《有料・冒頭試読》【マリーンズ略史 92~05/-08- 2002年 開幕11連敗が響き4位】
(写真 2002年ファンブックに掲載された集合写真)
(8)開幕11連敗が響き借金5の4位に終わる
【2002年スローガン『フォア ザ チーム』】
【開幕前評価】
今シーズンから外国人枠の登録が変更され、投手2人+野手2人の4人から、投手・野手を合わせて合計4人(但し投手か野手必ず1人は登録)と現在も続く登録数となった。
前年福浦が.346で首位打者を獲得、ボーリックとメイが揃ってホール以来の30本塁打超えを記録と打線の軸が出来た。また、サブロー、大塚らも台頭し、ルーキーとして東京六大学でシーズン最高打率.535を記録した喜多隆志が入団し、打線の充実度に期待は高まった。
しかし、投手陣では前年右肩痛で後半を棒に振った黒木が、キャンプではブルペンには入ったが復帰へのメドが立たず、開幕には間に合わない状況となった。加えて、先発のもう1本の柱である小野も調子が上がらず開幕登録から外れる事態で開幕を迎えることになった。
これまで開幕戦は前年のAクラスチームが開幕権を持ち、1位‐4位、2位‐5位、3位‐6位で行われていたが、日程作成を早めたいとの理由から、前々年の順位を反映させることになり、2002年の開幕は移行年として、セパ合わせて6大都市(札幌、東京、名古屋、大阪、広島、福岡)で開幕、ロッテは西武と前年に完成した札幌ドームでの開幕戦となった。2001年の順位は2003年の開幕戦に反映される。また、2002年はサッカーの日韓W杯が開催されるため、日本代表の試合日は試合を行わないことになり、6月は変則日程となった。
【4月 7勝17敗1分】
開幕戦は3月30日からの札幌ドームでの西武2連戦。開幕マウンドにはミンチーが上がった。ミンチーは広島時代にも開幕投手を務めており、両リーグで開幕投手を務めた初の外国人投手となった。そのミンチーが7回を3失点と踏ん張るも打線は西武松坂の前に沈黙。9回に2点を返したものの一歩及ばず2-3の黒星スタートとなった。
ここから悪夢が始まった。翌2回戦は加藤が序盤から崩れて連敗スタート。1日からはダイエー3連戦(福岡D)は渡辺俊、小林宏、薮田で3連敗、加えて小坂が骨折して離脱する。千葉マリン開幕となった6日からの近鉄2連戦はミンチーと加藤で連敗、8日からの日本ハム2連戦(千葉マリン)はシコースキーと渡辺俊で連敗し、開幕から9連敗と白星に恵まれない。さらに12日からのオリックス2連戦(神戸)も連敗し開幕からの連敗は11と伸び、日本記録にあと1と迫った。先発陣が試合を作れず、11試合は全て先発投手に黒星がついた。
14日の3回戦の先発マウンドに上がったのは清水直だった。前年から小林雅につなぐリリーフとしてフル回転し、今シーズンも開幕から8回を任されていたが、チームの緊急事態に先発マウンドに上がった。打線が初回に先行し4回に追加点を奪い4-0とリード。清水直は8安打を許しながらも7回途中まで1失点と踏ん張る。リリーフ陣が藤田‐吉田‐小林雅と反撃を断ち、4-1で今シーズン初勝利を挙げ、開幕連敗を日本記録一歩手前の11連敗で止めた。
この後白星を取り返していく。15日からの西武2連戦(千葉マリン)は初戦3回戦には連敗中に中継ぎから先発に回ったシコースキーが先発、打線が序盤から爆発して18安打13得点と援護、シコースキーも6回3失点と踏ん張り初勝利。翌4回戦には小野が今シーズン初先発。1-1の引き分けに終わったものの、小野は8回1失点と好投し1勝1分と勝ち越す。続く19日からの日本ハム3連戦(東京D)にミンチー、加藤、清水直の先発振3本柱で3連勝。5連勝して5勝11敗と押し戻す。
しかし、続く22日からのオリックス3連戦(千葉マリン)、近鉄3連戦(大阪D)をともに1勝2敗と負け越し、29日からのダイエー3連戦(千葉マリン)の初戦4回戦、続く5回戦に連敗、4連敗を喫して4月を終えた。開幕11連敗は大きな痛手となり借金は10、首位とは9.5ゲーム離された最下位だった。
【5月 8勝12敗/15勝29敗1分】
ここから先は
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?