《有料、冒頭試読》【ロッテ球団73年考察/(15)(打者編)「出塁率」73シーズン歴代ベスト10】
(写真)歴代通算出塁率、左・4000打席以上でトップの山内一弘監督、右・3000打席以上でトップの落合博満(落合入団会見から)
(15)(打者編)「出塁率」73シーズン歴代ベスト10
タイトルの一つである出塁率。打率が四死球と犠打、犠飛を除いた打数に対する安打数の割合に対して、安打数と四死球を含めた出塁を図る率として算出される。2リーグ制創設直後はタイトルとして表彰されていなかったが、1962(昭和37)年からタイトルとして表彰されている。
まずは、そのタイトル「最高出塁率」のタイトル獲得打者から。
出塁率の計算について、1984(昭和59)年までは犠飛を加味しない計算式((安打+四死球)÷(打数+四死球))だったが、85(S60)からは犠飛が加味された((安打+四死球)÷(打数+四死球+犠飛))が、シーズンの記録については当時のままの出塁率で掲出。通算成績は犠飛を加味して計算した数字で掲出する。
【最高出塁率獲得 一覧】
★1954(昭和29)年…山内 和弘(22歳) .40444 (155安打/82四死球)(打点王)
★1955(昭和30)年…山内 和弘(23歳) .42561 (160安打/86四死球)(打点王)
★1956(昭和31)年…山内 和弘(24歳) .41611 (152安打/96四死球)
★1957(昭和32)年…山内 和弘(25歳) .42829 (144安打/74四死球) (首位打者)
★1960(昭和35)年…榎本 喜八(24歳) .43447 (170安打/79四死球) (首位打者)
★1966(昭和41)年…榎本 喜八(30歳) .43920 (167安打/75四死球)(首位打者)
★1971(昭和46)年…江藤 慎一(34歳) .41364 (131安打/51四死球)(首位打者)
★1982(昭和57)年…落合 博満(29歳) .43066 (150安打/86四死球) (三冠王)
★1985(昭和60)年…落合 博満(32歳) .48063 (169安打/104四死球) (三冠王)
★1986(昭和61)年…落合 博満(33歳) .48659 (150安打/104四死球)(三冠王)
※パ・リーグは1962(昭和37)年から表彰
初めて出塁率のリーグトップに立ったのは1954(昭和29)年山内。.404で球団史上初めてリーグトップに立った。打率はリーグ4位だったが、ダントツの80四球(2死球)が出塁率を大きく引き上げた。
1960(昭和35)年には榎本が初めてトップに立った。圧倒的な高打率で首位打者に輝いたが、79四死球もリーグトップで出塁率も高かった。榎本は首位打者を獲得した1966(昭和41)年にもトップ。この年の榎本が初めて表彰対象となった。
1971(昭和46)年には首位打者を獲得した江藤が手にした。安打、四死球は多くなかったものの、.337と高打率をキープした。
その後11年間出なかったが、落合が自身初めて三冠王を獲得した1982(昭和57)年にトップに立った。落合は連続三冠王となった1985(昭和60)年と1986(昭和61)年にも最高出塁率を獲得。この2年間は高い出塁率を記録し、球団歴代でもトップ2に輝く。
この落合を最後に、以降最高出塁率打者は出ていない。
【歴代シーズン出塁率 ベスト10】
◆1位…落合 博満 .48659【最高出塁率】(1986(昭和61)年) ※NPB100傑9位
◆2位…落合 博満 .48063【最高出塁率】(1986(昭和61)年) ※NPB100傑11位
◆3位…榎本 喜八 .43920【最高出塁率】(1966(昭和41)年) ※NPB100傑82位
◆4位…落合 博満 .43907(リーグ2位)(1984(昭和59)年) ※NPB100傑83位
◆5位…榎本 喜八 .43447【最高出塁率】(1960(昭和35)年)
◆6位…落合 博満 .43066【最高出塁率】(1982(昭和57)年)
◆7位…榎本 喜八 .42981(リーグ2位)(1967(昭和42)年)
◆8位…山内 和弘 .42829【最高出塁率】(1957(昭和32)年)
◆9位…山内 和弘 .42561【最高出塁率】(1955(昭和30)年)
◆10位…福浦 和也 .42360 (2001(平成13)年)(リーグ2位)※犠飛を加味した記録
※NPB最高….53358 王貞治 (巨人) 1974(昭和49)年
※現役最高…角中勝也 .417 2016(平成28)年
落合の2年連続三冠王時の出塁率の高さが目立つ。NPB100傑でも9位と11位に入る4割8分超えが1位と2位に並ぶ。
最高出塁率獲得時の打者が並ぶが、7位にリーグ2位だった榎本の(1967(昭和42)年)の.430が入る。10位には2001(平成13)年に首位打者を獲得した時の福浦の.424がランキングに入る。高い出塁率だったが、リーグ出塁率は2位だった。現役では、2016(平成28)年の角中の.417が最高。
続いて通算出塁率の歴代ランキングを考察する。
【歴代通算出塁率 ベスト10】
◎現役 ※オリオンズ、マリーンズ在籍時「4000打数以上」(NPB規定)
◆1位…山内 一弘 .39807 (通算/.37849 NPB100傑31位)
<在籍12年 1952(S27)~1963(S38)/通算19年3球団>
◆2位…榎本 喜八 .38980 (通算/.38588 NPB100傑14位)
