さくらの織り機ができるまで
さくらの織り機はおりつむぐオリジナル第2弾の織り機です。
織り機(大)よりもより限られたスペースで使えて、誰にでも始めやすい織り機をと思い企画し、2022年に最初の型が作られました。
今回はさくらの織り機の誕生秘話をお話しします。
最初の試作は泣く泣くボツに。。。
さくらの織り機は、織り機(大)と同じく愛媛県内子町の木工職人さん、工房FALCONさんにご依頼しました。
織り機(大)は年に1回しか販売できないのに対して、通年販売できて、初心者さんにも使いやすく、ワークショップでも使える織り機が欲しいと考えていました。
簡単なイメージと大きさ、織り機が必要な強度についてお伝えしてサンプルを作っていただきました。最初にできたのがこちら
軽くて持ち運びしやすいようにとヒノキの材を使用してくださり、釘やネジを使わずに組み立てられています。織り機(大)と同じように、角は全て手作業でR加工して下さっています!
要望通りに作ってくださったのですが、実際に使ってみると難点がいくつか見つかりました。
軽すぎて織るときの安定感に欠ける
織り機(大)と比べたときの重厚感に差がありすぎる
バッグに入れたりサッと仕舞うには少し大きい
うえぽんと二人で頭を抱えて悩んだのですが、妥協はできないと泣く泣く作り直してもらうことになりました。
FALCONさんには申し訳ないですが、本当に「いい!」と思ったものを広めていきたいので、本製作に入る前にもう一回サンプルを作っていただくことにしました。
理想の材が見つかる
最初の試作を経て改善点は
大きさの見直し
構造の見直し
木材の見直し
の3点でした。
まず大きさについては、ご自宅のリビングでもテーブルに広げやすく、バッグにも入れやすいA4程度の大きさにしました。
構造はより薄く見た目をすっきりさせるために、目立たず木材にも負担をかけすぎない細いビスを使って組み立てることにしました。
最後に木材については、工房FALCONさんが桜の古材を見つけて来て下さり、これを使うことになりました。
もともと家屋に使われていた古材だそうで、十分な硬さと美しい色艶があります。暖色系の優しい色味で、まさにおりつむぐの織り機に理想の材でした。
古材なので所々に釘が付いています。新たに作り替えられる部分を見極めながら製材していきます。本当に職人さんには頭が上がりません。
おりつむぐは手でものを作ることにこだわってものづくりをしています。手で作ることは時間と手間がかかるけれど、機械には生み出せないものを作ることができます。
それと同時に地球にある資源を大切にしていきたいと考えています。新たに生み出さなくても十分に素敵で価値のある資源がたくさんあります。この木材も燃やされる前に新たな活用法が生み出せて本当に良かったなと思っています。(だってこんなに綺麗な木目と主張のある存在感なんだから。)
さくらの織り機が完成!
こうして、おりつむぐオリジナルのさくらの織り機が完成しました。
織り機(大)の完成を見た時もそうでしたが、とにかくスリスリと木肌をずっと触っていたくなる、本当に美しい存在感です^^
最初の試作ではなかった、金色のビスを打ち込んでもらい、薄くても十分な強度に仕上げました。おりつむぐのロゴもきちんと入っています。
こちらは別の内子町の職人さんに作っていただいた織り針です。材は違うもののこれも桜でできており、カットから穴あけ、やすりまで全て手作業で作られています。すぐに使い始められるようにさくらの織り機に1本つけることにしました。
2022年のうちに何人もの方のもとへと届けることができましたが、今後もおりつむぐの定番商品として販売を続けていきたいと思っています。
さくらの織り機について詳しくはこちら
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