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男社会(加点評価社会)の敗北者

男性というのは社会から、「何を達成したか」「どんな実績があるか」で評価される。

これは一定「平等」なように思える。
女性が若いうちはある意味「平等」にちやほやされるのに対して、何も成し遂げていない男性は「平等」にちやほやされない。

もしも歳を取るにつれ、仕事内容なり人間関係なりで価値を積み上げられれば、この問題は解消される。すなわち成果を積み上げ、一定の人望を得て、世間から認められるのである。

問題なのは、勝ち組と負け組が二極化する社会において、「積み上げられない側」の人間が急増していることにある。 
極端な話、「積み上げられらなかった」男性は、一生他者から尊敬されることもないし、社会から認められることもない。
SNSで例えると、フォロワー0の状態がずっと続くことになる。

近年急速に人気を伸ばしているVtuberなどに投げ銭(動画投稿者に対して、カンパできる仕組み)をする行為も、普段誰からも見向きもされない男性が、お金を払う事で誰かに認知してもらえる。
たとえ一瞬でも自分に注目されているという初めての感覚に囚われているのである。

恋愛市場・婚活市場においても、彼らが圧倒的に弱者なのは変わらない。
女性は基本的に上昇婚志向(優秀な男性に人気が集中する)があるので、底辺男性は見向きもされない。
勿論、これは女性を責めている訳ではない。
女性の社会進出が進み、独身でも生きていける時代では、わざわざ好んで弱者男性をパートナーにする必要などないのだから。

よくある女性弱者のエッセイ(○○な持病・疾患があります系)では、しれっと理解のある彼くん(主人公を支えてくれるパートナー)が現れる。
しかし、男性弱者の脚本には理解のある彼女ちゃんは滅多に存在しない。
理由は簡単だ。若い女性の市場価値は、少しくらい持病を補って余るほど存在する。
源泉となるのはおそらく市場に存在する男性側の性欲なのだろうが、女性は生まれ持った性的資本をもって、多少のハンディキャップを埋め合わせることが出来る。

すなわち、(それが望ましいかは別として)性的資本はある意味、女性のセーフティネットとして機能しているのである。

対して男性は若いからといって(歳を取れば言わずもがな)女性からモテる訳ではないし、それを埋め合わせる何かがあるわけでもない。
モテる男性の要素として、顔がいい、頭(学歴)がいい、金を持っている、スタイル(高身長)などがあるが、これらを持っている男性はハナから勝ち組サイドにいるため、「積み上げられなかった」男性がこれらを持っていることは稀である。
とすると、更に若さすら日々失っていく彼らが何を持って社会に認められ、異性に好かれることができるのか、残念ながら私も明確な答えを出すことができない。

今のところ、彼らに残された道は2つである。
1つは、仕事などで多大な努力の末、結果を出すこと。もう若さは戻ってこないが、有り余る金で少しは周りに人が集まってくるだろう。
後は金を愛情に変換してもらえばいい。

もう1つは、そのまま燻り続け、高齢になることである。
そうすれば、高齢者福祉の恩恵に預かれる。
日本は高齢者に極めて優しい国である。
年上を敬うという考えは未だ根強いし、とりあえず歳さえ重ねれば
少なくとも「支える力もないのに社会を支える側の存在」から「支える力はないでしょうから社会がお支えする存在」という立場に変わる。

どのみち、本人の心境は押して図るべしである。

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