認知能力のトレーニング
・目と手の協応のトレーニング
・視覚ワーキングメモリーのトレーニング

ぼくが某民間ビジョントレーニング団体で実際に無料で受けた講習ではザックリこの7つから構成されている印象でした。無料なのでかなり大まかな紹介でしたので、実際はもっと多いのかもしれません💦
それぞれの詳細についてはまた改めて記載します🧐

<ビジョントレーニングは何故必要?>

奥村智人「LD児にみられる視覚認知障害とは」

日本ロービジョン学会学術総会プログラム・抄録集,2009



これによると、視覚認知に障害があると、失認や失読、見え方の変化などの症状が現れますが、それをみつけにくい問題が指摘されています。本人が症状に気が付いてないかったり、認めないこともよくあるそうです。視覚認知能力はまだわからないことが多いのが現状とされています。漢字、図形、地図学習の困難、絵を描くのが苦手などの形態・空間認知(視覚認知)の問題が見られることも多く、目と手の協応(運筆が苦手、キャッチボールがうまくできない)などの問題も存在し、LD児を含む様々な発達障害児では、このように「基本的視機能」と「視覚認知」の問題を鑑別し、適正な治療やリハビリテーションを行う必要があるとされています。



また、視覚認知における形態の分析と構成の弱さから漢字の書字に困難を抱える子どもに対し、漢字の偏や旁など構成要素をとらえる課題や、部首や漢字の意味や成り立ちを理解する課題をパズルやビンゴなどのゲーム形式で取り組む指導、子どもが指導者と一緒に漢字の覚え方を考案してかるたを作るといった活動を行い、正答率の上昇と自己効力感の促進が認められた報告もあります。

勝二博亮

「認知特性と書字エラーに基づいた書字困難児への漢字書字指導」2021



更にLD児だけでなくADHD児に対しても視知覚発達検査の結果書き写す学習の困難さが予想された児で、継次処理よりも同時処理が優位な可能性が考えられていた児に対し、いくつかの学習方法を実施し比較した結果「漢字九九カード」と「漢字欠損カード」を組み合わせた学習方法がもっとも高い正答率だったそうです。これは、『空間認知の弱さから全体をとらえることは難しくても、パーツに分け視覚刺激を減らすことで覚えることができるようになったこと。加えて短期記憶は苦手だがストーリー性をもたせ意味づけをすることで記憶を助けることができたこと。』による結果であると考察されています。この方法で漢字を学習し、合わせてフロスティッグ視知覚学習ブックに準じたトレーニングドリルを行うことにしたそうです。その結果、漢字の学習がスムーズに進み、情緒障害学級の担任に指導の様子を参観してもらった上で、指導方法と教材を引き継ぎ、教育相談を終了したとあります。

「LD児への視覚認知支援の具体例」菅原素子

日本ロービジョン学会学術総会プログラム・抄録集,2009




⚠️ここにある「フロスティッグ視知覚学習」とは4歳〜7歳11カ月の子どもを対象として視知覚上の問題点を発見し、適切な訓練を行うための検査です。
この検査では5つの視知覚技能(視覚と運動の協応、図形と素地、形の恒常性、空間における位置、空間関係)を測定します。

…そう!先程の実際に受けた無料講習はこのフロスティッグ視知覚学習を元に作られていた様です!

<今回のまとめ>

眼科との関連まで書いてたら無茶苦茶に長くなりそうなので、ここで一旦締めたいと思います🙇‍♂️
ここまで見るとビジョントレーニングにはLD児やADHD児には一定の効果があると見込めます。
さて、

それをどう眼科領域に落とし込んでいくのか、またそれが可能なのか

以上を次回は考察してみます。
今回は文献の引用ばかりで面白くなくて申し訳ありません😭
次回は自分なりの考えを書いていく予定ですので是非またお付き合い下さいませ!
ではまた👻

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