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織襲戦争#0 せめてもの償い

語り手 おりおりドンキー

おり桐戦争が終結してもう5日が立つ。
いまだに、戦争の傷は癒えない。
全国各地に、悲劇を残していくだけだった。
だが、やらなければならない。
おりおりたちも、桐野江組達も。
自分を。仲間を守るために。

おりおりたちは、アンダーシティの修復を手伝っていた。
そんな時だった。

「なにぃ?!バカ課題さんが生きているってぇ?!」

なんと、あの後姿を消したバカ課題は、近くの半グレ組織に拾われ、首の皮一枚つながったらしい。*1
しかし、そのあと彼女が解放されることはなく、今も暗い地下牢で拘束されつづけているらしい。
桐野江組やアンダーポリスたちには迷惑をかけた。せめて自分たちが助けに行かなければ。
おりおりドンキーは決意した。
さっそく佐藤を呼びに行った。
おりおり「おーい!佐藤!」
佐藤「お!おりおりじゃねぇか。どうしたんだ?」
おりおり「バカ課題さんがいきているらしい。」
佐藤「何?!」
おりおり「だからさ、助けに行こうよ。」
佐藤「でも大丈夫か?こんな戦力で。」
確かに怪しかった。
バナナキラー率いるロオコポ軍団はあれから「ばななのすばらしさを広めるためのバナナランドを作る」と言って遠くに旅立ってしまい、
電気自動車は赤も紫も消失したので、実質今頼りになる戦力は覚醒おりおりとシェフだけであった。

しかもおりおりが覚醒を使うには限られた条件が必要だ。
さらにさらに、シェフは今レストランおりおりの繫忙期らしく、営業で忙しすぎてほかのことに手が回らなかったのだ。
おりおり「…。」
佐藤「…。」

おりおり「もうこのまま乗り込むしかないな…」
佐藤「そうと決まったら行くぞ!」

半ぐれ組織についた。
そこには複数の見回りが立っている。
今回の標的は極道ではないので、舎弟とはまた違うだろう。
その時、一人の見回りがおりおりたちに気づく。
見回り「おい!なんか変な奴らいまっせ。ボコします?」
見回り2「ああ?ここ何かわかってんのかぁ?あの天下無双の逆悪襲の支部だぞゴラァ」
おりおり「そんなの関係ない」
佐藤「ぐさぐさぐさぐさ!しゃぁ!」
「ごぶぅ!」

見回り半グレ達が倒れていく。
おりおり「全然弱かったな…」
佐藤「さあ、奥に進むぞ。」
そこには…
???「お前ら、こっから先は通さん!」
そこには…
ロングナイフを右手に持った、白髪の男性が立っていた。
おりおり「お前は?!誰だ!」
???「お前らなんかに言うかよバーカ!」

シュン!

そして男は視界から消えた。
次にその気配を察知したとき、男はすでに後ろに回っていた。
???「おそい!遅すぎるぞ!!」
???「もらったああああああ!!!」
佐藤「がはああああ!!!」
佐藤は、背中を右下から左上まで大きく割かれ、動けなくなっていた。
おりおり「うおおおおおおお!!!」
おりおりは男に殴りかかる。
しかし男は容易によけてしまった。
もうこうなったら。

第一回パンタイン戦*2でも使った、あの方法を使うしかない。

肉を切らせて骨を断つ作戦だ。

おりおり「うおおおおおお!かかってこおおおおおおおおい!!!」
白髪の男「さあ、しねぇぇぇぇぇぇぇいいい!」

ざく
おりおりは、右肩を貫通された。
肩に力を入れナイフを抜けなくし、隙を作る。
おりおり「もぉらった」
おりおりはハサミを横に薙ぐ。
しかし…!

白髪の男「それも予測済みィッ!!」

男はロングナイフから手を放し、驚異的なバックステップを見せる。
おりおり「なぁっ!」(この男…バケモノすぎる…!)

男はすぐに予備のナイフを取り出す。

白髪の男「もらったああああああああああああああ!!!!!!!!」

ジィヤシイイン!!!!!!

