#117: こんなときだから♪リスト〜タランチュラの呪いのダンス「タランテラ」
リスト:『巡礼:ヴェネツィアとナポリ』より「タランテラ」(1861)
#113 -119のテーマは「鍵盤の上を駆け巡る!?ーピアノが奏でる虫の世界」
「タランテラ」はイタリア・ナポリを発祥とする舞曲です。
子供の頃,「毒蜘蛛のタランチュラに噛まれると、その毒を抜くために踊り続けなければならないとする話から付けられたという説がある」と,目にした時,「え,逆にすぐに毒が全身に廻りそうじゃない?」と思ったのですが,「その毒の苦しさゆえに踊り狂って死に、それを表現したという説もある」と,いう解説も見て,苦しさにもがく姿をダンスにした,というなんともヨーロッパらしい発想なんだな,と思いました。
実際,タンバリンを激しく打ち鳴らし,それにあわせて激しいステップを踏みながら,笑顔で踊り続けなければならない,という鬼の様なタランテラがバレエにも登場します(「白鳥の湖」など)。
作曲家もこの逸話と形式に触発され,名曲を残しています。
本日はフランツ・リスト(1811-1886)による「タランテラ」をお送りします。
タランテラの特徴である6/8のリズムに乗せて演奏されるリストらしい超絶技巧満載の煌びやかな楽曲であり,指の動きが見えないほど鍵盤の上を躍り狂います。
この難曲を,涼しげな顔で演奏する貴公子,エフゲニー・キーシンの演奏でお楽しみください。
決して苦しい表情を見せずに,簡単に聞こえる様に演奏しなければならない,というのもタランチュラの呪いだったらりして……😱と妄想してしまうほど,サラッと演奏してしまうキーシン。恐ろしや!!
今日もみなさんにとって,素敵な一日でありますように!
いいなと思ったら応援しよう!
最後までお読みいただきありがとうございます。サポートは取材費として活用させていただきます。