<在籍17年 1955(S30)~1971(S46)/通算18年2球団>
◆3位…レロンリー .38418
<在籍通算11年(1977(昭和52)~1987(昭和62))>
※参考…◎角中勝也 .36281 ※NPB100傑63位
<在籍16年 2007(H19)~>
◆4位…福浦 和也 .35383 ※NPB100傑91位
<在籍26年(1994(平成6)~2019(平成元))>
◆5位…有藤 道世 .34791
<在籍通算18年 1969(S44)~1986(S61)>
◆6位…堀 幸一 .33602
<在籍通算23年 1988(S63)~2010(H22)>
◆7位…サブロー .34116 (通算/.34021)
<在籍通算22年 1995(H7)~2011(H23)、12(H24)~16(H28)/通算22年2球団>
◆8位…西村 徳文 .33263
<在籍通算16年 1982(S57)~1997(H9)>
◆9位…山崎 裕之 .32253 (通算/.33701)
<在籍14年 1965(S40)~1978(S53)/通算20年2球団>
◆10位…今江 敏晃 .31942 (通算/.32067)
<在籍14年 2002(H14)~2015(H27)/通算18年2球団>
※NPB最高….44626 王貞治 (巨人) 1959(昭和34)年~1980(昭和55)年
※現役最高…角中勝也 .3628
4000打数以上では、歴代通算出塁率のトップに立つのは山内。4割には届かなかいものの.398でトップ、2位には榎本の.340と大毎時代の3、4番が並ぶ。
3位には.384でリーがランクイン。4番目には、現在4350打数の角中が入る。角中は現在NPB100傑63位だが、今後数字が動くために参考とした。福浦が角中に続いて4位に入る。
5位には.348の有藤、6位には.336の堀、7位には.341のサブローと福浦に続きマリーンズの主軸がランクに入る。8位には.333の西村、9位には.323の山崎、10位には.319の今江が続いた。
【歴代通算出塁率 ベスト10】
◎現役 ※オリオンズ、マリーンズ在籍時「3000打席以上」
◆1位…落合 博満 .42476 (通算/.42246 ※NPB100傑2位)
<在籍8年 1979(昭和54)~1986(昭和61)/通算20年4球団>
◆2位…山内 一弘 .39807
◆3位…榎本 喜八 .38682
◆4位…レロンリー .38418
◆5位…アルトマン .38354 (通算/.30946)
<在籍7年(1968(昭和43)~1974(昭和49))/通算8年2球団>
◆6位…西岡 剛 .36351 (通算/.35666 ※NPB100傑82位)
<在籍8年 2003(平成15)~2010(平成22)/通算17年2球団>
※参考…◎角中勝也 .36281 (通算/.35815)
◆7位…井口 資仁 .35746<在籍9年(2009(平成21)~2017(平成29))/通算14年2球団>
◆8位…福浦 和也 .35389
◆9位…有藤 道世 .34791
※参考…◎荻野貴司 .34621
<在籍中(2010(H22)~>
◆10位…平井 光親 .34326
<在籍16年 1989(H元)~2002(H14)>
※参考…◎中村奨吾 .34150
<在籍中(2015(H27)~>
3000打席以上に絞ると、落合が唯一の4割超えとなる.425でトップに立つ。落合は通算でも.422でNPB100傑の2位にランクインする。2位から4位には、山内、榎本、リーと4000打数以上で上位の3人が並び、5位には.384でアルトマンが、6位には西岡がランクインする。7番目に現役の角中が入るが参考とした。
7位には井口がランクイン、8位には有藤、そして10番目には現在3659打数で.346の現役荻野がランクイン。荻野も角中同様、今後数字が上下するため参考とした。
10位には首位打者を獲得した平井が入った。なお、ランキングに近い数字を残している現役の中村を参考に掲出した。
また、最後に出塁率ではないが、チーム記録として「先頭打者毎回出塁」を記録している。
【先頭打者毎回出塁】
1960年(昭和35)年7月13日・西鉄
1回/田宮謙次郎…右安
2回/谷本 稔…四球
3回/矢頭 高雄…投安打
4回/山内 和弘…左安
5回/矢頭 高雄…左中二塁打
6回/榎本 喜八…左中三塁打
7回/矢頭 高雄…三ゴロ失策
8回/山内 和弘…中安打
※過去多数記録あり
(次回)⇒《有料、冒頭試読》(16)(投手編)「先発・完投・完封」の73シーズンベスト10
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山内一弘は1962(昭和37)7月18日まで和弘、19日から一弘。
有藤道世は1974(昭和49)年まで通世、翌年から道世。
シーズン記録では、獲得した年の表記、通算記録では改名後で表記した。
※参考文献、引用--------------------------------
『千葉ロッテマリーンズ ガイドブック』各年度版
『千葉ロッテマリーンズ球団50年史』株式会社スリーライト刊
『日本プロ野球記録 公式戦全スコアWEB』
https://2689web.com/#google_vignette
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