おりおり「ごばぁああ!」
おりおりは腹を横に裂かれた。
おりおりは、その場に倒れた。

もう終わったかと思った。しかし!

???「お前なぁにやってんのぉ?」

白髪の男「お前は!!誰だ!」

ひゅう…でん!!

そこに立っていたのは…

この間の戦争の一番対象である星野だった。

星野「おまぇ金玉スムージーにしまああああああああす!!!」

星野は、なぜかいつも戦いの前にこう宣言する。
白髪「いきなり星野かぁ…でもまぁこの僕に当たるなんでツイてないねぇ。」

星野「うるせぇ… すぐぶっ殺すからぁ」

白髪「うおおおおおおおおおおおお死ねええええええええ!!!!」
白髪の男は星野に向かってナイフを構え、突進する。

ザク!!

ナイフが刺さり、仰向けに倒れた。

白髪の男が。

星野は、すぐにその場を去る。
なぜ星野が助けにやってきたかはわからない。
だが、もう二度と星野と会うことはないだろう。

おりおりと佐藤は、ボロボロの体を動かし、施設の奥に進んでいく。
いくつかある扉の中から、何やらうめき声が聞こえてくる。
おりおり「まさか!お~い!」
佐藤「おりゃああ!」

バァン!
佐藤の全力の体当たりは、アルミニウムかなんかでできた軽い扉を吹き飛ばした。

だが、佐藤は歩けくなった。
佐藤は倒れる。
おりおりは、佐藤に駆け寄る。だが
佐藤「早くいけ!増援が来る前に!」
おりおり「分った!」

奥では、バカ課題が何やら鉄でできた拘束具で手と足を拘束されていた。
しかしバカ課題を拘束する拘束具は固く、なかなかに外れなかった。

おりおり「ぐおおおおおおおおおおおおおお!」

ばりぃい!

なんとか、バカ課題と天井を結んでいた鎖を破壊。
その時だった。

外が何やら騒がしい。
なんと、逆悪襲の増援が建物の外に到着したらしい。

おりおりは、ボロボロの体で拘束されたままのバカ課題と佐藤を背負い、その建物の裏口から逃げ出した。

数日後。
赤い電気自動車を修復し、紫の電気自動車を廃棄した佐藤は、いまだに拘束されたままのバカ課題の金属について調査を開始する。

佐藤「この金属は…!オリオリウムじゃないか! 作った人が死なない限り破壊はできない!」
バカ課題は、戦力にはならないようだ。

さらに…!

おりおり王国。
国王「ない…バナナが…ない!」
国王が桐野江組への和解金を支払うため、金庫を開ける。そこには…

バナナは。一つもなかった。

さらに、そこには一つの置手紙があった。

「おりおり王国へ
お前らのバナナはすべて焼却させてもらった。
        逆悪襲より」

国王「なああああにぃ?!」
さらに、その中には5房の伝説のバナナが残っていた。
伝説のバナナ丘が焼け野原になり、これ以上新たな伝説のバナナを収穫することができなくなったので、このバナナが最後の伝説のバナナだったのだ。

さらに最近、おりおり国、おりおり王国内で、連続殺人事件*3や、変死事件が多くみられる。
その現場にはすべて、逆悪襲の紋章が刻まれている。

そして、今日。おりおり農園が滅亡した。
本当に滅亡だ。「壊滅」や「破壊」ではない。
もうこの農園でばななは、取れない。

このことらにより、おりおり国民全員が激怒している。

そして、国王から指令が下りる。

「環境破壊監視署全職員に告ぐ! 今すぐに逆悪襲と全面戦争だ! こちらの全存在をかけてあいつらをつぶしてこい!!」

おりおり「はい。わかりました。あいつらは絶対に叩きのめします。」
佐藤「分りました!こんなことをしたこと、絶対に後悔させます。」
ゴリブレイド「逆悪襲、待ってろよぉ!!」
カンクン「カン!カン!」
などなど…*4

だがしかし、俺はわかっていた。
この戦争が、おり桐戦争よりもはるかに大きい規模の戦争になることを。

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