《無料公開》【ロッテ球団73年考察/(16)-投手-「先発、完投、完封」の73シーズンベスト10】
(写真 歴代シーズン先発でベスト10を占めた3投手、左から成田文男、小山正明、坂井勝二)
(16)(投手編)「先発、完投、完封」の73シーズンベスト10
「人生先発完投」。エースだった村田兆治が現役時代から亡くなる直前まで、必ずサインに添えていた言葉だ。先発マウンドに上がると、最後まで投げ切ることにこだわった村田だったが、完投も完封も球団歴代トップを記録した。
これまで、投手の分業については再三触れてきたが、先発は週一が基本となっている現在では、最大で先発数は30試合程度になる。そのため、完封、完投も過去とは大きな相違があり、今回の「先発」「完封」「完投」記録ランキングは、昭和の時代の投手ばかりになることを御了解いただきたい。特に東京時代、主軸投手に大きな負担がかかっていたことが分かるランキングになる。
【歴代シーズン先発 ベスト10】
※先発試合数/登板試合数
◆1位…成田 文男 43先発/48試合 1969(昭和44)年 ※NPB100傑16位
◆2位…小山 正明 42先発/53試合 1964(昭和39)年 ※NPB100傑19位
◆3位…坂井 勝二 40先発/45試合 1968(昭和43)年 ※NPB100傑34位
◆4位…小山 正明 39先発/50試合 1965(昭和40)年 ※NPB100傑52位
◆5位…成田 文男 38先発/49試合 1968(昭和43)年 ※NPB100傑69位
◆6位…坂井 勝二 37先発/58試合 1964(昭和39)年 ※NPB100傑83位
◆7位…成田 文男 36先発/38試合 1970(昭和45)年
◆8位…成田 文男 35先発/55試合 1967(昭和42)年
◆9位…小山 正明 34先発/49試合 1966(昭和41)年
◆10位…坂井 勝二 34先発/45試合 1967(昭和42)年
※NPB最多…51先発 林安夫 (朝日) 1942(昭和17)年
※現役最多…唐川侑己 27先発/27試合 2013(平成25)年
まずシーズン先発数をランキング化すると、東京球場時代の記録がズラリと並ぶが、投手は成田、小山、坂井の3投手の名前だけになる。この時期、成田、小山、坂井の3投手が中心となりローテーションを回していたことが記録から分かる。
トップの成田は1969(昭和44)年、43試合に先発した。このシーズンから試合数は130試合になったので、3試合に1度先発したことになる。それ以外に5試合にリリーフ登板している。下記ランキングのとおり、この年成田は21試合で完投しており、投球回は317回を記録している(投球回については、別途項目を設ける)。加えて8月16日には球団初のノーヒットノーランも記録した。この年、投手陣は前年に引き続き小山の状態が悪く、また坂井も今一つの調子で成田に負担がかかった。ただ、成田はこの頃から肩に違和感を抱えていたことを後年明かしている。成田は5位に68(S43)年の38先発が5位、70(S45)年の36先発が7位、67(S42)年の35先発が8位にランクしている。
2位は小山の1964(昭和39)年の42先発。阪神で村山とともに投手陣をけん引した実績を持ってオリオンズに移籍してきた初年度。リリーフにも11試合登板し、登板数は53試合、投球回は361.1回に及び、これは投球回数の球団記録になっている。小山は4位と9位にもランクインしたが、前述のとおり68(S43)年、69(S44)年と調子を落としたが、36歳ながら翌70(S45)年には38登板(29先発)と復活している。
3位には1968(昭和43)年の坂井の40先発。この年139試合だったが、成田も38先発し2人で78先発と半数以上の試合に先発した。坂井は6位と10位にもランクインした。
【歴代シーズン完投 ベスト10】
◆1位…小山 正明 25完投 1964(昭和39)年 ※NPB100傑79位
◆2位…小山 正明 23完投 1966(昭和41)年
◆3位…小山 正明 22完投 1965(昭和40)年
◆4位…成田 文男 21完投 1969(昭和44)年
◆〃 …成田 文男 21完投 1970(昭和45)年
◆〃 …村田 兆治 21完投 1979(昭和54)年
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