パラクライミングが、パラリンピックに追加されるかも!?
前回の東京オリンピックで、新種目となったスポーツクライミングでは、野口哲代選手が銅メダルを獲得するなど、日本勢の活躍が目立ち、話題となりました。
では、障害者によるスポーツクライミング=“パラクライミング”はどうでしょうか? 実はことし、大きな動きがありました!
▼パラリンピック種目化を目指す動きは、世界的なものに!
スポーツクライミングの国際的な競技団体に、国際スポーツクライミング連盟=“IFSC”があります。
IFSCでは、2028年のロサンゼルスでのオリンピック・パラリンピックに向けて、スポーツクライミングをいかに発展させていくかについて「戦略プラン2020‐2028」を定めています。
2020東京大会では、1人の選手が、リード&ボルダー&スピードの3種目に挑み、その総合成績を競うという形で、金・銀・銅メダルが、男女1セットずつ用意されました。
戦略プランによると、2024年のパリ大会では、リード&ボルダーで1競技、そしてスピードで1競技の、計2競技とすることを、目指すとしています。
実際に、メダルが、男女2セットずつに増えることになりました。
そして、2028年のロサンゼルス大会では、リード、ボルダー、スピードを、それぞれ独立した競技とし、メダルを男女3セットずつに。そして、パラクライミングを、パラリンピック種目に追加することを目指すとしています。
そしてIFSCは、パラリンピック種目化に向けて、障害別のクラス分け規則の確立や、パラクライミング専門のルートセッターの育成、選手層の拡充などに力を入れていくことを、戦略プランに盛り込んでいます。
▼国際パラリンピック委員会が発表“追加を検討する”!
そんな戦略プランが進行している中、1月30日、国際パラリンピック委員会=“IPC”から、ワクワクする発表がありました。
2028年のロサンゼルス・パラリンピックの実施競技について、現在の22競技に加えて、新たに“パラクライミング”と、“パラサーフィン”の2競技について、“追加を検討する”というものです。
ロサンゼルス大会の組織委員会が検討したうえで、IPCに推薦すれば、年内に開かれる理事会で実施競技として承認するかどうか最終決定する、としています。
▼障害別“クラス分け”とは?
パラクライミングの競技において重要なのは“クラス分け”です。大枠として、【視覚障害】と【身体機能障害】があり、選手は、障害の種類や、程度によって、いくつかの“クラス”に分けられ、順位を競い合います。
“クラス分け”については以下の記事で解説しています↓
東京オリンピックでは、スポーツクライミングとともに、サーフィンも、新種目となりました。パラクライミングのように課題を乗り越え、パラサーフィンのように勢いに乗って、パラリンピックの大舞台で活躍する選手たちの姿が実現することを願っています。
(了)
※追記
IPCは、2028年のロサンゼルス大会で、パラクライミングの実施を決定しました!
残念なことに、パラサーフィンの実施は見送られました。
みなさんのサポートは、パラクライミングの発展のため、日本パラクライミング協会にお届けします。https://www.jpca-climbing.org/