3月30日(火)

    対面形式の会社説明会があり朝から東京へ行く。時間が余ったので30分ほど川沿いのベンチに座り『日本書紀』現代語訳 下巻を壬申の乱まで読む。東京のなかでもそこらへんは特に好きになれない街並みで、風景はほとんど見ないまま歩いたり立ち止まったりした。
    会社説明会では、社長が延々と喋る。配られたパンフレットの項目の内容を一つ一つクソ真面目に喋るが、そのほとんどがそのパンフレットを読めばわかる内容である。私が聴いていた業種とは違う。そしてありがたいことに、仕事内容のみならず就活生の身の振り方みたいなことまで延々と喋る。内容はあるように見せかけてスッカスカで根拠の不明な外聞を頼りにした能書きであり、まるで自分の文章を読んでいるかのようで嫌になる。それが就活生の時間を奪っていること知るべきだ。メモを取っているフリをしてずっと落書きをしていた。
    アンケート用紙の「当社の選考を希望するか」の欄には「はい」とする。「パンフレットの内容一つ一つを丁寧に説明してくださり、とても有意義な時間を過ごすことができました」とも書く。
    その後昼飯を食べようとするがどこも1000円を超すところばかりで、安上がりなのは地元にもあるチェーン店だけだった。仕方なくサラリーマンの並ぶ安い天丼屋チェーン店に入り600円分食べる。とにかく不味い。塩味のきいた濡れ雑巾を食べてるみたいだった。
    それにより完全に気力が殺がれたのでもう帰る。返りに地元のショッピングモールでドーナツを買う。そのショッピングモールに入っている本屋はなぜか漫画雑誌が開いていることが昔から多くあるのでよく行ってみるが、今月の『ガンガン』は輪ゴムで閉じられていたため、側面を歪ませて隙間からヨシノサツキ『18』の最新話を読もうとする。
    帰ってきたら本が届いていた。小川哲『ユートロニカのこちら側』ハヤカワ文庫JAと、阿部和重・伊坂幸太郎『キャプテンサンダーボルト』新装版 新潮文庫nex。2時間ほど寝た後『日本書紀』読了。時間をかけすぎた。次は野崎まど『パーフェクトフレンド』新装版 メディアワークス文庫。110ページ読んで次の日の朝に寝る。

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