読書メモ「社会正義のキャリア支援」_2
読書会第2回です。
今回は「第1章 欧州キャリアガイダンス論」でした。
●欧州キャリアガイダンス論の始祖ワッツ
理論家のワッツは、アメリカのキャリアカウンセリング理論の大家スーパーと肩を並べる人だということです。「ワッツィアン」と呼ばれる人がいるほどに影響を与えた人とは知りませんでした。
ワッツが強調するように、キャリアは個人の問題だけでなく、社会の問題が大きく投影されているということを改めて考えました。そのため、個人の背景にある組織、社会といったところにも目を向けて支援することの重要性を実感しました。
●社会正義の3つの捉え方
「応報的正義」「分配的正義」「承認的正義」という社会正義の3つの捉え方の話は印象に残りました。「応報的正義ー頑張った人は頑張った分だけ報われる」と「分配的正義ー多く持っている人は、少ししかもっていない人に分け与える」の2つは、私自身日常的にそのような考え方で物事を捉えていることが多いと感じました。特に「応報的正義」には強い共感を覚えているし、それが行動にもつながっている感じがします。「分配的正義」の話から、企業のCSR活動のお話が出ました。非常に興味深いお話でした。
最後の「承認的正義ー少数派の存在を認め、声を聴く」はこれまであまり自分自身気づいていなかったことだと感じました。ナラティブセラピーの考え方の根底にも共通するものが流れていると感じます。まだ慣れていない新しいグループに入っていく時の事例はとてもわかりやすく、子供の頃の転校体験と結びつきました。
●フーリーの5つの問い
個人的にはこの5つの問いについて、考え続けていきたいと感じています。
仲間と共に読み進めることでより深まります。続きが楽しみです。