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シナリオライターになりたい

今から5年前。
駆け出しライターだった私は、「スマホ1台」で執筆活動をしていた。
今と比べて、書くスピードが遅かったし、請け負っていた記事と言えば1000文字~1500文字程度の軽めな案件。
スマホのフリック入力で、小さな画面を見ながら書いていても、特に不都合を感じたことは無かった。

そして、それから3年くらいは「スマホ+Bluetoothキーボード」の組み合わせで、4000文字くらいのシナリオを書いていた。
ディレクションもした。
「井の中の蛙」の極みである。

スマホに頼りきりだった私は、まだパソコンに手が届かなかったことの言い訳として「スマホでも執筆できるし!」と、言い張っていた。
今考えたら盛大な負け惜しみだが、当時は本当にそう思っていたのだから、ちょっと怖い。
もちろん、パソコンのほうが画面が大きくて便利だってことは、めっちゃわかったものの、それでも「スマホでいける」と思っていた。
もちろん、そんなわけはなかった。

あれから5年。
ノートパソコンにモニタを接続して、デュアルディスプレイ仕様にすることを知ってしまった今の私は、前ほどスマホに触らなくなった。
「パソコンて、便利だよね」と味を占めてしまったから。
世の中にとっての「あたり前」に、ようやく追いついたのだ。

今になると、その頃の自分の発言がとんでもなく恥ずかしい。
「パソコンを買う余裕が無かったんだよ」と、今なら言えるけど、当時はそれを口に出せなかった。
パソコンが便利なのは事実だって、認めておいた方が良かったよね。
それは事実なんだから。

最近、シナリオの勉強を始めた。
すると、シナリオの世界では原稿用紙で全体ボリュームを換算するのだと知った。
20文字×20行、原稿用紙サイズのWord文書の書式。
これがあたり前。

また、シナリオというのは書き方にいろいろな決まりごとがある。
今まで、私は数多くシナリオを書いてきたけど、そのような決まりごとをちゃんと学んだことがなかった。
いや、無意識に避けていたのだと思う。

「我流でもやれる」「シナリオは書ける」そう、言い張りたかったから。
でも、やっぱり違う。
あたり前を知る、業界の常識を知るというのは、大事なことだ。
それらを知って、ようやく「シナリオライター」としてのスタートラインに立てるのだ、と思う。


世界を知りたければ、学ぶしかない。
井の中を飛び出して、私は大海を目指したい。

これまで、6年くらい独学でシナリオを書いてきたけれど。
YouTubeシナリオライターとして、案件を獲得してきたけれど。
人からは「プロじゃない」と言われてきた。
事実、私には「私の作品」と呼べるものがない。
YouTubeシナリオは、著作権譲渡が基本で、成果物である「シナリオ」はすべてクライアントのものになる。

プロになりたい。
「私の作品」と呼べるものを残したい。
そのために、一から学び直そうと決めた。
プロになるんだと決めた。
そのための努力を、惜しまないと決めた。

4000文字以上のシナリオを、これまでのライター活動の中で500本以上は書いている。
大丈夫、やれる。

今だって「シナリオライター」と名乗ってはいるけど、我ながら「これでいいのか」と思ってしまう。そんな自分を変えたい。
私は、シナリオライターになる。
絶対にだ。

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