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私の好きなもの①落語

noteに投稿する内容がいつもジメジメとしているので、たまには明るい内容にしたい。
ただひたすら落語について書く。

何かキッカケがあったわけでもなく、ある時ふと落語を聴きにいこうと思い立った。
どれがいいとか、誰がいいとか何にもわからなかったのでとりあえず一番公演日が近いチケットを買った。
結果大ハマり。
噺の舞台がまんま目の前で起きているかのように登場人物が鮮やかに動き、景色が流れていく。
これをたった一人で描いているのだ。
合間合間に挟まるメタ的要素もたまらない。
(私は作中でのメタ発言やクロスオーバー、スター・システムが結構好きだったりする)
落語家さんによっては江戸時代に突然未来の文明機器が出てきたりして、そのチグハグ感が面白くて笑ってしまう。
同じ話なのに、話し方や登場人物に様々な個性が現れて物語を進めていく。
演劇でも日程ごとに様々な小ネタやアドリブが挟まることがあり、「今日は何を言うかな」と複数公演通うときのお楽しみ要素の一つだったりするが、落語はその規模デカい版。古典Remix。
何度寄席に通っても「この噺を〇〇さんがしたらどうなるんだろう」となり、また次の寄席に行く。この繰り返し。
落語家や披露するシチュエーションによって、違った味わいを何度も得られるのだ。最高のスルメ。

昔の話を楽しめるかなという不安がある人、万が一、古典落語が楽しめなかったら創作落語があるぞ。創作落語は基本的に舞台が現代なので、話もスルッと入ってきやすい。
落語家さんが好きな作品のキャラクター達が登場人物として出てくる古典落語パロディもあったりして、その作品のファンや見たことがある人はニヤッとしてしまうようなのもある。
まぁ古典聞いてダメだったけど創作ならとなる人はそう多くはないかもしれないが、そういうのもあるよという話。

客層はほぼジジババだが、最近は若い人も増えたように感じる。ジャンプで連載しているあかね噺?の影響なのかなんなのか。
落語に高い敷居もなければ、特有の界隈ルールもない。映画館での鑑賞ルールを守れれば十分だし、面白かったら笑って、拍手するべきところでは大きな拍手を送るだけ!
しかもチケット料金も有名な人の公演でも高くて4000円ほど、平均3000円前後で超オトク。

ただひとつだけ悪い部分を挙げるとするならば場所によってはヤジが飛ばすような、ちょっとアクの強い客がたまーにいるところだろうか。
そういうの気になるけど聴いてみたいよ〜って人はまず配信(落語 配信とかで検索すればゴロゴロ出てくる)、現地で聴くならば芸人が入れ替わり立ち替わりで出演する演芸場よりはそこそこの規模のホールで開催される寄席に行くといいかも知れない。
迷惑になり得るような行為を肯定・推奨するつもりは全くとして無く、私自身も全員のマナーが守られた状態で鑑賞したいが、そういった部分も含め江戸から続いてきた大衆芸能でもある。
だからマナーの悪い客がいても我慢すべきという意味ではなく、そういう場合は劇場スタッフさんに声をかけて対処してもらおう。


最後に私が特に好きな落語家さんを紹介する。

柳家喬太郎さん

(一社)落語協会HPより

古典から創作までこなす愛嬌とユーモアたっぷりのお茶目おじさん。もうすぐ誕生日(11/30)で還暦を迎えます、おめでとうございます。
特撮好きで、特にウルトラマンがめっっっちゃ好き。ウルトラマンを絡めた噺があるので、ウルトラマン好きにおすすめ。
前、高座中にウルトラマンの話を始めて止まらなくなり「違うの!」「聞いて!」と叫んで突っ伏すオタク所作をしていた。
噺も面白おかしく喋りつつ、緩急がハッキリしていている印象。落語初めての人でも楽しめると思う、なぜなら私がそうだった。
寄席文字をかけるようで、この記事のヘッダーにしている演目表は喬太郎さん作らしい。

桃月庵白酒さん

桃月庵白酒公式ウェブサイトより

朗らかな顔で滑らかに喋り倒すおじさん。
この人の死神をCDで聴いた時は思わず「すげー!」と声が出てしまった。
ヌルッと面白いことを言うので油断ならない(?)
ダ・ヴィンチ・恐山が好きな人、多分好き。
落語家が声通るのは当たり前だけど、この方の声は本当に明朗でよく通る。そしていい声。
間の取り方が上手で、激しい掛け合いが続いても聴きやすい。

柳亭小痴楽さん

(公社)落語芸術協会HPより

変顔をよくするダミ声お茶目ニキ。
江戸前でテンポのいい喋り口は、喧嘩っ早く威勢のいい男達がドタバタを繰り広げるような噺が良く似合う。持ちネタであるのか知らないけど、いつかこの人の百川が聴きたい。
ヤバい寝坊癖で破門されたことがある。

ほかに柳家権太楼さんや三遊亭歌武蔵さんも紹介したいのだが、この記事が2000字近くなってきているのでまた別で書きたい。このお二人もダイナミックな喋りで聴いていて非常に楽しい。
鬼籍に入られてしまっているが、桂枝雀さんや上で紹介した柳亭小痴楽さんの実父である柳亭痴楽さんについても別で語ろうと思う。

ここまで長々と語った最後の締めとしてはつまらない言葉になるが、少しでも落語に興味持ってくれる人が増えるのと、落語がいつまでも廃れず続くことを願ってやまない。
みんな、落語を聞きに行こう!

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