#13: こんなときだから♪ラフマニノフ
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第2番 第3楽章
#08 -14のテーマは「別れと出発」
このラフマニノフのピアノ協奏曲第2番,もう説明不要と思われるほど有名な作品となりましたよね。
「のだめカンタービレ」での千秋先輩の演奏,浅田真央選手のソチオリンピックの感動的なフリーの演技などなど,スポーツやアニメなどにも浸透し,一気にお茶の間に広がったような気がします。
そんなラフマニノフのピアノ協奏曲第2番ですが,この作品,ラフマニノフにとって,作曲家生命がかかったといいますか,再起をかけた渾身の一曲だったのです。
ラフマニノフ(1873-1943)はロシアの作曲家・ピアニストです。
1891年,18歳でモスクワ音楽院ピアノ科を大金メダル(首席)で卒業し,彼の音楽家としての人生は約束されたようなものでした。
しかし,その6年後の1897年,大きな挫折が彼を待っていました。初演された交響曲第1番が評論家たちから酷評されたのです(記録的な大失敗だったとのこと!)。この事件はラフマニノフを失意のどん底に突き落とします。周囲が精神科医の元で治療をすすめるほどでした。
治療から1年以上が経過したのち,ようやく彼は曲を完成させます。それが,このピアノ協奏曲第2番でした。
1900年にラフマニノフのピアノで初演され,大成功をおさめました。これによって,ラフマニノフの音楽家としての地位を不動にしたと言われています。
まさに,再起をかけた復活の1曲。挫折を味わったからこそ生まれた名曲にとても勇気づけられます。「失敗してもあきらめなければ,リスタートできる。そのチャンスは必ずくる!」とラフマニノフのメッセージが聞こえてくるようで,曲が終わりに近づくと,千秋先輩ではないですが「終わらないでくれ!」と毎回思います。
チャンスは必ずくるー。忘れないように,この曲を聴き続けようと思います。
今日もみなさんにとって,素敵な一日でありますように!